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スクラムマスターがシステムコーチング®を学ぶことで得たナニカ

【最近、界隈で流行っている気がする】

●あれ?気のせい?

私の観測できる範囲でしかないのですが・・・。
アジャイル界隈でシステムコーチング®(以降はORSC®︎と表記)やパーソナルコーチングが流行しているような気がしています。

流行というと流行り物で廃れもあるようなイメージがあるので良い表現ではないかもしれませんが・・・。

アジャイルやスクラムといった言葉が、開発手法として定着したのかなーとか思いを馳せたりします。

開発手法としてそれらを用いることはもう当たり前で、その実践者の方が「どうやると組織がより良い状態や関係性になるんだ」ということに集中できる状態が築き上げられてきたのではないかと思います。

【基本的な情報】

ここまで読んでいただき、アジャイルとかスクラムとかシステムコーチングって何?って状態の方もいると思うので、不親切な説明書きをします。

●スクラムマスターとは

開発手法の1つ(そういう表現はしたくないんだけど)であるスクラムで定義されている役割の1つです。

公式のガイドブックにはこうあります

スクラムマスター

スクラムマスターは、スクラムガイドで定義されたスクラムを確⽴させることの結果に責任を持つ。スクラムマスターは、スクラムチームと組織において、スクラムの理論とプラクティスを全員に理解してもらえるよう⽀援することで、その責任を果たす。
スクラムマスターは、スクラムチームの有効性に責任を持つ。スクラムマスターは、スクラムチームがスクラムフレームワーク内でプラクティスを改善できるようにすることで、その責任を果たす。
スクラムマスターは、スクラムチームと、より⼤きな組織に奉仕する真のリーダーである。 スクラムマスターは、さまざまな形でスクラムチームを⽀援する。

・⾃⼰管理型で機能横断型のチームメンバーをコーチする。
・スクラムチームが完成の定義を満たす価値の⾼いインクリメントの作成に集中できるよう⽀援する。
・スクラムチームの進捗を妨げる障害物を排除するように働きかける。
・すべてのスクラムイベントが開催され、ポジティブで⽣産的であり、タイムボックスの制限が守られるようにする。

スクラムマスターは、さまざまな形でプロダクトオーナーを⽀援する。

・効果的なプロダクトゴールの定義とプロダクトバックログ管理の⽅法を探すことを⽀援する。
・明確で簡潔なプロダクトバックログアイテムの必要性についてスクラムチームに理解してもらう。
・複雑な環境での経験的なプロダクト計画の策定を⽀援する。
・必要に応じてステークホルダーとのコラボレーションを促進する。

スクラムマスターは、さまざまな形で組織を⽀援する。

・組織へのスクラムの導⼊を指導・トレーニング・コーチする。
・組織においてスクラムの実施⽅法を計画・助⾔する。
・複雑な作業に対する経験的アプローチを社員やステークホルダーに理解・実施してもらう。
・ステークホルダーとスクラムチームの間の障壁を取り除く。

Scrum Guide 2020
P.7-8

ざっくりですが、スクラムという働き方に対して関係者みんなを応援していく人!

●システムコーチとは

公式はここ

システムコーチング®/ORSC®(Organization & Relationship Systems Coaching®)は組織やチームなどの複数人やその関係性に対してコーチングを行うこと。

参考は下記

https://note.com/s09ap161/n/nba50d03c83ce

システムコーチとは、個人だけでなく、複数人からなる関係性システム™においてコーチングを行う人。

【比較してみよう!】

なーんとなく概念レベルでスクラムマスターとシステムコーチが見えてきたところで、一歩深く入ります。

それぞれに共通するところや、違いを感じるところを書いていきます。

※細かく上げると大変なので、ザクっと書きます!

●類似点

個人や複数人に対して、コーチングや問いかけによって道を切り開くところに類似点を感じます。

「こうありたい」というシステムに対して、大なり小なりの課題があるとします。
そこに対して可視化や教育、手法を使って解決へと導きます。

●相違点

あるべき姿に対するアプローチが違うように感じています。
スクラムやアジャイルの世界では、チームや組織やプロダクトを考える時に、一定のあるべき姿やそこに向かう方法論などが描かれている気がします。

しかし、ORSCにおいては、コーチやその場に対するあるべき姿は存在するものの、向かう先やどのような姿でいるかはチームと組織が答えを生み出していく考え方だと理解しています。

顧客価値や全体最適のためにアジャイルなマインドセットでスクラムな働き方を深めてほしいスクラムマスターに対して、
どうありたいかの正解を自ら決断し進んでいくことを求めるシステムコーチングという対比です。

「こんな世界であればいいのに」という憧れなのか願望なのかからスクラムマスターやアジャイルコーチとして振る舞うことを選んだ私には、多少の矛盾を抱えるような悩みどころのような状態です。

【人を大切にするようになった】

違いがなんとなく見えたところですね!え!?

違いとして挙げたのは、私の中でより重要だと感じた項目です。
その共通項と違いから、私がどのような変化をしたかをアウトプットします。

●以前の自分

1:解決してあげたい・・・けど導かなければいけない・・・。

以前の私は、チームなりの課題を聞き、自分なりの答えを出すような状態がありました。
もしくは、一定のスクラムやアジャイルなりでの方法論から回答を導き出していたような気がします。

しかし、「チーム自身が答えを出す」「自己組織化」というような考え方がスクラムにはあるので、どうにかヒントを出しながら答えにたどり着くようにリードしていた気がします。

2:論理的に正しいことがなぜできないのかわからない

やるべき事や、その手法があるのに実践しない/できないことがあります。
正しそうな事柄や明らかに効率的なことに対して色々な理由からしない理由が理解できませんでした(腹立たしいといった感じの意味)

そこに、どのように正しいかをさらに論理で説明していくようなスタイルだったと思います。

●今の自分

1:解決してあげたい・・・けど導かなければいけない・・・。

解決策があるものについては、一緒に議論することも問題ないように思えるようになりました。場合によっては表面で見える解決策は教えることにしています。

もしくは、解決をする主体ではなく、チーム・組織がどうしたいと思っているのかを顕在化し反映することを主軸とするようになりました。

この理由は「システムには生み出す力がある」というようなORSCで受け取った言葉があるからです。

そもそも引き出しとして解決できないのであれば、スクラムマスターとして教えてしまえばいいと思うようになりました。

チームは十分に解決する能力があることを信じて課題に一緒に立ち向かうようになりました。

1人のスクラムマスターしかいないことにプレッシャーを感じるのではなく、チーム全員で課題にスクラムに向かうようになりました。

2:論理的に正しいことがなぜできないのかわからない

チームを信頼する、任せる豊かさを手に入れました。

そこから、チームが十分に解決する能力があるにも関わらずそれができない場合こそ、アーノルド・ミンデルの提唱する3つの現実レベルからチームを見るようになりました。
そして、具体的なアクションとして何か解決できない理由があるのかを捉えます。
もしくは、心理的な何かによって解決できない状態ができているのかを捉えます。
もしかすると、先入観や組織の価値観などから解決できないと思い込んでいるのかもしれません。

そのような心持ちでチームと一緒にいられるようになりました。

※下記記事中に3つの現実レベルについて記載がある

https://ww.crrglobaljapan.com/orsclabo/labo003/

まとめ

スクラムチームにはスクラムマスターは1人と定義されていますが、だからと言って1人で何かと戦う必要はないことをORSCを通じて学びました。

スクラムマスターとして関わっている組織を信頼し、一緒になって課題を乗り越えていく事の重要性に改めて気づくことができました。

ここからさらに、アジャイルやスクラム、ORSCの世界を探求していこうと思います。

良い言葉をもらったのでここに書いておきます!

アジャイルは"マインドセット"

スクラムは"働き方"

システムコーチは"生き方"

※「ORSC®︎(Organization & Relationship Systems Coaching®︎)」および「システムコーチング®︎」は、CRR Global Japan 合同会社の登録商標です。 http://www.crrglobaljapan.com