ちょうどいいところを目指す社会|ドーナツ経済学|後編
前編では、「我々が上手に生きていくには」、「ちょうどいいところを目指していく」ことが重要ということをお伝えしましたね。
後半では、これまでの経済を振り返り、これからの経済はどう変化していくべきかということをお伝えできればと思います。
後編では、企業についてから解説していきます。
これまでの経済から、これからの経済へ
◆企業:目的を持たせよう
そして、二つ目は、企業についてです。
ユニコーン企業などが注目されるように、インターネット、テクノロジー、通信、電気などが、当たり前のように使えるのは企業のおかげです。企業の役目としては、革新性に富んでいて、新しいものをどんどん作り出してきた歴史があります。
官主導の方が手堅くて、企業の革新性が富むのは、今も昔も一緒ですが、「民間の方が革新性に富むから、企業に導かせよう」という発想になっていました。
企業ランキング=国力ランキングという風に捉えられがちですよね。
実態は違うんですが、国力が弱い、GDPが低い、生産性が低い・・・というときは、ほとんど企業の話になっているんですよね。
多くの場合、「企業価値」が「国力」のように聞こえることが多いですよね。企業主体で文明が発達してきたというのは、事実ではありますが。
機能としては別ですが、有名企業がでてくると国力があがっているように気がしてくる。インターネットが使えるのは、「アメリカ」のおかげ!という発想はあまりないと思うんですね。
昔は、Yahoo!というのがあるらしいぞ、という企業のイメージで入ってきますよね。
今使われている、TickTokやLINEなどのサービスも、運営している会社の国籍を意識することってあまりないと思うんですね。
歴史としては、企業主体で文明が変化していったという事実がありますが、企業に導かせるといっても、世の中を導くつもりでやっている企業はほとんどないと思うんですね。
各企業のミッションなどを見ても、
このことを通じて「世の中を発展させよう」はあっても、「国や人種を発展させよう」発想はないんですね。
企業に導かせると、「危険な地球環境の変化」(行き過ぎること)が多くなるんですね。
なので、コントロールすることが必要なのではないかという議論になってきます。企業には、目的をもたせようという風に、この本では述べられています。目的と直訳されていますが、大義をもたせよう、公共の利と考えるとわかりやすいかもしれません。
20世紀と21世紀の経済学で比較しているので、
すでに目的をもって動いている企業もたくさんあると思います。
例えば、地球保全という目的に準じていれば、「危険な地球環境の変化」(行き過ぎること)はないはずです。しかし、目先の利益を求めると、比較的「危険な窮乏(足りない)」に行きがちです。
ですので、大企業や企業パワーがあるところであれば、「目的(大義・公共の利)をもつ」というのが重要になってきます。
◆市場:上手に組み込む
売買の中心である市場は強力で効率的です。
需要曲線と供給曲線が交わり、値段が自動的に決まると思われがちです。 市場に任せた方があれこれ考えなくて、楽で効率的なので、市場の自由にさせようという発想が生まれました。
ですが、実際には、目に見えない多数決は難しく、市場をコントロールしないと暴走することもあります。
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