さくっと新譜レビュー:日向坂46 5thシングル「君しか勝たん」

日向坂46の約1年3ヶ月ぶりとなる新シングル。加藤史帆がセンターを務めた表題曲「君しか勝たん」は失いかけた女性への恋心を男性目線から甘酸っぱく歌われ、「笑顔」を象徴的に掲げてきた日向坂46の新たなアンセムとなり得る可能性を秘めた清々しいポップソングだ。そして、ドラマ『声春っ!』の主題歌「声の足跡」が楽曲の質、MVの手触りともに表題曲を凌駕するほどの色彩を放っており、かなりの会心作と言えるのではないだろうか。佐々木美玲と丹生明里によるWセンターのバランスも絶妙で、カップリングには少々もったいとすら感じるほどだ。その他、期別に歌われる「どうする?どうする?どうする?」、「世界にはThank you!が溢れている」、「Right?」も絶品。杉山勝彦が新たに送り出した全員参加曲「膨大な夢に押し潰されて」は相変わらずの安定感で、楽曲のまとまりが非常に優れている。歌謡曲のタッチが引き継がれた加藤のソロ曲「嘆きのDelete」は表題曲からは一転、加藤のボーカリストとしての奥深さと気品が滲み出た良曲となっている。


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