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Stella Cadenza Vol.2全曲歌詞&解説3「Interlude ~北千住デビルズジャンクション~」

Key: E
BPM: 122
Title (Streaming): 北千住デビルズジャンクション
読み:インターリュード~きたせんじゅデビルズジャンクション~

悪魔とすれ違う乗換駅>

 北千住駅(きたせんじゅえき)…JR常磐線・東京メトロ千代田線・同日比谷線・東武スカイツリーライン(伊勢崎線)・つくばエクスプレスが乗り入れる、東京都足立区にある駅。

 北千住駅は多くの路線が乗り入れているだけでなく、都心・地方(特に北関東)への利便性が高いため、乗降客数は日本の駅でもトップクラスとなっています。ところが、北千住駅はホームだけでも3階(日比谷線・東武線ホーム)から地下2階(千代田線ホーム)に分かれており、乗り換えの際は必然的にアップダウンが多くなるのが特徴です。一部乗り換えには複数のルートが存在して、複雑さを増す一因といえます。新しく通ったつくばエクスプレスを除いては改札を通らず乗り換えられる仕組みになっているものの、逆にそれが戸惑いを招くことさえあります※。中でも、JR常磐線各駅停車は東京メトロ千代田線・小田急小田原線と相互乗り入れする関係で、同じ「常磐線」と名の付く常磐線快速と違って地下の千代田線ホームから出発するため、混乱するケースはしばしば起きるそうです。その影響で、隣の綾瀬駅までの間が”JRとも東京メトロとも”みなせてしまう事情が生まれ、両社が同区間に特別な運賃のルールを定めています。運賃こそ実際に区間を利用しなければ意識しないかも知れませんが、そんな北千住駅はまさに”ダンジョン”のような駅と呼ぶにふさわしいのではと考えます。ひとたび迷えば「悪魔の仕業」と邪推してしまっても、不思議ではないかもしれません。

※私がそうでした


 …と突然長文を書き散らしてしまいました。平たく言えばこいつは「北千住駅での乗り換えは難しい」という事情でして、上記の内容を2分半のモノローグに余さず詰め込んだのが”テツ分”配合の1曲「Interlude ~北千住デビルズジャンクション~」です。タイトルは「ジャンクション」ではなく「ダンジョン」でもいい気はしましたが、あちこちの路線に乗ってきた人々が”すれ違う場所”(=ジャンクション)であり、その人々が悪魔たちと”行き違う場所”ともいえるからという理由を付けます。後者の場合、行き違うというより”行き、間違う場所”が適切かもしれません。あくまでギャグ・あるあるネタなのでネガキャンする意図は一切ありません。

 ”俺たちに明日はない”って何だっけなーと思ったらアレですね、ボニー&クライドですね。

 そもそもこの曲のベースは、1~2年くらい前にオシャレなハウス系の曲を作ろうとして挫折したバックトラックです。なまじクラブ系のサンプルをいっぱい持つと、ディープハウスとかあの辺の音楽を「自分でも作れるんじゃないか」と勘違いする時がたまにあって、そんな日に勢いでパッと8小節組んでみて…そこから全然進まないものです。ただ慣れてないからだろでファイナルアンサー。「Interlude」枠の大筋のシナリオを「北千住駅で迷う人」で書き始めて”さあ曲は何もない!”という折に偶然再び拾い上げて即決。ただのBGMとして8小節をループさせる形なら”ホン”がいくら伸びても対応できるし、渡りに船といった按配です。一通り収録を終えた声をDAWに並べつつタイミングと尺を調整、ループして何度も聴かせるからにはとフィル追加等のブラッシュアップを施して今の形に至ってます。音はあっさりしてるのに内容がこってりマニアック、いかがでしょうか?

 冒頭の電車のSEは、語りのバックに駅構内の映像が流れているイメージで入れていて、この曲を着想するずっと前に私が千代田線内で録った音です。詳細には、JR東日本で広く運用されていた車両「209系※」の速度制御を担う”VVVFインバータ”という装置が鳴らしてる音です。で、これを昔からなぜか特別心地良い音だと感じていました。家でも聴きたいあまりスマートフォンで録音しただけのコレを、まさか自作曲で使える日が来るとは何たる偶然。もちろん実際に北千住駅も走っていた電車のため矛盾もなく、わざわざ録りに行く手間が省けました。行ってないので「北千住~、北千住~」のアナウンスは私の声です。

※ファイル名によればこの時私の乗っていた車両は「モハ208-1000番代」。

 ↓近い音が聴ける動画 ※参考までに

 「ジャンクション」と言えば大橋(首都高速道路)という理由で主人公に大橋翔馬という名前を付け、日比谷線から千代田線(からの常磐線各駅停車)に乗り換えてもらいました、というテイですね。違うホームで待ちぼうける他、迷いに迷った挙句やっと北千住駅を出発できたのに乗った電車はまさかの綾瀬止まり(これも実在)…目的地・亀有駅の一つ手前の駅でまた足止めというカートゥーン感あるオチはお気に入りです。

 万一この曲がタモリに発見されるとしたら、Mステではなくタモリ倶楽部なのではと思います。

===試聴===


===台本===

作詞・作曲・編曲:Ryusei
大橋照真(おおはししょうま:20歳・アルバイト):Ryusei
ナレーション:Ryusei
車掌:Ryusei
車内アナウンス:Ryusei


車掌:北千住~ 北千住~
ナレーション(NA):上京して2年目の春。もう夏も近い。バイト先のある銀座の街にも慣れた。
今日は高校時代の友に会いに亀有へ行く。
大橋照真(大橋):亀有、ブラッディ・カメアリー
北千住駅で乗り換え、JR常磐線でたった2駅
今や乗り慣れた日比谷線 終点まで乗ればそこは橋の上
俺たちに明日はない、葛飾に亀は有る JR フッ
常磐線常磐線…あの取手行きに乗りゃいいんだっけ?
…え、次松戸?
松戸っつったら千葉じゃん、行き過ぎだって!都内でOK都内で!
なになに、”亀有・金町へお越しの方は各駅停車をご利用ください”
おいおい、快速は通過ってことかい。大した事ねーな
っつっても亀有は何も悪くないし、むしろあのマンガのおかげで知名度はこの辺の駅で一番じゃないかって気もするし、
”今回ばかりは見逃してやるぜ”じゃねえけど、まあ待ってりゃ来るか…ああ。

<フェードアウト>

大橋:来ぉない!!ココ各駅停まんないの?さっき快速停まってたのに?
えどういうこと?じょば、常磐線の各駅停車でしょ?
いや、そんなミステリーある?
NA:その後、常磐線各駅停車に乗るには、東京メトロ千代田線のホームに行かなければいけないことを知った)
大橋:いや千代田線てJRじゃないじゃん。アレだよな、地下鉄に乗ってたと思ったら、いつの間にかJRに乗っていた…
そもそも快速が地上から出て、各停が地下から出るとか、頭がおかしくなりそうになるわ北千住…
昔っからややこしい運用でやってきたっての?え?これ!
NA:そんなこんなでホームに滑り込む電車。その真新しく見える車両には「ODAKYU」の文字。
大橋:このくだり複雑すぎでしょ、地下鉄なのかJRなのかって話でいきなり小田急線来たし。
もういーや。

車掌:次は綾瀬 綾瀬 終点です

大橋:終点!?

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