全裸中年男性、菊の花にウンコをかける
ある日、全裸中年男性がいつものように自宅の屋根の上で裸踊りの練習をしていると、下から息子の呼ぶ声が聞こえた。
「おばあちゃんに怒られた。弾の出るピストルを人に向けちゃ駄目だって。おじいちゃんとお父さんに報告して叱ってもらいなさいって。」
「そうか。俺はいい。あと、おじいちゃんにはこのあと貴様が育てていた菊の花にウンコをかけるから許してねってその分も謝っておいてくれ」
全裸中年男性はそう言うと屋根の上で裸踊りの練習を再開した。
全裸中年男性の息子は祖父の部屋に入ると、祖父は割れた窓と首のない仏像を指して言った。
「さっき、これが投げ込まれて窓が割れたんだが、これはお前の仕業か?」
「ううん。違う。先週、お父さんがコーランを護摩壇の炎に中に入れたから、その仕返しが来たんだと思う。」
「あの野郎……。で、用は何だ。」
「弾の出るピストルを人に向けたらいけないっておばあちゃんに怒られたの。あと、お父さんが菊の花にウンコをかけるって……」
「そうか。いかんぞ。おじいちゃん大事な用事ができたからこの辺にしておく」
全裸中年男性の父はそう言うと押し入れから鉄球を取り出し、菊の花がある庭へと向かった。
菊の花にはウンコがかかっていなかった。
「なんだ。まだか。来たらぶっ殺してやる」
そう言ったところで屋根の上からウンコが飛んできた。バケツのなかで水に解いたウンコはお茶のように見えなくもないが、やはりただのウンコだった。全裸中年男性の父は菊の花ともどもウンコまみれになった。
「どうやら私のほうが一枚上手だったようだな。貴様の考えなどお見通しだ」
全裸中年男性はそう言うと隣家の屋根に飛び移り逃げていった。