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tuki. - 純恋愛のインゴット / 1stアルバム「15」Review

トレイラーが公開されただけで喜び勇んでnote書いちゃったんですが、tuki.の1stアルバム「15」が2025年1月8日にリリースされました!

大晦日の紅白で「晩餐歌」生歌唱で話題をさらって (※前半戦最高視聴率だったらしい)、約1週間後にアルバムリリースとは完璧な筋書きなんですが、めちゃくちゃ優秀なストーリーテラーがバックについてますよね。うん。


さて。
アルバムから、リード曲的ポジションの「純恋愛のインゴット」MVが公開されております。これまでのMVでは一貫してtuki.本人をイメージしたと思わしき少女がソロでアニメーションとして描かれるというパターンが多かったですが (※注:「アイモライモ」で初めて実写に挑戦)、今回はじめて4人の女の子が登場。増えたぞ!左から武闘家/魔法使い/勇者/戦士でいい?(ドラクエⅢ脳) 絵柄もちょっとデフォルメされたキュートなタッチに。サビでは絶対ライヴとかでも反映されそうな振付ダンスも披露し、かつなんとK-POPっぽいラップまで飛び出す!これはtuki.ならではのアイドルソングへのオマージュなのではないの?アイドルライヴ的な合いの手余裕で入れられるよね?MIXいけますか?あ、ゆっふぃー(寺嶋由芙)とかが歌うとドハマりしそう。そしてアッパー系の曲のなかでも「ひゅるりらぱっぱ」「地獄恋文」のちょっと陰のあるやさぐれモードとはまた異なり、この「純恋愛のインゴット」ではめっちゃ明るくって軽やかな「陽の者」としてのtuki.の新たな一面が垣間見えるのだ。シンプルに楽しい!でも、この曲の歌詞に出てくる女の子、ちょっと重くてめんどくさそうだよね。


改めてトレイラー&AppleMusic&Spotifyのリンクを。


レビューなんて銘打つほどではないのですが、感想文です。
最初に言いたいのは「もう2025年の年間ベストアルバム1位、これでいいです」。えーと、あと11か月と20日あるんですけど、なんかほぼ決まりな気がしているんよ。もう満足しているんよ。なんだったら年間ベストトラック1位は「純恋愛のインゴット」の可能性すらある。

もしこのアルバムの曲順を組ませてもらえるのなら、アルバムのオープニングに一旦は「月面着陸計画」を選ぶけど、やっぱり考え直して彼女の代名詞でもある「晩餐歌」はじまりがベストだろうなと思う。これはタイパ重視の時代にも合っている気がするんだ。掴みが肝心。


そして、セカンド・オープニングナンバーとして始まるのは、プライベートレーベルと同じ名前を冠した「月面着陸計画」。この曲は新世代の「銀河鉄道の夜(GOING STEADY)」なのだ、と提唱したい。月面に向かう勇壮なマーチ。そして3曲目「純恋愛のインゴット」になだれ込む。この流れ大好き。


シンセによるイントロが印象的な「アイモライモ」に続き、tuki.さん人生何周目疑惑が湧く「マルボロ」、これ15歳が書く歌じゃないよ、15歳が書く歌詞にアイコス出てこないよ。

リリースからしばらく経って、じわじわ好きになっている"別れの歌"「星街の駅で」。アルバムまでにリリースした8曲のシングルのなかでも、実はトップレベルにいい曲なんじゃないかなと思います。tuki.の歌詞って引き出しは少なめで年相応な感じはするんだけど「良い意味で小難しくない平易なことばを使う」ので、すとんと落ちるんですよね。どうかこねくり回した哲学的な歌詞なんか書くようにならないで。ストレートに泣かせておくれ。


アルバムのまんなかに位置する「シーソー」は前半と後半のバランサーの役目も果たしていそうな、箸休め的小品。
そしてtuki.ならではの卒業ソング「サクラキミワタシ」に続いて、「ひゅるりらぱっぱ」「地獄恋文」と続くアッパータイム。「晩餐歌」しか知らん人はびっくりすると思うけど、ピアノ弾き語りバラッドばっかりでそのうちどん詰まってしまうんじゃないか?と危惧してた僕がちょいクレイジーな「地獄恋文」聴いた時の衝撃とうれしさといったらよ。歌詞はいい意味で平易だよね、って書いたけど「地獄恋文」における「閻魔さま調子はどう 狂っちゃいそうな心裁いてよ」っていうパンチラインは最高です。「ひゅるりらぱっぱ」はプレステのCMでも流れてましたね。「晩餐歌」のtuki.とイコールになった人は少なかったのではないだろうか。


続く新曲「孤独の鯨」はエンディングに向けて一抹の寂しさを纏い歌い上げる神秘的なバラード。たぶん「月の夜に吠える」とホエール掛けてる。

ラストを飾る2曲、まずは「晩餐歌」に続いてリリースされた「一輪花」。この曲をもってtuki.の才能を確信した人も多いでしょう。連発でこのクオリティかましてくるのは素直にすげえと思いました。本物だ、と。


そして "晩餐歌への続編的アンサーソング"、「愛の賞味期限」でクロージング。「晩餐歌」はじまりならこの曲で終わるのが大正解だなー。


というわけで一周しました。48分。

tuki.さんに関してはどこか「この子はどうしていったらもっと売れるのか」みたいな目で見てしまうところがあるのだけど、アルバムリリース後の動きがとても大事だと思います。正解はなんだ?

うまくやらないと頭打ちになってしまいそうな感じもあるので、このあとさらに伸びてゆくのか?それとも一発屋で終わるのか?この1年が本当の勝負かもしれない。「晩餐歌」に匹敵するヒットが欲しいな。

tuki.、1stアルバム「15」が間もなくリリース|r y u s k e y

まあ、いちリスナーにどうこうできる話でもないので、この才能がどんなふうにさらなる飛躍を遂げていくのか、楽しみにしようと思います!
ライヴもあるのか?気になりますね。

tuki.関連で書いたnoteはこちら。


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