NMB48、pre-dia、メイビーME ……アイドルディスクレビュー#29(2/21〜2/27)
1週間でリリースされたアイドルによる楽曲のうち、個人的に気になった楽曲をピックアップしてレビューをしていく連載の第29回。今回は「NMB48」「pre-dia」「メイビーME」の3組を取り上げます。
・NMB48『恋と愛のその間には』(2月23日リリース)
『NAMBATTLE2〜がむしゃらにならなNMBちゃうやろっ!〜』を開催中のNMB48が、上西怜と梅山恋和をWセンターに据えた新曲『恋と愛のその間には』をリリースした。梅山にとって最後のシングルとなっている。表題曲は恋と愛の間に揺れながらも、君との関係性を近づきたいという思いを歌ったエモーショナルなナンバー。1期生が卒業後初めてのシングルということで試金石とも言えるが、NMB48らしい精緻なダンスと大人びた表情で、さらにパワーアップした姿を見せている。特に近年バラエティの活躍が著しい渋谷凪咲の安定感がずば抜けていて、Wセンターをしっかりと支えている。カップリングで注目したいのは、やはり梅山のソロ曲「秘密日記」だろうか。梅山の初々しく柔らかな歌声がしっとりと心に染み渡るミディアムナンバーだ。かっこよさだけではなく、切ない音色もとても似合う。
・predia『DRESS』(2月23日リリース)
2022年6月5日をもって解散を発表しているprediaがラストシングル『DRESS』をリリース。彼女たちのスタートは2010年。PASSPO☆の姉妹ユニットとして、当初から大人かっこよさを売りにしていたアイドルだった。アイドルを標榜する以上、若さというものが絶対視されるなかで、彼女たちは11年もの間、アイドルシーンのど真ん中を駆け抜けてきた。グループ名の由来にもなっているダイヤモンドをイメージしたきらびやかな衣装を身にまとい、自分は自分であると力強く歌い上げる同曲。そのセクシーかつクールな佇まいには11年の歴史を感じるし、今の彼女たちだからこそ出せる表現が詰まっている。
・メイビーME『曖昧あいでんてぃてぃ/Destiny』(2月22日リリース)
メイビーMEがリリースした『曖昧あいでんてぃてぃ/Destiny』は、両面ともにアニメ『怪人開発部の黒井津さん』のエンディング主題歌になっている。王道アイドルソングながら、ギターサウンドが激しく鳴り響く、かわいくもかっこいい楽曲の「曖昧あいでんてぃてぃ」に対して、「Destiny」はこれまでの楽曲とは異なり、グループが持つダイナミズムも感じさせる決意に満ちたナンバーに仕上がった。個人的には「Destiny」のような力強いメッセージを歌う印象がなかったので、新たな一面が見られた作品になった。YouTubeに公開されているMVも軒並み順調に再生回数を伸ばしており、この作品をきっかけにメイビーMEの名前も広がっていくのではという期待もある。今後の活躍に目が離せない。