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Roots of 電気グルーヴ ~俺っちの音故郷~(仮)#3: Daniel MillerとMute Recordsに登場した楽曲を紹介

電気グルーヴのYouTube番組『Roots of 電気グルーヴ ~俺っちの音故郷~(仮)』の第3回がアップされました。テーマは「Daniel MillerとMute Records」。

わたしは毎回QJWebでそのテキスト版を担当しているのですが、今回、原稿に仕込んでおいたアンオフィシャルなYouTube動画がすべてカットされてしまったので、ここではそれらと記事に掲載された楽曲をあらためて紹介したいと思います。

今回のテキスト版は、いつも以上にかなり詳細な注釈を付しているので(というのも、登場する固有名詞がめちゃくちゃ多いので)、動画を見たかたでも楽しんでいただけるのではないかと思います。そして、この記事は、YouTube動画とQJWebのテキスト版の、さらにそのサブ・テキストというか、曲を聞いてもらうためのものです。

どうしてこんな記事を書いたかというと、ミュート・レコードのカタログは現在、残念ながらその多くが、ここ日本ではSpotifyなどのストリーミング・サービスで聞くことができません(たとえば、Spotifyでザ・ノーマルの『T.V.O.D. / Warm Leatherette』などが配信されている様子は見られるので、もしかしたら海外では聞けるのかもしれません)。なので、今回はいつも電気グルーヴの2人が選曲しているプレイリストもありません。そういうわけで、アンオフィシャルなYouTube動画に頼ることになってしまったのですが、QJWebのレギュレーションで記事に掲載できませんでした。ミュートのカタログは国内で流通しているにも関わらず、ストリーミング・サービスで楽曲を聞けない原因や理由はわかりませんが、CDなどでも廃盤になっているものが多いので、ミュートのすばらしいレガシーが日本でも気軽に聞けるようになることを望みます。

以下、必要に応じてカタログ・ナンバーを明記しています。ちなみに、“MUTE”がシングルで、“STUMM”がアルバム/LPです。

MUTE 001: The Normal - T.V.O.D. / Warm Leatherette (1978)

ザ・ノーマル=ダニエル・ミラーのデビュー・シングルで、ミュートのカタログ・ナンバー1。

石野卓球 - Warm Leatherette
from The Rising Suns (2004)

石野卓球によるザ・ノーマル“Warm Leatherette”のカバー。

MUTE 006: Fad Gadget - Ricky’s Hand (1980)

ファド・ガジェットのセカンド・シングル。ファウンド・オブジェクト(ここではドリル)を演奏、制作に持ち込んでいる。

Fad Gadget - Ricky’s Hand (Live)
from MUTE 033: One Man’s Meat (1984)

ファド・ガジェットの12インチ・シングル『One Man’s Meat』に収録された、英マンチェスター、ハシエンダでのライブ。

石野卓球 feat. BODIL “Ricky’s Hand (Fad Gadget Cover)” [2018]

石野卓球によるファド・ガジェット“Ricky’s Hand”のカバー。石野と親交が深い京都のエレクトロニック・ミュージシャン、BODILをボーカリストとしてフィーチャー。

MUTE 002: Fad Gadget - Back to Nature (1979)

ファド・ガジェットのファースト・シングル。ミュートのカタログ・ナンバー2。

STUMM 4: Boyd Rice - Boyd Rice (1981)

『The Black Album』として知られる1977年のアルバム『Boyd Rice』をミュートがリイシュー。

MUTE 003: Silicon Teens - Memphis Tennessee (1979)

ダニエル・ミラーによる自作自演バンド、シリコン・ティーンズのデビュー・シングル。チャック・ベリーのカバー。ミュートのカタログ・ナンバー3。

Silicon Teens - Red River Rock
from Silicon Teens / Dave Edmunds - Red River Rock / Gonna Move (1987)

ジョン・ヒューズ監督のコメディ映画/ロード・ムービー『大災難P.T.A.(Planes, Trains and Automobiles)』(1987年)で使用されたシリコンテ・ティーンズの“Red River Rock”。“Red River Rock”はジョニー&ザ・ハリケーンズやザ・ベンチャーズの演奏でも知られるカントリー・ウェスタン・ソング。

Girls On Top - Warm Bitch (2001)

ガールズ・オン・トップことリチャード・フィリップス(Richard Philips)=リチャード・X(Richard X)のシングルで、 ミッシー・エリオットの“She’s A Bitch”(1999年)とザ・ノーマルの“Warm Leatherette”をマッシュ・アップ。ジャケットはまんま『T.V.O.D. / Warm Leatherette』。

RT 057: Missing Scientists - Big City Bright Lights (1980)

ダン・トレーシー(テレヴィジョン・パーソナリティーズ)とジョー・フォスター(Joe Foster, クリエイション・レコーズのファウンダーの一人)によるデュオの、唯一の作品。ラリー・リースト=ダニエル・ミラーが共同プロデュース。リリースはラフ・トレードから。

Alex Fergusson – Stay with Me Tonight (1980)

アレックス・ファーガソン(オルタナティヴ・TV/サイキック・TV)のソロ・シングル。ラリー・リースト=ダニエル・ミラーがプロデュース。Bサイドの“Brushing Your Hair”にはダニエル・ミラーが作曲でも参加している。

Poppy & The Jezebels - Sign In, Dream On, Drop Out! (Richard X meets Larry Least Mix) [2012]

英バーミンガムのポップ・バンドの楽曲をリチャード・Xとラリー・リーストがリミックス。ダニエル・ミラー作品へのオマージュを多数聞ける。

TakBam - Elektronische Tanzmusik
from STUMM 179: We’ll Never Stop Living This Way (1999)

石野卓球とウェストバムによるデュオのシングルが、ミュートからリリースされたウェストバムのアルバム『We’ll Never Stop Living This Way』に収録された。

Sunroof - 1.1- 7.5.19 (Edit) / Sunroof - 1.2 - 30.5.19 / 1.3 30.5.19
from PSST5: Electronic Music Improvisations Vol. 1 (2021)

ダニエル・ミラーとガレス・ジョーンズ(Gareth Jones, プロデューサー/エンジニア)によるデュオが、2021年5月にリリースしたファースト・アルバムから。レーベルは、ミュートのサブ・レーベルであるパラレル・シリーズ(Parallel Series)。サンルーフは1990年代後半からカンやピチカート・ファイヴのリミックスを散発的にやっていた。

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