目の前で笑わずとも
静かな夜が嫌い。
虚無感というか居心地が悪いというか、言い表せないような漠然とした不安に包み込まれてしまうことがあるから。
できれば出会いたくないものの1つ。
だけど、いまは違います。
いまは、そんな夜でさえ、ぎゅっと抱きしめて自分のものにしたい。「静かな夜」が持つ音の響きや、まっくろに染まった色、抜け出せない長い長い時間なんかまで、ぐるっとまるごと抱きしめて、自分のものにしたい。そう思うのです。
「見えなくても伝わるもの」というステキな思いの紡ぎがあって、わたしは、それがきっと『言葉』のことなんじゃないかなぁと思っていました。だけれど、その『言葉』さえなくとも、伝わるものがあると知りました。
たとえば、笑顔だったり目の動きだったり、それから、息の使いやその場の空気感が、それにあたるのかな。
そうすると、目の前にいなければ伝わらないような届かないような、そんなもどかしい気持ちになるんだけれど、見えないからこそ「文字で表す気持ち」や「文章で繋ぐ想い」があるんじゃないかなぁと最近よく思うのです。思うのですというか、それがいまの目指すところなのです。
今日は静かな夜です。
きっとどこかであの人も見上げているだろう月を横目に、一言では到底表せないような気持ちを、そっとココロの中だけに閉じ込めておきます。
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