2024年4月1日 プレミアリーグ マンチェスターシティ対アーセナル

待ちに待ったプレミアリーグの優勝候補2チームが争う頂上決戦。ポゼッションを推奨するグアルディオラ監督とアルテタ監督の師弟対決で主導権をどちらが握るのか注目される。試合前にアルテタがシティベンチでコーチ陣とハグする姿が印象的だった。

ホームシティはデ・ブライネが復帰。若干の怪我人を抱えるものの、あえてベンチに触れるが、ジョンストーンズ、グリーリッシュ、ドク、アルバレス、ボブ、リコルイスが温める今シーズン世界一の選手層。一方アウェイのアーセナルはここ最近結果を出しているメンバー中心の構成。怪我から戻ってベンチ入りしたマルチネッリがスタメンから外れたことを除けばほぼベストと言っていいのではないか。同じく怪我から復帰しベンチ入りしている冨安の出場にも期待がかかる。

ともにディフェンスラインから繋ぎ、ともに高い位置からプレスをかける両チーム。最終ラインのビルドアップから最後まではなかなか崩せない両チーム。プレス強度とボール回しの精度で若干上回ったシティがポゼッションでは主導権を握る展開となった。しかしコンパクトなディフェンスラインを引くアーセナルから決定機は作れず拮抗状態が続く。前半25分に右ふくらはぎを負傷したアケに変えてリコルイスを投入。アカンジをCBへ移動させリコルイスが右SBに入る。その後アーセナルが時よりカウンターでチャンスを作るシーンを作るも、両者決定機をつくれず前半終了。後半も決定機を作れない状況が続き、60分にフォーデンとコバチッチに変えてドクとグリーリッシュを投入。ベルナルドシウバをセンターに、ドクを右、グリーリッシュを左のウィングに起用。一方アーセナルはその直後に冨安を投入。この日守備面で比較的安定していたキヴィオルだったがそれでもドクが入り一対一での警戒も込めて左SBの交代。並行してトーマスがジョルジーニョに変わってアンカーへ投入される。ホームの声援もありシティは攻勢を強め波状攻撃を仕掛けるがそれでも決定機をなかなかつくれない。77分に怪我したと思われるサカがマルチネッリと交代。サカが交代するシーンは今シーズンはじめて?見た気がする。終盤はシティが押し込み攻撃を続けるも、アーセナルが集中した守備で抑えきりスコアレスドローの同点。アーセナルはゲーム展開からアウェイで貴重な勝ち点1を獲得した格好となる。

非常に似たスタイルに見える両チームだが、ストライカーをおくハーランド、中も外も流動的に動くフォーデン、ベルナルドシウバ、デ・ブライネのいるシティの攻撃陣。ハーランドはポストプレーでためを作りディフェンスラインを押し上げるシーンをいくつかつくったが、ガブリエルとサリバに抑え込まれなかなか攻撃に絡むシーンを作れなかった。2列目の三枚もライン間でボールを受けたり、サイドの深い位置を取ったり工夫していたが、決定的な仕事をさせてもらえず。枠内シュート1本とここまでシティが抑え込まれた試合は今シーズンはじめてではないだろうか。一方のアーセナルは最近絶好調で連動性の高いハバーツ、右サイドのサカ、ホワイト、ウーデゴールよる三角形による旋回での崩しなど、連動した崩しに期待されたが、GK含むディフェンディング3rdからのビルドアップは徹底してつぷされ、低い位置から連動して崩しきるシーンは皆無。時折みせるカウンターもシティのディフェンスラインが阻み良い形でシュートを打たせない状況が終始続いた。

お互いに高い集中力で、攻守の切り替え、高い位置からのプレス、相手に運ばれてからはコンパクトなディフェンスライン維持と、攻撃力の高い両チームながら決定機が本当に少ない固い玄人好みのゲームとなった。いつもなら引かれても崩すシティだが、サリバ、ガブリエルの両CBとライスとジョルジーニョのセンターラインを中心とした組織的な守備が、今期リーグ最小失点のアーセナルの守備力の高さを感じさせた。シティもルイスディアス、アケ、ロドリ、アカンジ、グアルディオル、途中投入のリコルイスのディフェンスラインは今日は安定感抜群。中でもW杯で活躍した印象の強いクバルディオルは、一対一を抑えシティの左サイドに安心感を与えた。ご覧になっていない方には意外に聞こえるかもしれないが、クバルディオルは攻撃参加時も落ち着きボールを失わず、時折みせるボールタッチは柔らかくシティのポゼッションにも大きく貢献し素晴らしい活躍だったと思う。

冨安は怪我明けの中、優勝争いの天王山で0対0と拮抗した中投入され、アルテタから大きな信頼を得ていることを証明した。ドクとの一対一でボール奪取するシーンや、高い打点での跳ね返し、守から攻への切り替えで前線へ飛び出す良いシーンもあったが、トロサールとのディフェス連携ミスでドクに縦突破されるシーンや比較的簡単なボールコントロールミスなど「らしくない」プレーもあり試合観に少し課題を感じる場面もあった。

前日にリバプールがブライトンから勝ち点3を積み上げ、両者負けられない一戦で、勝ち点1の痛み分け。これで勝ち点はリバプール67、アーセナル65、マンチェスターシティ64。9試合残る中、まだまだ優勝争いはわからないプレミアリーグに感謝したい。

個人的に若干グーナーな私としては、年明けに少し不振な期間はあったが、立て直して直近好調を維持しているアーセナルに対して、「勝負強くなったな〜」と少し感動を含んだ親心のような感情が込み上げてくる。

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