身内が亡くなり、明日から忙しくなるので、今のうちに作業をしておきたい。夜。
暗がりの中から、虫の声。
ちゃんと窓を閉めるようにと、防犯的な意味で母からも言われたのだが、どうしても聴いていたい。
無数の声の、ひとつひとつに耳を傾ける。
そこに溶け込むように、ふと思い出す。感傷に浸る。
あー、みんな居なくなっていく。
ただ運命をたどるだけのことなのに、なんだかすこし嫌になる。
この夜にひとり、置いてけぼり。
侘しさと、そして虚しさと。
空っぽのなかに、夜の音だけが響いていた。
#ぐれーのぱーかー #日記 #エッセイ