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フリーランス1年目が終わったので仕事や生活スタイルや売上をまとめてみた

※このnoteは後半有料エリアがありますが、半分くらいは無料で読めますしたっぷりの長文なので楽しく読んでもらえると嬉しいです。

コロナだなんだで気づいたらフリーランスの初年度、一年目がもうすぐ終わりそうです。あっという間ですね、恐ろしい。
どうも、フォトグラファーのクロカワです。

2019年の5月末で前職を退職してフォトグラファーになったので、あと数日で1年目が終わります。終わってからnote書けば良いんですが、ちょっと今月末はありがたいことに撮影が集中しており余裕なさそうなので今のうちに書いておきます。今月の売上も見えてますし、今書いても特に変動ないなと。

なお、売上やアシスタント費や機材費などのお金に関する部分のみ、最後に課金ゾーンにしています。お金の話はその情報が必要な人にだけ読んでもらえればいいのでおおっぴらに公開するのは控えました。


読んで得るものがありそうな対象読者

誰のために書くか、といつもnoteを書くときに考えるのですが本記事については以下のとおりです。

・フリーランスになろうか考えている人
・フォトグラファーでフリーになりたい、フリーの人
・なんとなく他人の人生の1年を覗いていみたい人

僕自身、フリーランスになるにあたり色々な人のブログや体験談など読んだり話を聞いたりしつつ、もっとこう多角的にまとめたものやぶっちゃけた金銭事情など知っておきたかったなと思っていました。なので、本noteはフリーランスになろうと考えてた1年前の自分が読んでみたい内容を書いてみます。
長文になるので、何かしら得るものがあるといいのですが...

たくさん撮影をした1年でした

フリーランスになる少し前に、独立宣言のようなnoteを書きました。

このnoteのおかげで、フリーランス初月からお仕事がありまして、以降途切れることなく毎月お仕事に恵まれることができました。
以下、ざっくりと撮影の実績の一部をご紹介しながら、舞台裏の話も話せる範囲で少し書いてみます。


フリーになった直後に自身の作風を生かした撮影を、しかもマイクロソフトさんのお仕事でさせてもらえてちょっと感動しました。立ち会いのクライアントもそこそこおり、内心ドキドキしながらの撮影でしたがいい形にまとめることができ、Webページ(今は公開停止)と小冊子に写真をご利用いただいています。

配色やポージングのコンテ作成からプロジェクトに携わることができたやりがいのあるお仕事でした。

フリーランスになって初のタワレコに飾られました案件です。
副業時代にアーティストさんを撮影した写真がジャケになり、タワレコに並ぶってことはありましたが、フリーランスになっての一発目のタワレコ事案。普段はWeb系の広告のお仕事が多いので、こうしてプリントされると嬉しさもひとしおです。

スニーカー好きが講じて、元国内有名スニーカーショップの中の人で、現在はMFC STOREのボスのKONDOさんと以前からTwitterでつながってまして、お仕事のご相談をいただきました。
Twitterでスニーカー好きでつながっていたFREAKS STOREのスタッフの方とも撮影の現場で再開。ガチスニーカー勢なモデル・女優のあわつまいさんともお会いでき、撮影現場のスタッフ全員スニーカーヘッズという、個人的にめちゃくちゃアツいお仕事でした。

自分の趣味としての好きがお仕事につながるのって本当に嬉しいですね...

ラストアイドルさんの撮影、実は結構悩みました。
どういったテーマ、画作りで撮影するのかも任せていただいたので、さてどうしようか、と。悩みに悩んだ末、彼女たちも僕もこれからもっと伸びていくぞ、というフェーズだと勝手にシンパシーを覚え、それならわかりやすくインパクトを重視し、覚えてもらえることを一番にし、タワレコカラーのイエローで撮影させてもらいました。

やはり冊子などになるお仕事は感慨深くついピックアップしたくなります...

ヒルトン東京ベイさんのスイーツビュッフェのビジュアル撮影を担当させていただきました。元カラス、現Arcaのクリエイティブディレクターである辻さんとのお仕事で、制作する世界観と僕の作風を素敵にマッチングしていただき、全員が明確に一つの方向に向いてクリエイティブを作っていったお仕事でした。甘党なのでスイーツの撮影は眼福です。

こちらのお仕事は珍しく、スタジオでの撮影ではなく旅館さんに赴いての撮影でした。カラフルなスタジオ撮影が得意というブランディングをしていたのですが「そんなクロカワがどう旅館を撮るのかみたい」というご依頼で、これはもうフォトグラファー冥利に尽きるお仕事でした。

フリーランスを始めて半年くらいからこういった「クライアントが自身の可能性を広げてくれる案件」が増えてきました。
クロカワならどう撮るのか、これ撮れる?、みたいな案件。
嬉しい反面、責任やプレッシャーが凄いですが、本当にありがたい。

僕と同じくらい、いやそれ以上のスニーカー好きであるカーセンサーの編集長の西村さんと深夜にインスタのDMでやりとりをし、盛り上がりに盛り上がって実現した「アシ(クルマ) x アシ(靴・スニーカー)」の企画です。
スタッフ全員のアシにかける愛の詰まった連載企画で、コロナで自粛中ですが連載再開が楽しみなお仕事です。

バイクのヤマハさんでバイクのパーツをアートとして捉えて撮りまくる静岡出張案件です。比較的僕へのご依頼はモデルさんを撮る撮影が多いのですが、これまたチャレンジングなお仕事でした。
入念に準備をして、機材をたっぷりクルマに載せて挑みました。
撮影中、バイクを嬉しそうに解体してパーツを取り出すエンジニアの方々の笑顔が忘れられません。
販売されているものを見ると、こう機械でガッシャンガッシャン作っていると思いがちですが、ひとつひとつ人の手が入った、愛のこもったバイクなんだなと実感するととともに、そういったエンジニアの方々が作ったバイクを自分が撮る、プロモートするビジュアルを作る責任もまた実感した、背筋の伸びる撮影でした。

撮影事例は2-3件のピックアップにしようと思ってたんですが、ついついたくさん紹介してしまいました。他にもご紹介したい素敵な撮影やエピソードがたくさんあるのですが、本当に長くなってしまうのでここまで、ということで。

現状は6-7割ほどをTwitterやインスタグラムを見た方からのお問い合わせで、あとは人のつながりでお仕事を頂いています。
なお、僕は物販やYouTubeなどやっていないので、撮影以外の売上は特にないです。

いろいろ取材もしてもらいました

恥ずかしながら、取材もしていただきました。やはりご時世的に会社員からフリーランスへの転身や、SNSを使ったブランディングなどは話題としてピックアップが多く、たくさんの取材依頼をいただきました。

僕自身あまり話をするのは好きな割に上手ではないのですが、各記事素敵なライターさん・編集さんがわかりやすい文章に仕立ててくださいました。

機材の買い替えも色々しました

1年の中で、売上の大きな部分を投資したのが撮影機材です。
金額自体については有料部分にて後述しますが、こんな機材を使って仕事してきましたよ、とこれからフリーのフォトグラファーになりたい方の参考になれば幸いです。

◆フリーランス1〜2ヶ月目まで
FUJIFILM X-T3
FUJIFILM X-T2

副業時代からこの2台で副業のお仕事をしていました。
特に大きく問題があったわけじゃないのですが、ある撮影現場で「このカメラいいですよね、僕も使ってます」と立ち会っていただいたクライアントに言われ(悪意はなかったですが)、買い替えを決意しました。
やはりプロとして振る舞うからには、機材も一般の方が使うモノとは違うカメラを使いたいと思ったからです。

◆フリーランス3ヶ月目〜10ヶ月目まで
FUJIFILM GFX50S
FUJIFILM GFX50R

フリーランス1年目の大半はこれらのカメラでお仕事をしました。
画素数も5000万画素とデータサイズとしては申し分なく、よくある「トリミングして縦でも横でも使いたい」などの要望にも問題なく答えられるカメラでした。オートフォーカスはそんなに早くないですし、連射も苦手ですが、僕はそういった機能が求められる案件はないので問題なしでした。

◆フリーランス11ヶ月目〜現在
Leica SL2
Leica M10-P
SONY α7RIII

3月末あたりから徐々に機材を入れ替え始め、つい先日α7RIIIの購入をもって入れ替えが完了しました。
昔使っていたLeica M9がとてもよかったこと、SLシリーズのデザインがとても好みで画素数やAFなど乗り換えてもスペック的に問題なかったこと、Leica製品が好きすぎるなどなど主に自身の好みの問題で乗り換えました。
スペック以上に使っててよりモチベーションの上がるカメラがほしいという思いが強くなったのもありますし、仕事をこなしていくことである程度どんなカメラでも撮影がこなせる自信のようなものが芽生えたのかもしれません。

サブ機にSONY α7RIIIを選んだ理由は、
・SL2とほぼ同じ画素数
・Capture Oneと直接つなげてテザー撮影ができる
・Leica機の苦手な高速・高追従のAFと連射性能を持っている
といったあたりで、いわゆるLeicaでできない部分をカバーしてくれるカメラだったからです。
ちなみにLeicaのカメラはCapture Oneでテザー撮影ができないので、Image ShuttleというLeicaのアプリケーションでテザー撮影をしてMacにデータを取り込み、取り込んだデータをCapture Oneのホットフォルダ機能で読み込んで、擬似的にCapture Oneでテザー撮影風な動きをさせています。
Capture Oneで直接テザー撮影をしたい理由は、オーバーレイ機能にあります。好きな画像をライブビューの画面に重ねて撮影ができるので、絵コンテなどを重ねてコンテ通りに撮影したり、合成前提の撮影で非常に有用な機能です。

画像1

この写真はモデルさんに2パターンの衣装で同じポーズをしてもらって撮影してますが、こういったときにCapture Oneのオーバーレイ機能が非常に効果を発揮します。超便利。

振り返って今僕が思うこと

「どうだ!結構仕事がんばってきたぞ!」
「いい仕事やってきたぞ、こなしてきたぞ」
と胸を張って言いたいところですが、ちょっと違います。
仕事をすればするほど「俺すげぇ」って気持ちより「嗚呼、まわりの人に助けられてるなぁ」っていう感謝とちょっとの不安や危機感のような気持ちが強くなってきました。
今思えば、ですが独立して3ヶ月目くらいまではもしかしたら「俺すげぇ」って思ってたフシがあったかもしれません。
でも次第に「仕事はたくさんの人が関わり合ってできている」という至極当たり前の気持ちが強くなってきました。

お仕事の依頼をしてくれる方、プランナーやプロデューサーの方、進行管理をしてくれるディレクター、モデルさん、キャスティング会社の方、ヘアメイクさん、スタイリストさん、プロップの方に僕のサポートをしてくれるアシスタントの方。
超当たり前ですが、フリーランスだ独立だ自分で稼いで生きていくんだと言っても、たくさんの人との関わりの中で社会をサバイブしているということ。

会社員のときは明確に周りに人がいたので認識しやすかったんですが、フリーランスになったときは「自分一人で生きる」感覚が強すぎてちょっと見えなくなってたように思えます。

フリーランスだなんだといっても、結局は周りに人と手を取り合って生きていくんだな、とnoteを書きながらしみじみしています。

どんな生活を送っているのか

フリーランスになった当初は仕事を詰め込み過ぎまして、月に15回撮影したりなどなど、死にそうでした。もともと体力がない方ですし、むちゃするとやさぐれるので、自分のペースを掴むのが最初は難しかったです。

お仕事の数や稼働の調整とは切っても切れないのがお仕事1件あたりの金額、単価です。単価をどう設定するのか、月にどれくらいの稼働をするのかのバランスが撮れてきたのが6ヶ月ほど経ったあたりでした。

現在は月に4-6本の撮影、撮影日以外は打ち合わせしたりレタッチしたり作品撮りしたり散歩したりゲームしたりと、忙しないものの楽しくやってます。

撮影日以外は天気に合わせて生きています。
晴れた日は太陽の下でしかできないことをしよう、じゃあ今日は散歩だ、今日は買い物だ、みたいな感じです。
必然的に家でやる作業は夜になりがちなので夜型に引きずられやすいですが...

さて、ここから先はお金の話をしていきます。
フリーランスになりたての人や、なりたい人に参考にしてもらえればと思います。やじうま気分な人に見せたくはないので、ごめんなさい有料にします。

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