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Stay R. EP FINAL全曲歌詞&解説3「Interlude ~血塗られた晩餐~」

Title: Interlude ~血塗られた晩餐~
Title (Streaming): Bloody Dinner
読み: インターリュード ~ちぬられたばんさん~
Key: F major
BPM: 148~248

<セシボン!男爵のディナーは鮮血の味 ※猟奇的な表現はありません>
 劇団Ryuseiのひとり幕間ミュージカル、開幕。実はCDに付けたブックレットには「ヴィミ・ド・グルマンディーズ男爵:Ryusei」と書いてまして、これでもエセおフランスの男爵を演じてみたつもりでございます。”グルマンディーズ”はフランス語で「食いしん坊」という意味で、「食いしん坊のヴィミ(美味)男爵」といった塩梅です。ディズニー映画「美女と野獣」の劇中歌「Be Our Guest」的な、おちゃめなキャラがユーモラスに歌うミュージカル曲っていいな…と遠く思っていたところ、想定していなかった形でアクセルがかかりました。

~~
 あれは茹だる暑さの8月。何かのイベントの帰りに某定食チェーン店で優雅にディナーをしていると、コリッという音が響いて…疲れからか口内炎を思い切り噛んでしまいました。あまりの痛さに食べる手が止まり、せっかく好きなメニューを食べていたのに口の中が一転・鉄の味になりました。
~~

 ”これだ”と。
 ”これで1曲できる”と閃光が走りました。「口内炎を噛んだ」ことをオチにするアイデアだけでなく、「ボナペティ!その歯で豪快にかぶりつく」というフレーズも助走つけてなだれ込んで来ました。口の中痛い中でスマートフォンのメモ帳にババっとここまで記録して…こんなバカバカしい制作秘話あるのかと我ながら思ってしまいますが、その頃CD恒例の”Interlude”枠を次どうしようかまだ決まっていなかったので、図らずもハプニング一つに救われたのは事実です。また、「ボナペティ!(Bon appétit!)」というフレーズは「Stay R. EP FINAL」1曲目の「Stay R. -Final Chapter: The Conclusions-」にも流用しています。

 「一旦CM、どうぞ?」と最後に補足しているのは、一応次のトラックが本当に架空のCMをイメージしているからです。それと確か「続きはWEBで!」とかそういうフレーズを曲の最後にチョロっと言うミュージカル系歌の流れるCMが何かあったような気がするんですが、何だか思い出せません。

 曲はミュージカル曲にありそうな感じで、強調したい言葉でタメちゃうなどテンポを思い切り揺らしました。キーは基本的にヘ長調で、テンションが落ちると短調になる手法をとったり、コード進行はだいぶ遊ばせました。3拍子の曲を作ったのは久々ですが、その久々の3拍子がこうなるとは思ってもみなかったなと振り返って思います。
「水がしみる! あっー!!」の部分は、個人的にこのリリースで一番洗練されたテイクだと思ってます。

===試聴===

※URLは「Bloody supper」となっていますが、公式英題は「Bloody Dinner」になりました。

===台本===
(第一幕 男爵の晩餐)
ボナペティ!
その歯で豪快にかぶりつく
ボナペティ!
甘美なる時、熾烈なる苦痛
ボナペティ!
血の滲むような思い…もうごめんだ

今、口内炎を噛んだ!!


あれは茹だる暑さの8月
優雅にディナーしていると、
コリッという音が耳に聞こえた。
ああ、やっちまった!
口内炎で済めばよかったのに、
傷をこさえてしまった!
食べたいのに、痛ーいなんて、コマーシャルでも誰かが言っていたイヤ、
水がっ、水がしみる!
あっー!!

~痛みに悶えること数秒~


(第二幕 男爵の部屋)
一度できたと気がつくと、舌で触ってみたり気にかかっちゃうのが人の”さが”。
放っといても死にゃしないからと忘れてみるけど、
忘れようとしていることを忘れないうちは忘れられず、
忘れることを忘れた時やっと忘れられる。
そう、忘れてみるけど、忘れようと…
何を言ってんだか、ハハッ

くよくよしても仕方がない。
ママンも言ってた。幸せになりたきゃ、美味しいものを食べればいい!


(第三幕 明くる日、再び男爵の晩餐)
ボナペティ!
その歯で豪快にかぶりつく
ボナペティ!
甘美なる時、熾烈なる苦痛
ボナペティ!
血の滲むような思い…もうごめんだ

また、口内炎を噛んだ!!

一旦CM、どうぞ?
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