新卒がスタートアップに入社を決めて、1年で転職を決意した話
はじめに
これはあくまでも私の経験談・個人的な見解なので、意思決定の参考程度、もしくは暇つぶしに読むことをおすすめします。
去年の7月頃に、「新卒が、上場企業の内定を蹴ってスタートアップに入社したワケ」という記事を書きました。
上場企業の内定を辞退して、スタートアップにジョインすることを決めてから早1年。
私は、転職することを決意しました。
転職を決意した理由
理由は本当に様々で、一言でこれ!とは表現しがたいのですが、、ここでは、特に大きなきっかけになった3つのことに絞って書きたいと思います。
辞める、ということは、「新しい世界への第一歩」という明るいイメージの反面、「何かから逃れる」というネガティブなイメージもあります。
私の転職理由も、明るいものはもちろんあるものの、中にはダークなものもありますので、、気を悪くした方がいたらすみません。
①心身が悲鳴をあげはじめた
2016年、電通社員の自殺が問題になりました。
私はそれを、「確かにめっちゃ激務やけど、薄くなってても残業代は出てるし、お金もらってるからマシやん…」と思いながら、月に約200時間ものサービス残業をしていました。
私の会社は固定給だったので、残業代などありません。見なしでもつきません。
いくら働いても、どんなに頑張っても、給料は変わりません。
自分の労働を時給で計算してみたら、600円になりました。
でも、仕事を楽しいと思うことは確かにあったし、自分は激務で働いていくものだと思っていました。
でも、10月頃、大きな出来事がありました。
「ねえ、禿げてるよ」
彼氏により、100円玉くらいの大きさの禿げが見つかりました。
つるつるで、その部分だけ、髪の毛はおろか、産毛すらない状態。ほっぺやおでこと同じように、もしくはそれ以上に、つやつやな肌色をしていました。
とりあえず笑い飛ばしてみたりしましたが、とってもショックでした。
私は可愛がられるキャラでもないし、ネタにされてばかりのポジションの人間だったので、人前ではけろっとしてみせましたが、家の鏡で禿げを見ては、ほろりと泣く毎日になりました。
もし、このまま広がって、一生髪の毛が生えてこなくなったらどうしよう…
仕事を休んだり遅刻したりできる雰囲気じゃなかったので、病院に行くことは考えませんでした。
もし、もしこれ以上広がったら、社長にも話をして、病院に行かせてもらおう。
そう決めて、1ヶ月間、様子を見ることにしました。
1ヶ月もあったら、少しくらい生えるだろう。
1ヶ月後、禿げは広がりました。500円玉くらいに成長した禿げを見て、ああ、自分はストレスを抱えているんだ。と、はっきり自覚せざるを得ませんでした。
仕事はもちろん、何をするにも気が滅入り、沈み、落ち込み、地獄に落ちたような気持ちでした。
私以外に、もっと苦しんでる人はいると思います。例えば鬱病とか、もっとしんどい人はいるだろうけど、少なくとも、共に大学を卒業した同期たちは、私よりも何倍も生き生きしてて、私は誰よりも酷い状態だ…と思い込んでいました。
やっと皮膚科に行くことを決め(禿げたら皮膚科です!笑)、「円形脱毛症」と診断されました。
原因はストレス。
23歳にして、育毛剤を処方されました。
しかし、ストレスって言われても、ストレスがなくなるわけではなく、根本的な解決はされませんでした。
その後、連続して、「ストレス性腸炎」「過労による膀胱炎」になり、
「このままでは身も心も滅んでしまう」と思いました。
ストレスの根本なくそうにも、今、自分が何にストレスを感じているのかが分からない。
そこで初めて、自分が何にストレスを感じているのか、ということを分析するようになりました。
②事業への関心の欠如
何にストレスを感じているか、という分析の結果、「やりたくないことをやらされている」という答えに落ち着きました。
どういうことなのか。
入社してから半年くらいは、何をしても楽しくて、ユーザーに価値を届けている実感と、やりたい方へ向かってるような感覚がありました。
私がやりたいと思うことは、「関わる人の心に灯をともす」ということ。
飲食サービスなので、小さな意思決定ですが、たしかに気持ちはありました。
しかし、ちょうど禿げが発覚したくらいから、会社の向かう先に対して、疑問を抱くようになったのです。
会社が作りたいと思っているのは、意思決定を手伝うAIでした。
私は、AIを作りたいのだろうか?そこまでして、飲食の意思決定に寄り添いたいのだろうか?
ここから、ぼんやりと、「やりたくない」という気持ちが芽生えて、いつの間にか、「やらされてる」仕事をするようになってしまっていました。
「やらされてる」だと楽しくないし、何事も楽しめません。
自分がしたいこととは本当は何か。
改めて考える日々となりました。
スタートアップなど会社の創業期にジョインするには、「この会社で世界を変える!」という気概と、強い共感がなければ頑張れない、ということを感じるようになりました。
そういう意味で私は、非常に申し訳ないことですが、自身の会社のサービスに対して、共感の気持ちも、コミットする気概も、なくなっていたのでした。
③認識した「やりたいこと」
私は、今の会社に入社を決めた時、IT業界であっても、ユーザーに直接価値を届けられるんだと感じた、と言いました。
それは間違いないのですが、利益もなく、利益を求める行動もなく、また、意思決定が小さいだけに、得られるユーザーの反応も薄く、「私じゃなくてもいい仕事をしている」と思うようになりました。
さらに言えば、「社長の作業の代行をしている」とまで感じるようになっていました。
身体は悲鳴をあげていましたが、その根幹は激務ではなく仕事内容そのものだったと思います。
そのように感じないためにはどうしたらいいのか。
そこで私は改めて、「大きな意思決定」に寄り添いたい、と考えるようになりました。
もっと、「龍灯」という存在を感じて欲しい。
自分の発言や行動で、誰かの人生が良くなる。そういう、媒体としての自分に、自分で最も価値を感じるし、それをはっきりと感じられることを仕事にしたい。
そうして、新卒の就活でも同じ軸で見ていた「不動産・住宅業界」と、就活当時は、キラキラしていて自分には合わないだろうからという理由で敬遠していた「ブライダル業界」を見始めました。
業界研究・企業研究を進めていくうちに、ブライダル業界に興味を持つようになり、最終的に、上場企業の子会社であるベンチャー企業への転職を決意しました。
「関わる全ての人の心に灯をともす」
ブライダル業界なら、仕事を通して、これを実行し、自分自身でも達成感を味わえると思いました。
そして、スタートアップで共感できなくなった理念や事業内容に心から共感できるというところ、共に働く仲間たちを尊敬して働くことができると思えたところ、などが会社を決めた理由です。
企業理念や事業内容が、仕事を選ぶ上で、自分にとってはかなり重要な項目であることが分かったので、ストンと自分の中に落ちてくる意思決定でした。
そして不思議なことに、決断すると、気持ちが楽になって、禿げも少しずつ治り始め、腸炎も改善され、膀胱炎も薬を飲み終わり、あとは髪が生えきるのを待つだけとなりました。笑
スタートアップで学んだこと
スタートアップで働いた1年は、辛く、苦しく、しんどいものでした。
たしかに楽しいと思う瞬間はありましたが、総合して苦痛でした。笑
でも、後悔はしていません。
仕事の進め方、失敗のリカバリー方法、効率化の進め方、コミュニケーションの大切さなどを学んだと思います。
先述しましたが、職を選ぶにあたって、企業理念などが自分にとって重要な指標になることを知ったのも、大きいと思います。
そして、実感として得た分析なのですが、私はおそらく、「0→1」は不得意です。
枠組みを作ったり、考えたりすることが苦手です。
その代わり、与えられた枠組みを使って、「1→10」や「10→100」にすることは得意だと思います。
そういった観点もあり、子会社ベンチャーを選びました。
もう二度と、売上がないレベルのスタートアップでは、働けないと思いますし、働くべきではないと思っています。
少なくとも、「私がこの会社を大きくする!」くらいの強い想いで共感していないと、私にはできないことだと思いました。
せっかく拾っていただきましたが、1年で辞めることになり、申し訳ないことをしたなあと思っています。
少なくとも、会社にとって、私を採用したことは「失敗」になるんだと思います。
私が訴えたいこと
勢いで入社したスタートアップを、たった1年で退職する、という話をすると、どんな人からも、決まって言われることがあります。
「自分のキャリアをもっと考えて慎重に行動するべきじゃない?」
「新卒で入った会社が失敗だったってことだよね」
「自分のキャリアパスに傷をつける覚悟はできてるの?」
もう、無礼を承知で全員に言ってやりたいです。
うるせー、黙れ!笑
私のことを心配して、私のために言ってくださってることは理解できるのですが。。
なぜ、失敗したということを他人に決められる必要があるのか。
私の人生なので、私の人生の評価は、自分で行います。
自分のキャリアを考えた上で、スタートアップにいる自分という選択を消したのです。
学んだことはたくさんあるし、無駄な時間を過ごしたとは思っていないので、失敗に含まれないと考えています。
それなりに大きな企業に行きたいなら、経歴は最重要項目かも知れません。でも、私は、「キャリアパスを気にして、やりたくないことを我慢してやってる自分」が最低で、全然かっこよくなくて、誇れない、と思ったので、誇れる自分になるためにも、転職を決意しました。
自分の人生なんだから、自分で一番納得する選択をする勇気を持った方が、人生何倍も楽しくなりまっせ。
今までも、これからも、私は自分のために生きていきます。
「心に灯をともす」ということも、私の自己満足であり、私の勝手な欲望なのです。
自己実現をする、という次元の幸福について、マズローの話を用いて話されることがありますが、全部全部、自己満足だよなーって思ってます。
自分の人生を彩れるのは自分だけ。自分の意思決定で、もっと楽しくなる道へ!
以上です。
長文駄文ごめんなさい!
読んでいただき、ありがとうございました。
この記事が、いつか、誰かにとって、何かの支えになりますように。
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