Stay R. EP FINAL全曲歌詞＆解説5「Last Summer -永遠の夏-」

Title (Streaming): Last Summer
読み：ラストサマー えいえんのなつ ニューミックス
Key: F
BPM: 168

＜平成30年 平成最後の夏に寄せて…＞
　前曲「軟井センター」の更新から1か月ほどたってしまいましたが、これで「Stay R. EP FINAL」最後の解説です。

　お代替わりによって突然に訪れた「平成最後の夏」。生まれた平成の時代は素晴らしかったと表明すべく、1曲賑々としたためました。夏の終わりにということで8月31日にSoundCloudに投稿していたのですが、後でベース周りをアップデートしたため、「Stay R. EP FINAL」に収録されているバージョンは（New Mix）となりました。

旧バージョン↓

　この曲は90年代オランダなどに流行した「ハッピーハードコア」というジャンルの流れを汲んでいて、168BPMの急速な4つ打ちとブレイクビーツのループ再生が目立っています。さらに早口パートの後半はバスドラムがさらに歪んだ音に差し変わり、「ロッテルダムテクノ」系に肉薄します。こういうハードな音遣いは普段別名義RIZARDIでやることにしているのですが、夏のお祭り騒ぎなのでイイだろうという采配です。一番参考にしていた曲が下のNew Kids「Turbo」で、電気グルーヴのリミックスを担当したこともあるオランダのポール・エルスタック（Paul Elstak）というDJ／プロデューサーがトラックを手掛けています。

　前述の「Turbo」と決定的に違うのはヴォーカルの扱いで、その展開はポップスというよりヒップホップに近くなっています。絵に描いたような（＝本人がロクに体験しなかったような）夏をエンジョイしてるアピールカマして、気分はアッパー系マシンガンラッパーでした。根底には別にEE JUMP「おっととっと夏だぜ！」もあるかもしれません。ただテンポ168で16分音符を敷き詰めているので、実際に歌ってみるとめっちゃ大変です。1番は朝から昼、2番は夕方から深夜の物語となっており、いつ何時も笑っちゃうほど、騒いじゃうほど楽しい日々。「レジャー」「プレジャー」「トレジャー」を英語で書くと「leisure」「pleasure」「treasure」となりますが、外に繰り出して遊ぶことは喜び、その思い出は宝物になるのです。逸る心にかまけて”遅れたヤツは置いてくぞ”的なアノやりとりを「Say Bye（バイバイだぜ）」「成敗」と意味だけでなく音でも掛けて、うまくまとまったなとニヤリ。厄介なダブルミーニングはそのくらいとしてひとつ気がかりなのは「ラーメン掻き込む　海パンで」というフレーズが、海の家で海パンを脱いで指に装着してラーメンを口に運んでいると認識されないかどうか。言わずもがな装いによっちゃあれです。フルモンティです。

　曲の最後は全トラックをフェードアウトさせてから、ロービットなピアノとヒグラシの鳴き声（実録にしたかった）が出てきて、一転しめやかに終わります。結構具体的な場面転換なので、ここは作曲というより「演出」という目線が出てます。

そして詞書いてて出てきた感想は一つ。
「アオハルかよ。」
※夏です


　「あの夏」ではなく「この夏」を歌うということ…夏は毎年巡ってきても、今年の夏はたった一度きり。楽しすぎる夏を夢想するあまり歌の中で安直に学生風情すら呼び起こされてしまうわけです。誰だか分からない”使者”に告げられていつかは醒める夢だったとしても、幾つになっても夏を謳歌したい思いは変わりません。これがエモです。ところが実際の夏とは、部屋に虫が入って来ないよう神経を尖らせたり、マクドナルドのポテトの塩分量が気持ち多くなっているのを実感したり、ネットスーパーで2Lペットの水を箱買いしつつついでにその日食べる弁当も注文しちゃう季節でした。

The last summer lasts forever.

===試聴===

===歌詞===
★
我らの夏よ　最後の夏よ
決して戻らない　輝く日々よ
そっと、思い出に…

（夏！）
太陽の下　いざ海ゴーゴー
新品サンダル　２０００円
いつものメンツで　Say Yeah!
遅れた野郎は　Say Bye ＜成敗＞！
海は広いな　大きぃーな
よりどりみどりで　楽しぃーな
水着に砂浜　海の家
ラーメン掻き込む　海パンで
（夏！夏！）いま夏
バーベキューいかが？　So Hot！
眺めた青空　So High！
虫に刺されても　無視無視！
レジャーっつーのは　プレジャー
プレジャーっつーのは　トレジャー
溜まった宿題　これじゃあ
なんだかんだ終わらねえんだ！

★

（夏！）
浴衣に着替りゃ　ちゃきちゃきで
祭りだワッショイ　ソイヤッサ！
屋台じゃ本気だ　腕まくり
これぞ日本の　夏祭り
素敵なあの人と観る花火
大輪の花は　鮮やかに
散ってゆく花は　ささやかに
想いはぐっと　胸の中に…
（夏！夏！）いま夏
たまにゃダチん家　上がり込んで
エアコン全開　16度
呑んでゲームして　バカ話
下ネタハッスル　なんちゃって
夢を語り出しゃ　泣いちゃって
俺らの友情　今だって
なんだかんだ変わらねえんだ！

★★
我らの夏よ　永遠の夏よ
二度と帰れない　眩しい日々よ
そっと、思い出に…

★★

”真夏の夜の夢”　使者はそう告げ
ふっと、醒めていく…
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