欲望
深夜になると、とてつもなく腹が空く。
いや腹が空くということもないが、とてつもなく何かを食べたくなる。
そんな欲望が激しく揺れ動く。
新しく買ったスウェットパーカー、そのフードを被って、確かな足取りで2階へと急いだ。
そこからはもう、ただ欲望に身体を任せる。
ポテトチップスを食べ、また次もポテトチップスを食べ。
冷蔵庫で余っているのは、大きな箱に入ったマックのナゲット。
どれだけ食べれるかだとか、そんなつまらないことは気にする間もなく全てをオーブントースターに放り込む。
こんがりと焼けたら、数秒だけ温めたバーベキューソースをたっぷりつけて食べる。
途中でフィッシュアンドアーモンドも食べて健康志向も見せつけつつ。
ただひたすらに、食べたいだけ食べる。
まるで、屋根が剥がれかけたボロ屋に迷い込んだ、汚らしいドブネズミみたいに。
それからあと、コーラを一気に飲み干す。
喉が破裂するかのような、はたまた切り裂かれるかのようなあの感覚がすごく好き。
刺激は身体中を伝っていく。血潮の滾りさえ感じる。
頭がおかしくなりそうなぐらいに美味しい。
あー、生きてる。
大人になってからこんなことをしていたら、なんだかすぐ死んでしまいそうだ。
でも今はまだ全然死ぬ気がしないので、気にせずこんなことをする。
気づけばもう朝が迎えにきそうな、この深夜。