クロフネとアグネスデジタル~一口馬主的よもやま話
こんばんは、竜神です。今回は、クロフネの死に際して少しクロフネについて書きたいと思います。【1390文字:気楽に読めます。】
競走成績は光り輝き、そして短く
クロフネの戦績は10戦6勝。うちレコード勝ちが4回。NHKマイルカップを勝ちながら古馬ではJCダートを勝つなど、記録でも記憶でも残る名馬でした。海外遠征も視野に入っていましたが、JCダートの勝利の後、屈腱炎を発症。競走馬引退となりました。
外国産馬ゆえの急遽のダート転向、そして衝撃へ
3歳時にダービー5着に敗れた後、陣営の矛先は天皇賞秋へ向けられました。当時、外国産馬にはクラシック競走や天皇賞などのG1レースに出走制限が有りました。前述のダービーも指定されたレースで一定の結果を出す必要があり、クロフネもNHKマイルカップ勝利でダービーの出走を掴んでいました。
天皇賞秋の外国産馬出走枠は2頭あり、その決定方法は賞金額でした。
当初、出走を表明していたのは、テイエムオペラオーのライバルとして名をはせたメイショウドトウ(賞金額1位)、そしてクロフネ(賞金額2位)。
もともとクロフネはアメリカンボスと賞金額2位の座を争っており、アメリカンボスがオールカマー若しくは毎日王冠で勝てば、賞金額で逆転するところでしたが、勝利できなかったためクロフネが2位を守った経緯が有りました。当時、世間ではクロフネの好走を期待していた雰囲気が有り、これでクロフネが出走できる安心感が有ったのですが…好事魔多し。(そうでもないか)
外国産馬アグネスデジタルはそのころから芝ダート兼用で活躍をしていました。状況が変わったのは地方交流重賞の南部杯。アグネスデジタルがここで勝利した事で、外国産馬の賞金額2位へと躍り出ました。
陣営はそのまま天皇杯秋への出走を表明。大批判を浴びる訳ですが、そこはルールなので当然引く訳はありません。
ここで困ったのはクロフネ陣営。人気が有っても出られる訳では無いので、急遽武蔵野ステークスへの参戦を決定します。
ここで、2頭の馬の運命が加速していきます。
2頭の結果、その明暗
武蔵野ステークスに出走したクロフネは、まさに圧勝。レコードでウイングアローを7馬身ちぎる勝利でそのパフォーマンスの高さを見せつけました。(ウイングアローすまんw)
その後、JCダートもやはりレコードで圧勝。武豊をして最上の賛辞を得る結果となりました。この2戦でクロフネはダートの最強馬として名をならしめる事となったのです。
一方、稀代の悪役となってしまったアグネスデジタル。予定通り天皇賞秋に出走します。こちらも当時猛威を振るっていたテイエムオペラオー、メイショウドトウを見事下しての優勝。陣営の信念が正しかった事を自ら証明して見せました。
外国産馬ゆえ…。
当時の外国産馬だったため、いろいろな面で翻弄されていた事も否めないクロフネですが、どんな戦場でも自身のパフォーマンスを余すところなく出すレースぶりはファンを唸らせるのに申し分ない姿でした。
後継種牡馬がいまいちパッとしないのは残念では有りますが、牝馬では良い馬も多いですし、今後も血統として残っていくでしょう。その意味では記憶だけでなく、馬自身としても残っていく。そんな気持ちにさせてくれます。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
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