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バリ島で幸せに暮らせるのか?
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よく、旅行で訪れる方から、バリ島で暮らす人々のように、充実した生活を送ることは出来ないかな?
という言葉を聞く。
子供さんを連れて、またはご家族で、バリ島に移住してくる人は、沢山居る。欧米人(近年多いのはロシア人)も、日本人も、短期・長期にかかわらず多い。
物価が安いからか、気候が温暖だからか、子育てしやすそうだからか、考えられる理由は様々だが、ずっと定住、それこそ墓場まで、住み続けていくのは、我々のように、バリ人と家族を持ち、バリのコミュニティに入って生活している人だけだろう。
日本人だけに限定して言うと、いろいろ諸々含めて、「日本て生きづらい」という空気に押されて海外移住を目指す人が多いのかな、と思う。
バリで結婚してからの20年の生活の中で、子育てに関してだけ、日本で子育てするよりも、バリ島で子育てする方がよかった、と、私は思っている。
ただしそれは、バリ人の家族や村というコミュニティの中で子育てすること、彼らの干渉を受け入れる事、自分がそこにコミットすること、が大前提の話である。
舅姑、小姑などなどと一緒に生活し、それを受け入れて初めて自分の子供も受け入れられ、面倒も見てもらえる。
言っておきたいのは、バリ島での子育てが、苦痛じゃなかった、訳ではない、ということ。
「おそらく」日本でよりは子育てしやすかっただろうな、という想像の話である。(日本で子育てしたことが無いから分からない)
20年外から日本を見て思う、私個人の感想としては、あまりにも「同居」を嫌がる傾向が、今のこの少子化、生きづらさ、虐待、などの問題の土壌を育んでしまったのではないだろうか、ということだ。
もちろん問題はそれだけではないし、なぜ家族やコミュニティが崩壊していったのかというプロセスも見る必要があるし、同居を嫌がるのが悪い事だとも言えない。
私だって嫌だったからだ。
舅姑以前に、自分の親と同居するのも嫌だったくらいなので、結婚して、旦那という他人、舅姑、姑の叔母、姑の腹違いの妹、という「他人たち」と同居なんて、本当に嫌だった。
だが。
色々有ったのを端折るが、このバリ島で、長い時間が経って、今となって思うのは、
「子供」というのは二親だけでは育てられない、
子供というのは群れで育つもの、
「人間」という種は、基本的に集団の中で生きていく種だということ。
その中で、家族を持つ幸せ、社会活動に参加する喜び、必要とされることの喜びと貢献することの重要さ、という、人としての成長がある。それが「生きる」ということだ。
そのことを、私はバリで学ばせてもらったと思っている。
まだまだ途中ではあるが。
いろいろあったけれど、バリで結婚して、子育てができて、三十を過ぎるまでは思ってもみなかった生活を送ってきて、私は幸せだったなあと、心から思えるのである。
そして次のステージ、家族だけではない周囲の事柄すべてに、私が何を貢献していけるか、を、じっくり考えることができるようになったのも、バリ島での経験のおかげだと思っている。
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