全裸中年男性、父と死闘を繰り広げる
「お前、そこへ直れ」
今年で80歳を迎えたある全裸中年男性の父は、日本刀のある和室で全裸中年男性に対峙した。
「お前、いつまで全裸で街をうろつく気だ。母さんだって心配して……」
「うるせえクソ親父。なにかと言えば母さんを心配させるな、母さんを心配させるなと言いやがって。母さんの尻に敷かれすぎなんだよ。全裸は部族の誇り。やめるわけにはいかない。」
「な、なんだと。何が部族の誇りだ。お前は私の息子だあああああああ。そんな部族はおらんわあああああああ。
どうやら私の愛が足りなかったようだな。斬首する予定は変更だ。
食らえ、私の愛をっ」
全裸中年男性の父はそう言うと全裸中年男性に接吻をした。さすがの全裸中年男性も鼻をつままれ接吻を5分続けられると息がつまりそうになった。
「どうだ。少しは効いたか。お前は日本刀で斬首するよりもこちらのほうが良さそうだ」
そう言うと全裸中年男性の父は縄とムチを取り出した。
「お前、私が母さんの尻に敷かれすぎと言ったな。お前は何も分かっていない。それこそが男の醍醐味だ。女に縄で縛られムチで叩かれる悦びを知らなければ一人前の男とは呼べん。それをこれから教えてやろう。」
「クソ親父、お前は男じゃねえか。実の息子に色気づきやがって……」
そのとき玄関のチャイムが鳴り、全裸中年男性の母がスーパーから買い物を終えて帰ってきた。
全裸中年男性と父は何事もなかったかのように振る舞い、母が作る昼食のインスタントラーメンを食べた。母はモヤシが良い値段で買えたと言ってひとつまみのモヤシをそれぞれのラーメンに入れた。