#21処方箋 処方欄の見方(実例編)☆調剤薬局事務向け【前編】
▼以下の文章は動画内容を文字おこししたものです。
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皆さんこんにちはチャンネル運営者のSATOUです。
前回#20の動画では処方箋の見方、中でも処方欄についての基礎知識として
・薬剤の区分と剤形
・薬を飲む量(投与量について)
・用法
・投与日数と回数
以上の点についてお話してきました。
それで、今日の動画ではこれまでお話した基礎知識を元に実際の処方例をみていきながら処方欄の内容を読み取るポイントをお話します。
また、現在ですと保険医療機関から交付される処方箋はレセプトコンピューターから出力された一定の様式に沿って印字された処方箋がほとんどかと思いますが、時々、手書きの処方せんが交付される場合もあるかと思います。
僕の薬局でも本当に時々ですが、手書きの処方せんを受け付けることもあります。
手書きの処方せんと印字されたものとの違いとして普段見かけない略語が使われていることがあります。
動画の後半では手書きの処方箋でよく見られる略語についてもご紹介します。
資格試験や実務において、役に立つこともあると思いますので是非最後までご視聴下さい。
それでは各処方例を見ていきましょう!
①内用薬
A.内服薬の処方
処方例A-1)
ムコソルバンL錠45㎎ 45mg 1錠 1日1回朝食後 7日分
まずは処方例A-1)をご覧ください。
処方箋の処方欄に記載される内容は図のように
(医薬品名)(規格)(投与量)(用法)(投与日数or回数)
という形で記載されます。
処方例A-1)の場合ですと「ムコソルバンL錠45㎎」が(医薬品名)
その隣にある「45㎎」が(規格)
「1錠」の部分が(投与量)、「1日1回朝食後」の部分が(用法)
「7日分」が「投与日数」となります。
この場合はわかりやすく1日1回朝食後に1回1錠づつ7日分服用するという指示ですので合計7錠を患者さんにお渡しすることになります。
1日1回朝食後という用法の部分から定期的に服用することがわかります。
それで「内服薬」とは、定期的に服用する薬ですのでこの処方例の薬の区分は「内服薬」であることがわかります。
このあたりの処方欄を読み方に関する基礎知識は前回#20の動画でお話した内容ですので必要な方は先に#20の動画をご確認ください。
処方例A-2)
ロペミンカプセル1㎎ 1㎎ 2カプセル 1日2回朝夕食後 3日分
続いて処方例A-2)を見ていきましょう。この場合ですと
「ロペミンカプセル1㎎」が(医薬品名)
その隣にある「1㎎」が(規格)
「2カプセル」の部分が(投与量)、「1日2回朝夕食後」の部分が(用法)
「3日分」が「投与日数」となります。
処方例A-2)の場合も用法の部分から定期的に飲む薬、つまり内服薬であることがわかります。
それで、内服薬の場合、投与量は1日に飲む量ですので
朝食後1カプセル、夕食後1カプセル 合計1日に2カプセルという記載になります。
処方例A-3)
アルサルミン内用液10% 10% 30mL 1日3回毎食後 7日分
続いて処方例A-3)を見ていきましょう。この場合ですと
「アルサルミン内用液10%」が(医薬品名)
その隣にある「10%」が(規格)
「30mL」の部分が(投与量)、「1日3回毎食後」の部分が(用法)
「7日分」が「投与日数」となります。
ここで注目していただきたいのが、医薬品名にある”内用液”という部分と投与量の30mLという部分です。
いままで、錠剤の場合は錠、カプセルの場合はカプセルという記載でしたが内用液という記載から口から服用する液体の薬であることがわかります。
また"mL"という単位の部分からこの薬の剤形(薬の形)が水剤つまり水の薬であることがわかります。
こんな感じで、例え処方箋に書かれている薬が何の薬かわからなかったとしても薬の剤形は判断することができますので覚えておいていただければと思います。
それで、用法の部分から内服薬であることがわかります。
内服薬の投与量、30mLは1日に飲む量ですので
朝食後10ml、昼食後10ml、夕食後10ml
合計1日30ml服用する指示であることがわかります。
処方例A-4)
PL配合顆粒 4g 1日4回毎食後・就寝前 5日分
続いて処方例A-4)を見ていきましょう。この場合ですと
「PL配合顆粒」が(医薬品名)で、一応、配合というのは簡単に言いますと
何種類かの成分が混ざっている場合に使われます。
それで、この場合は(規格)の記載はありません。
「4g」の部分が(投与量)、「1日4回毎食後・就寝前」の部分が(用法)
「5日分」が「投与日数」となります。
医薬品名の"顆粒"と投与量の"g"という単位から、顆粒剤つまり粉の薬であることがわかります。
こちらも用法の部分から定期的に飲む内服薬で、
投与量4gは1日に飲む量ですから
朝食後1g、昼食後1g、夕食後1g、就寝前1g 合計1日4g飲む指示であることがわかります。
B.頓服薬の処方
処方例B-1)
ロキソニン錠60㎎ 60㎎ 1錠 疼痛時屯用 5回分
次に頓服薬の処方例を見ていきます。
医薬品名、規格については内服薬と同様です。
先に(用法)の部分を見て頂きたいのですが、疼痛時屯用という記載になっています。このように必要な時だけ、臨時的に服用するのが頓服薬の特徴です。
その他の頓服薬の用法の例として「眠れない時」とか「38度以上の発熱時」といった記載の場合は頓服薬と判断することができます。
それで、頓服薬の投与量は1回分に飲む量です。
内服薬の1日に飲む量と間違いないように気を付けて下さい。
C.内服用滴剤の処方
処方例C)
ラキソベロン内用液0.75% 0.75% 20ml
1日1回 就寝前 15滴
続いて処方例cの場合、投与量は「20ml」の部分になります。
内服用滴剤の場合は投与量は「調剤するべき全部の量」が記載されます。
それで、内服用滴剤の判断方法なのですが、そもそも内服用滴剤の種類が極端に少なくて僕が思いつくところですと処方例Cのラキソベロン内用液とそのジェネリックであるピコスルファートナトリウム内用液、あとは
シダトレンスギ花粉舌下液2,000JAU/mLボトルという結構マニアックな薬しか思いつくものがありません。
絶対とは言えないのですが、内服用滴剤といえばラキソベロン内用液とそのジェネリックであるピコスルファートナトリウム内用液の2点だけ覚えておけばほぼ問題ないかと思います。
もし皆さんが勉強中にこれ以外の内服用滴剤を見かけた場合には是非コメント欄で教えて頂けると助かります。
②注射薬の処方
処方例)
〇〇注ペンフィル 1筒
1日3回 朝4単位 昼4単位 夕4単位
「〇〇注ペンフィル」こちらが医薬品名
それで注射薬の場合「1筒」
ここの部分が投与量で「調剤するべき全部の量」が記載されます。
「1日3回」が使用回数
「朝・昼・夕」が使用時点(薬剤を使うタイミング)
「4単位」というのが1回あたりの投与量です。
以上が注射薬の処方例ですが
注射薬の場合は前回の動画でお話した通り医薬品名の部分、「〇〇注」という
注射の注の字が記載されている薬品は注射薬であることが判断できます。
実際の処方せんや問題集を見たときに少なくともこの薬剤は注射薬であることは判断できるようにしておくと良いと思います。
③外用薬の処方
それでは処方例の最後に外用薬についていくつか見ていきましょう!
処方例③)
1)パタノール点眼液0.1% 10mL 1日4回(両眼)
2)ジクアス点眼液3% 4瓶 1日4回(両眼)
1)と2)の処方例はどちらも医薬品名に「点眼液」の記載があります。
それで点眼液は外用薬に区分されます。
外用薬の投与量は「調剤するべき全部の量」が記載されます。
ですので1)の場合10ml 2)の場合4瓶 が投与量です。
ご覧のように点眼液でも投与量の単位がmlと瓶といった感じで
違う場合もあるので注意する必要があります。
それぞれ1日4回が使用回数 両眼が使用部位になります。
塗布剤
3)アフタゾロン口腔用軟膏0.1% 5g 1日1~数回 口内に塗布
3)の処方例は医薬品名に「軟膏」の記載があります。
それで軟膏は外用薬に区分されます。
先ほどと同様に外用薬の投与量は「調剤するべき全部の量」が記載されます。
ですので3)の場合 5g が投与量です。
あとは使用回数と使用部位が記載されています。
貼付剤
4)モーラステープL40㎎ 14枚 1日1回1枚使用 腰部に貼付
4)の処方例は医薬品名の「テープ」の記載から外用薬であること
先ほどと同様に外用薬の投与量は「調剤するべき全部の量」が記載されます。
ですので4)の場合 14枚 が投与量です。
それぞれ使用回数と使用部位が記載されています。
以上、外用薬の処方例をいくつかご紹介しました。
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