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エンジニアへの道は誰にでも開かれているのか?必須の資質4つを徹底解説

Webエンジニアのryochaが語る、エンジニアになるための現実と必要不可欠な要素について。

エンジニアになれる人とは?

「プログラミングは誰でも学べる」「年齢問わずエンジニアになれる」といった宣伝文句をよく目にします。高額なプログラミングスクールに入会したものの、結局エンジニアになれずに挫折する人が後を絶ちません。では、本当に誰でもエンジニアになれるのでしょうか?

結論から言えば、答えはNoです。プログラミングスキルの習得は可能でも、それだけではエンジニアにはなれません。プログラミングの習得はスタート地点にすぎず、そこからが本当の挑戦なのです。

私自身、未経験からエンジニアになった経験があります。独学でプログラミングを学び、独自のアルゴリズム実装やアプリ開発の経験もありました。しかし、実際の現場に入ると、それまでのスキルは全く通用せず、エンジニアとしては素人同然でした。プログラミングができることと、エンジニアとして仕事ができることは別物だと痛感しました。

現場には独自のルールがあり、独学で身につけた手法やコーディングスタイルが通用しないことも多々あります。自分が「良い」と思っていたコードが、実際には保守性に欠けると指摘されることもあるでしょう。これは、現場レベルの経験がない人なら誰しも経験することです。

このような理由から、単にプログラミングを学んだだけでエンジニアになれるわけではないのが現状です。

それでは、エンジニアに求められる重要な資質について、私が考える4つのポイントを紹介します。

1. 効果的なコミュニケーション能力

ここでいうコミュニケーション能力とは、単なる会話力や営業スキルではありません。むしろ、「いかに正確に情報を伝達し、理解できるか」というスキルを指します。エンジニアの仕事では、クライアントや企画部門からタスクを受け取り、それを遂行することが主な流れとなります。そこで重要なのが、タスクに対して適切な基本設計と詳細設計を行い、問題がないかを確認する能力です。

自分の思い込みで実装を進め、後から指摘を受けて手戻りが発生するケースは非常に多いです。この手戻りを防ぐために、常に確認を怠らないことが極めて重要です。これはエンジニアリング以外の職種でも共通する課題であり、確認不足による手戻りを最小限に抑えることが求められます。

2. サービス志向の思考

Webサイトなどの複雑な技術が絡む開発では、唯一の正解が存在しないことが多いです。例えば、Todoリストの項目追加・編集機能を実装する場合、1ページで全ての操作を可能にする方法もあれば、別ページで各操作を行う方法もあります。どちらが正しいかは一概に言えません。

このような状況で重要なのは、対象ユーザーの特性や好みを考慮することです。常にユーザー目線に立ち、その行動を予測する必要があります。そのためには、既存のサービスのUIを研究し、最適だと思われるUIを提案できる能力が求められます。

さらに、機能リリース後も継続的に使用感をチェックし、不具合や改善点がないか注意を払う姿勢も大切です。通常の動作確認にとどまらず、より良いサービスを目指して常に考え続ける姿勢がエンジニアには求められます。

3. 技術革新と効率化への探求心

エンジニアの世界では、自動化が大きなトピックの一つです。これは効率性を重視する姿勢から生まれるものです。日常業務の中でも、繰り返し行う単調な作業は少なくありません。例えば、同じシェルコマンドを何度も入力したり、特定のエクセルファイルを参照してコードに記載したりする作業などです。こういった作業も工夫次第で効率化できます。常にそのような視点を持つことが重要です。

自動化以外にも、ソースコードのリファクタリングは効率化に直結します。冗長なコードは保守性を下げ、作業のリスクを高めます。チーム開発における保守性の高いコード作成の重要性も、この文脈で理解できます。

また、新しい技術を学び続ける姿勢も欠かせません。日々進化する技術の背景には、効率性を追求するエンジニアの努力があります。これらの新技術をキャッチアップし、適切に業務に取り入れることで生産性が向上します。古い技術に固執すると、サービスのメンテナンスが困難になり、本来のコーディング作業以外に時間を取られがちです。

ただし、新技術の導入には慎重さも必要です。単に新しいからという理由だけでなく、コストや既存システムへの影響を考慮し、メリットとデメリットを十分に検討した上で判断することが重要です。

4. 自走力

自ら仮説を立て、問題を解決していく力、すなわち自走力は非常に重要です。この要素が欠けていると、些細なことでも即座に他人に頼ろうとする傾向が生まれます。現場でこのような態度を取ると、他のエンジニアから敬遠され、最悪の場合、試用期間で契約を打ち切られる可能性もあります。

エンジニアには、未知の問題に対して自ら仮説を立て、解決策を見出す能力が求められます。常に他人に答えを求めるのは、エンジニアとしての本質的な役割と相反します。

プログラミングスクールなどでは、質問しやすい環境が整っているため、一見成長が早いように感じられますが、実際はそうとは限りません。スクールで身につくのは主にプログラミングスキルであり、エンジニアとして必要な総合的なスキルは現場で培うものです。また、短期間の学習で、長年現場で経験を積んだエンジニアのレベルに追いつくのは困難です。

さらに、常に質問する習慣がついてしまうと、自走力を身につけるのが難しくなります。これは、ゼロから独学でプログラミングを学ぶ人と比べても不利になる可能性があります。

自走力を養うには、できるだけ自力で問題解決を試みることが大切です。もちろん、全てを一人で解決するのは難しいので、最初はオンラインの質問掲示板を利用したり、必要に応じて専門家のアドバイスを受けるなど、適度なサポートを活用しながら徐々に自走力を磨いていくのが良いでしょう。

結論

ここで紹介した4つの要素は、必ずしも経験の有無に直結するものではありません。未経験者でも高い自走力を持つ人もいれば、経験豊富なエンジニアでもこれらの要素を完全に備えていない場合もあります。

これらのスキルは、一部の例外を除いて、ほとんどの人が最初から持ち合わせているわけではありません。実務経験を通じて徐々に養っていくものです。そのため、ポートフォリオ作成に注力しているエンジニア志望の方は、並行して実務経験を積める機会を探すことをお勧めします。

私が運営するコミュニティでは、月額で実務的な案件にチャレンジできる環境を提供しています。転職や案件獲得に向けてのアドバイスも行っていますので、方向性に迷っている方はぜひご相談ください。

なお、ここで挙げた要素だけでエンジニアとして十分というわけではありません。現場によって求められるスキルは異なるため、これ以外にも必要なスキルがあるでしょう。皆さんが考える「エンジニアに必要なスキル」があれば、ぜひコメントでお聞かせください。

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