褒められまくる地方の若者。スパルタの必要性。
地方ではちょっと頑張ると周りが褒めてくれる。「良いプレゼンするね」「良い動画作ってるね」「面白い取り組みだね」と。ただ、ダメ出しをしてくれる大人はいないし、ましてや叱ってくれる大人も少ないと思う。
だってローカルにいると人と人との距離が近いし、「あの人めっちゃ厳しいよ」とか噂になると嫌だし、誰だって嫌われたくない。あと若者たちもみんなそれぞれに甘いところも多いけど頑張ってる。
でもそれじゃあいけないなと学ばせていただくきっかけが穴吹デザインカレッジ ネット動画クリエイター学科の卒業発表の審査員を務めたときにありました。
褒められすぎて全力を出せていない若者たち
褒めるというコミュニケーション手法。それは悪いことではない。弊社でも今年はお互いを称賛し合う文化、褒める文化を大切にしようという話をキックオフミーティングでしたばかり。ただそれは、その子のベストを出しているのが大前提。
同じく審査員のサオリさんがnote記事でも書いてるように、「期日を守る」とか「制作物を完成させる」とか最低限のことができていないなら、そもそも人としてそれは社会に出られないレベル。弊社のクリエイターにも期日は守れ、守れそうにないならちゃんと調整をしようと言っている。
もちろん、最近の若い子達は凄い子が本当に多い。岡山県立岡山操山中学校の子達も学生ながらに「哲学」を語るという学びを自発的にしていたし、動画制作の放課後授業でもこちらが伝えたことを聞いて自分の言葉にすぐに落とし込んでいた。
そして穴吹デザインカレッジの学生も企画の発想力と構成力は東京でも通用するような広告代理店のプランナーに近いレベルだったりする。だけど、よくよく見ると映像に荒さがあったりするし、彼も最後の1歩の爪の甘さを学生自身も認識していたりする。
なので自分は褒めまくっていたけど、一緒に審査員をしたサオリさんが細かいところも指摘してて、ああ自分を含め大人が褒めすぎてるなあと反省しました。
実際学生は褒められるとみんな満足そうな顔をするんですよ。嬉しそうな顔というか。もちろん時にはそれはめちゃくちゃ大事だったりするんですが、褒められたことって嬉しい反面、その人がそれ以上に成長するのを阻害している可能性も一部あるコミュニケーション手法だなあと思いました。
なのでどっちかだけじゃなくて、褒めることと叱ること。両方のダブルスタンダードでしっかりやっていくことが必要だと思っています。あとは自分も含めて頭ごなしにされると嫌だし、そのあたりはまじでマネージメント経験則だなあと思いました。
逆に余談ですが、うちの社員は社長にスパルタで、あーだこーだ会社や事業に言ってくる(笑)時々耳を塞ぎたくなるようなことや、消化して理解するのに数日落ち込むこともあるけど、でもそれって半年後や一年後にはありがたいことの方がいい。一方、経営者として自分しか見れてない視点もあるので、それとのすり合わせも必要だということも気づく。
審査員をする側の大人がレベルを上げる
あと自分も含めて大人のレベルが上がることも非常に重要だと思います。もっともっと関わる大人がレベルを上げれば、個性を持った若者がもっともっと成長していく。
今のサッカー日本代表がまさにそうで、ヨーロッパで活躍していた選手がコーチや監督、実況アナウンサーになってきて、サッカーに関わると選手全体そして日本国としてサッカーを見る目のレベルが上がってくる。
そんないろんな思考をするきっかけになりましたが、2月2日〜4日まで穴吹デザインカレッジの卒業・修了制作展が開催されます。是非とも学生たちの全力の作品を見に行ってあげてください!
ネット動画クリエイター学科という名前がついていますが、非常に美大の卒展に近い動画企画が多かったのが個人的には興味深くて良かったです。
穴吹デザインカレッジから最前線で活躍するような動画クリエイターが育つことを心より願っています!ちゃんちゃん。
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