PMBOK第7版のおさらい解説(第2話)「PMBOK第7版の12の原則 ― 実務でどう活かす?」
1. 12の原則とは?
PMBOK第7版では、従来の「プロセス」中心の考え方から、
「12の原則(Principles)」を基盤とするアプローチにシフトしました。
この12の原則は、プロジェクトの成功に欠かせない基本ルールであり、
どの業界・どの手法でも共通して適用できる「普遍的な指針」 です。
しかし、「原則を知っている」だけでは不十分!
実務の場で「どう適用するのか?」を理解することが重要です。
今回は 12の原則を、実際のプロジェクトでどのように活用するか? を解説します。
2. 12の原則を実務に活かす方法
① ステークホルダーと積極的に関与する
📌 ポイント:
• プロジェクトは「関係者を納得させるゲーム」でもある
• 受注元、社内の経営層、エンドユーザーなど、誰が「成功基準」を握っているのかを明確にする
💡 実務での活用:
• キックオフミーティングの際に、関係者ごとの「期待」を明文化する
• 定期的なレビュー会を設け、関係者のフィードバックを早期に取り入れる
② チームをエンパワーし、協働を促進する
📌 ポイント:
• PMが全てを指示・管理するのではなく、チームが自律的に動ける環境を作る
• 信頼と権限移譲が、プロジェクト成功のカギ
💡 実務での活用:
• 「この決定はPMがするべきか?」と常に問いかける(可能ならチームに委ねる)
• チームの課題や意見をオープンに話し合う「ふりかえりミーティング」を定期開催
③ 価値の最大化を目指す
📌 ポイント:
• 「スコープを守る」ことよりも、「ビジネス価値を最大化する」ことが重要
• 目的がブレてしまうと、プロジェクトの成果も薄れる
💡 実務での活用:
• 「このタスクは本当に必要か?」を常に問い直す
• ROI(投資対効果)の視点を持ち、価値を測る指標を明確にする
④ システム全体を考慮して意思決定する
📌 ポイント:
• 個別のタスクに集中しすぎず、「プロジェクト全体の最適化」を考える
• 「局所最適」ではなく、「全体最適」を目指す
💡 実務での活用:
• 「この決定が他の領域にどう影響するか?」を考えるクセをつける
• 各部門・関係者と横断的な連携を強化
⑤ 適応的なアプローチを採用する
📌 ポイント:
• ウォーターフォール、アジャイル、ハイブリッド…「適した手法を選ぶ」ことが大切
• 変化に対応できる柔軟性を持つ
💡 実務での活用:
• プロジェクトの性質に応じて、進行方法を選択する(短期ならアジャイル、長期ならハイブリッドなど)
• チームメンバーが柔軟に対応できるように、環境を整える
⑥ 品質を組み込む
📌 ポイント:
• 品質管理は「最後にチェックする」のではなく、「プロセス全体に組み込む」べき
• 問題が発生する前に、仕組みで防ぐ
💡 実務での活用:
• レビューやテストを、早い段階から計画的に実施する
• 「品質管理プロセス」を事前に定義し、関係者と合意を取る
⑦ リスクを適切に管理する
📌 ポイント:
• リスクは「発生するもの」として、あらかじめ対策を立てる
• 事前に「リスクを可視化」しておけば、被害を最小限に抑えられる
💡 実務での活用:
• プロジェクト開始時に「リスク登録簿」を作成し、定期的に更新する
• 「起こり得る最悪の事態」を考え、それに備えた対策を用意する
⑧ 複雑性をナビゲートする
📌 ポイント:
• 現代のプロジェクトは、単純なものばかりではない
• 「計画通りに進まないこと」を前提に、柔軟な対応を準備する
💡 実務での活用:
• 「変化が起こる前提」で計画を立てる(スケジュールやリソースに余裕を持たせる)
⑨ 変革を推進する
📌 ポイント:
• プロジェクトの目的は、単なる納品ではなく「変化を生み出すこと」
💡 実務での活用:
• 「このプロジェクトが何を変えるのか?」を明確にし、関係者に共有する
3. まとめ
✔ PMBOK第7版では、プロジェクトマネジメントの「原則」が重要視されるようになった
✔ 12の原則は「どんなプロジェクトでも適用できる基本ルール」
✔ 大切なのは「知る」ことではなく、「実務で活かす」こと!
👉 次回の記事では、「8つのパフォーマンス領域」を整理します!(リンクを追加)
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次回予告
次は 「8つのパフォーマンス領域とは?」 を解説します!
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次は第3話「8つのパフォーマンス領域」について詳しく解説します。