漫画の話をしようじゃん (2024年9月のおすすめ作品)
おう。漫画の話をしようじゃん。
6月くらいに「アメトーーク」の漫画大好き芸人をみて、これとおんなじ感じでおすすめ作品を紹介出来たら面白いよなあ、とnoteを書き始めたんだけど、中断して3か月経過。あらためて仕切り直しで、漫画の話をしようじゃん。
このときの放送ではマヂラブ野田氏のセレクトが好みだったのだけど(雷雷雷/ルリドラゴン/サンダー3/バーサス/望郷太郎etc)、今回のnoteでは、なんらかの賞を取ったり、アメトーークなどメディアでピックアップされたような作品は避けて、まだあんまり知られてなさそうだけど面白いよって作品を紹介したいとおもいます。
「この世は戦う価値がある」こだまはつみ
週刊ビッグコミックスピリッツ連載。既刊3巻。
この作者さんはWEB版モーニングで連載してた「ざんげ飯」で知ってたんだけど、あれは夫婦イチャコラ日常系ごはん漫画って感じだったので、まさかこんなにシリアスでエモーショナルな作品を描くとは驚いた。
掃き溜めみたいな職場に度を越したモラハラ彼氏。目を覆いたくなるような惨状を耐え忍ぶ限界OLが、ある一通の封書をきっかけに人生総決算するおはなし。大人しかった女性が、こんなに変わるもん?とびっくりするけれど、序盤の酷さ・惨めさからの劇的チェンジの爽快感よ。もう、なんだって出来る気がしてしまうな。深夜とかの中途半端な感じじゃなくて、ゴールデンタイムでドラマ化できたら相当話題呼びそう。主演は俺の中で、勝手に小芝風花さんになってますが。「決算リスト」を消化する過程で、紀理はさまざまな人々と出会います。小学校の同級生、酒屋の娘、ギャンブル狂いの劇団員、夜職の女。ひとりひとりを深く深く描き、魂のかたちを浮き彫りにしていく。人間って面白いよ。まずは1話を読んで。
MONO NO AWAREとコラボしたMVも必見です。
「全部救ってやる」常喜寝太郎
裏サンデーにてWEB連載。既刊1巻。
モーニングで連載してた「踊れ獅子堂賢」の作者が、動物保護の世界を描く最新作。カリスマ美容師のもとでスタイリストを目指す星野と、動物保護活動を行う寡黙な男・久我の出会いから始まる物語。動物(※ペットの犬・猫はもちろん蛙や亀も)のために全て捧げ、救える命は全部救うと活動を続ける久我、そして保護活動のことなど何も知らずに久我の活動に関わり始めていく星野。多頭飼育崩壊の現場、ペットショップ、動物愛護センターなどでのリアルな現実。命を預かるとはどういうことなのか。ペットに少しでも関心のある人はぜひ読んでもらいたいです。
「アパレルドッグ」林田もずる
モーニングにて連載。
現時点で連載7話目、まだコミックも出てないですけど、ありそうでなかったアパレル物のお仕事漫画です。主人公の田中ソラトはレディースのみを展開するブランド「ミシロ」でMDを担当。ライバルの「アンノワ」(たぶんユニクロみたいな立ち位置)には圧倒的な差をつけられて、危機感に憔悴する日々なのだが、ある日、ブランド初のメンズ服を展開するという計画が立ち上がり・・・という筋。作者は元アパレル勤めとのことで、ソラトとタッグを組む新人・家入すばる(異常なコミュ力の高身長女子)の質問・疑問に答える形で、業界の仕組みや、服作りの進行スケジュールなどをわかりやすく解説しています。絵はちょっと不安定なところはあるけれど、独特な味があり。今後に期待したい。
「CHANGE THE WORLD」田川とまた
裏サンデーにてWEB連載。
まだ現時点で連載2話目という段階なので、紹介しようかどうかは迷ったんだけど、堂々としていて迷いのない作風、そして映画みたいな台詞まわしに期待を込めて。野田秀樹に憧れて劇作家を目指す高校1年生・浜野陽太。そして学生演劇のレベルを超越した演技力をもつ少女・村岡茉莉。作家と演者、2人の出会いを主軸に描かれるストーリーだが、よくあるボーイミーツガールものかと思えば全くそんなことはなさそう。冒頭でも触れたけど、とにかく映画的。好きな人はめちゃくちゃ好きだと思います。
以上、たぶん年末のBEST COMICの候補にも入ってくるんじゃないかなあという4作品をご紹介しました!今回のコンセプトとは外れるけれど、最近読んでるお気に入りとして下記6作品、挙げときます。ではでは。