バリ人のお宅に滞在する時に注意すべきこと。
バリ島に旅行に行って、現地の人のお家に泊まりに行ったりするのも、良い旅の思い出になりますね。
今日は、バリ人家庭にお邪魔する際に、ちょっと知っておいたらいいな、と思う事を。
バリ島内の高いパーセンテージを占めるバリ人は、バリ・ヒンドゥー教を信仰する家庭に住んでいます。
各家庭の敷地の一番神聖な場所(アグン山のある方向)には、必ず家寺があります。
そして敷地の中ほどには、トゥングン・カランという敷地を守護する祠、家の敷地内に川がある場合は、その為の祠があります。
お寺の無いバリ人の家、というのは存在しません。
日本仏教的に言うならば、バリの家は全部お寺で、バリ人というのは、全員が住職さんとその家族、なのです。
各家庭の敷地全体がお寺になっているので、バリ人のお宅にお邪魔する時、長期で滞在するような時は、若干の注意が必要です。
まず、家寺に入るときは必ず体を清浄な状態に保たなければなりません。生理中・出血中の人は入れません。
お寺に入る前は身を清めます。要はシャワーを浴びるという事です。
お寺に入るとき、お供え物などに触るときは、必ずサロンと帯を着用します。
訪問先の家寺に入る場合は、必ずそこのご主人に許可をもらって、身を清めたのちに入るようにしてください。異教徒が入れない訳ではなく、作法をわきまえていない人が人が入るのがご法度なのです。
家寺は祈りの場であり、その家の先祖霊を迎える場であり、バリの人々にとっては一番大切な場所なのです。
チャンディ・ブンタルと呼ばれる、割れ門がお寺への入り口です。正面に見えているのはサラスワティを祀るタクスの祠。
バリでは聖邪は物の高低と比例します。
人体においても、一番高いところが神聖で、下へ下がるほど不浄、です。下半身は体の部位的には不浄になります。
敷地内の一番神聖な場所、家寺は、人体における頭の部分に当たります。
それを知っていれば、日常生活の場においても、浄・不浄の感覚が、おのずと分かってくるかと思います。
神聖なもの(お供え物関係、神具、本など)はなるべく高い位置、下半身に身に着けるものはなるべく下のほう。
頭に着けるヘルメットや帽子などは地面に置かない。
または、下に落ちたものや置いてあるものを人に差し出さない。(お祈りで使い終わった花は下に捨てて二度と使いません。盆にも戻しません。)
神聖な頭は、神聖な方角であるアグン山に向けて寝る。神聖な方角に絶対足を向けない。(バリ島内では、ベッドの位置はかならずアグン山を意識して設置されています。)
それでいくと、洗濯物の干す場所や位置にも注意が必要なのが分かってきます。
下半身に着けるものは、腰より高い位置に干さない。これ鉄則です。
子供の服はこの限りではありませんが、生理の始まった女子の下半身に身に着けるものは特に注意が必要です。(経血は不浄なものとされています。)
よくホテルの部屋の入り口近くに洗濯物を干している、しかも高い位置にズボンなどを吊り下げている観光客を見かけますが、そうすると、バリ人であるスタッフはそこを通れませんので、お部屋のクリーニングなども困難である、ということを分かっておく必要があるでしょう。
これは家寺ですが、大きなお寺の作りも基本的には同じです
敷地全体がお寺である、とは先ほども書きましたが、祠があるところは必ず浄化しておかなければならず、毎日のようにそこにお供え物をするバリ人の邪魔にならぬよう、祠への道筋(参道にあたりますね)上に洗濯物を干したり(特に下着や靴下、靴、ズボン、スカート、サロンなど)、ゴミなどの不浄なものを置いてはいけません。
こうやっていろいろ書くと窮屈そうに思われるかもしれませんが、異なる生活習慣の国で過ごす際に、相手へのリスペクトを忘れないというマナーの話です。
分からなければ聞けばよいのですが、こういう話はなかなかバリ人側からは言い出しにくい話ですので、記しておこうと思いました(^^)
皆様、楽しいバリ旅行を!