芸人「ニューヨーク」との出会い
おそらく本家のニューヨーカーを超える勢いで増殖中なのが、お笑いコンビ「ニューヨーク」のファン、通称「ニューヨーカー」だ。
私もその一人である。
この名称は2017年にニューヨークがラジオパーソナリティをしていたオールナイトニッポンZEROで産まれた。
オールナイトニッポンZEROはナイティナインの次の時間帯だったため、前後番組のクロストークの中で岡村隆が、ニューヨークファンの事をニューヨーカーと勝手に呼び始めたことが起源となる。
当初ニューヨークの二人はこの名称を「ダサい」とバカにしていたと記憶しているが、彼らの性格的に岡村さんくらいの大物に命名されなかったら、ファンネームを作るなんてことはしなかっただろう。
今や「ニューヨーカー」はファンの間で当然のように固有名詞として使われており、
ニューヨークファンが集まるオープンチャットでは「私は新参ですがニューヨーカーと思ってもいいのでしょうか」といった、世界一平和なお悩み相談がされたりもする。
ニューヨークとの出会い
私とニューヨークとの出会いは9年前に遡る。
2012年にフジテレビで放送されていた、若手芸人によるユニット番組「バチバチエレキテる」でニューヨークを初めて認知した。
番組の内容的には「はねるのトびら」や「ピカルの定理」当たる。
余談だがキーボードで「はねるの」まで打つと「トびら」まで出てきた。Windows10の予測変換にまでデフォルト登録されているとは驚きだ。
そんなはねるのトびらとは対極に、バチバチエレキテるは6カ月間(2クール)の短命に終わっている。
特にお笑い好きでもない自分が、深夜コント番組を見だしたキッカケは、お笑いと全く関係なく乃木坂46の白石麻衣がMCを務めていたからである。 仕事の関係で48グループをファンになり、駆け出しの乃木坂46にハマっていたこのころである。
なので出演している芸人達は白石さんの背景くらいに捉えていた。
ところがどっこい、初回の放送から若手芸人達の「荒々しいパワー」と「ネタの斬新さ」に度肝を抜かされた。
また芸人たちが当時の私と同じ年齢層だったことも一層刺激になった。
私が生まれて初めて買ったDVD(映画・音楽も含めて)は「うしろシティ」だったし、
「プリマ旦那」(現:令和喜多みな実)は将来ダウンタウンみたいになるのでは思わせるほど華があった。
「ラブレターズ」からは圧倒的な狂気とワクワクを感じたし、
「デニス」は今すぐダウンタウンDXやさんま御殿に出ても大活躍できると思った。
「カーニバル」は分かりやすくお笑い能力が高くて、意外とオマケっぽい茜さんの頭脳がすごい。(茜さんのnoteぜひ見てほしい)
「ベイビーギャング」はいつか解散して片方は大売れし、片方は捕まるのではないかと感じた。
そんな個性的なメンバーの中で、ニューヨークの第一印象はどう映ったか。
屋敷さんは「関西弁のツッコミ上手な仕切屋」
嶋佐さんは「見たことない種類の顔の人」
そんな印象だった。
うしろシティのコントとプリマ旦那のスター性がずば抜けていた。
初めてニューヨーク、特に嶋佐さんのパーソナリティの色が見えたのが、
「嶋佐の家にBB弾50万発ばら撒いて全て拾い集めましょう」という、むちゃくちゃなロケ企画だった。<バチバチエレキテる2012年5月28日>
家に土足で入るや否や信じられない量のBB弾が、狭い部屋にバラまかれる。
衣服が散乱されていた、ゴミと小物だらけの床に、
黄色いBB弾がラクレットチーズの様にぶっかけられていく。
自分の家だったらと考えただけで見も毛がよだつ。
この番組で最も印象的なロケ企画だ。
こんなことされたら番組関係なくブチ切れ案件だと思うが、
嶋佐さんは違った。
片づけアイテム(オタマや掃除機)が渡されるたびに、
BB弾が一気に取れる様を見て「スゲー!」と嬉々としながら作業する。
嶋佐さんの怒っている絵が撮りたいロケメンバーは、
せっかく集めたBB弾を床にぶちまけたり、いろいろ仕掛けるが。
嶋佐さんは動ヘラヘラと動じず、最後まで楽しそうに片付けをしていった。
実はこの「おおらか・変・かわいい」の3ステータスは、
バラエティ芸人が喉から手が出るほど欲しい才能だと思う。
ただし、この三つのステータスがあったとしても、視聴者に届かなければ意味がない。
テレビ番組を見ていると、
おおらかに「見える」・変わって「見える」・かわいく「見える」
ことが重要なのだと感じる。
本当はロンドンハーツの「格付けしあう売れっ子たち」の考察を書くつもりでしたが、
謎のプロローグから入ってしまい、本題にたどり着きませんでした。
また続きを書く予定。