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デッドガール・レッツ・セット・デート・ゲットゲットゲットハート!!
ズッキューン!
愛しのアー君が放った矢がワタシの胸を貫いた!
雷に打たれたような衝撃!
これぞ運命!
──まあベルっちがなんか凄いパワーで矢を動かしてくれたんだけどね。
みてみて皆!
さりげなくかつしっかりと胸の矢を周囲にアピール。
これがモテカワ恋愛術34『隙あらば関係性を主張しちゃお!』
将を討ちたければ矢を射よって昔のすごい人も言ってたしね。
そうしていい感じに周りにいた子たちの視線を感じていると、アー君がふわふわと浮かびながら向かってきた。
「わりぃ。変にとんでっちまって……」
額に浮かぶ汗と小さな体に似合ってる弓道着が超セクシー……
「……死んでる?」
「うん……あ、じゃなくて、ほら!」
慌てて矢を抜くと、胸からは抑えきれないLOVE……の代わりに体液が漏れちゃった。でもカバンから大きいガーゼを取り出して胸の穴にぐりぐりと押し込こめばほら元通り。
「ワタシは頑丈だから全然痛くないよ! あっ、ワタシはウィス。気軽にウィスちゃんって呼んでね」
「そ、そう。俺はアーク──」
「知ってるよ! 期待の新人でだって噂聞いたもん。すごいよね!」
「えっ? ……まあな」
ぶっきらぼうなアー君。照れを隠そうとしてるのが可愛いすぎて食べちゃいたいぐらい! 収まれ唾液とゾンビの本能。
みんなよく誤解してるけど、アー君は口と目つきが悪いだけで本当は心優しい男の子なんだよね。ワタシにはわかるの。うん。だって大好きだから。
アー君は最後にそっけなくじゃあなと言って、LOVEにまみれた矢を手に小さな羽とシッポをひょこひょこ動かしながら戻っていった。
(うまくいったねウィスちゃん^^b)
少し離れた桜の木の陰で見てたベルっちが念を送ってきたのでピースで返事。
モテカワ恋愛術1『第一印象は超大事だから派手にやっちゃお』大成功!
さて、恋する乙女に休みなし。5日後の練習試合に向けてすぐに作戦会議しなくちゃ。今日は駅前のフルーツ大福屋に集合だ!
続く
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