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HARD&SOFT全曲解説2「阿婆擦戦隊ビッチマン」~エッチマン:B*TCHMANの先に何を見たか~

前記事「HARD&SOFT全曲解説1「阿婆擦戦隊ビッチマン」~ニッチマン:音楽としてのBITCHMAN~」の続きとなります。

<令和に産み落とされてしまった日本一下品な”H-ERO"ソング!>
※※この曲は制作期間が長く、書きたいことが溜まってしまってます。前編後編に分けても尚長文になりますが、ご了承ください。暴走(ヤリスギ)も覚悟の上です。


ビッチマンお披露目

サブタイトルは単なるフィーリングに非ず。「B*TCHMANの先に何を見たか」と銘打ったからには、完成してから思ってしまったこと、広がってしまった世界を綴っていく所存です。

さてこの「阿婆擦戦隊ビッチマン」は、本当なら初のGW開催となるはずだったコミックマーケット98を目指して作ってきたこともあり、2番・間奏などを含めたフルサイズは他の曲よりだいぶ前にできていました。結局コミケはシー・ヴィー(注:「XUIMAXEN.」「#退散希望」でも触れます)感染拡大の観点から中止になり、仕方のないこととはいえ”ビッチマン”発表のタイミングを失い、間誤付いてきました。

※その後ショート(89秒)バージョンの発表は4月2日に決行

上のツイート群は、前日にあたる1日(=エイプリルフール)に「阿婆擦戦隊ビッチマン」という嘘みたいなタイトルを”リーク”して引き付けて、翌日「本当に作ってた」というオチを決めるという小芝居です。敢えて下ネタソングである以上、何らかのインパクトが与えられなきゃ終わりなので、仲間内での反響が上々で良かったです。

のちに89秒は「阿婆擦戦隊ビッチマン(早撃ち★TVサイズ)」として収録するのでした。

早…撃ち???TV?????

劇薬を塗った諸刃の剣

下ネタと言えばぶっちゃけ話を一つ。先日、YouTubeに上げていた歌詞付きのティーザー動画について年齢制限をかけることを勧告されました。そもそもキッズ向けコンテンツじゃないのは承知の上だったので、”削除要請じゃなくてよかった、やむなし!!”という心持ちです。YouTubeからは以上です。

そもそも下ネタとは、トークの上手・下手が露骨に出る言葉だと思います。和ませる下ネタ、唸らせる下ネタ、昂らせる下ネタ…あるいはダダ滑る下ネタ、不用意な下ネタ、愛のない下ネタ。「~前編~」でも例えたように、下ネタはまさに”劇薬”。その心は、ある時は薬に、またある時は毒にもなります。まとめて香辛料に例えてもいいかもしれません。信頼性・距離感・シチュエーション・強さのどれにおいても軽んじてはならず、用法・用量を守って使えるかどうかがデリケートに求められるものです。素敵に下ネタを操れる大人になりたいものです。

もしかして エッチな!?

ヒーローとは何か

(1番)
Yes, you are ヒーロー
だけど本当はBITCH(アバズレ)
(2番)
Yes, you are ビッチボーイズ
だけど本当のH-ERO

HERO(ヒーロー)とは、H(エッチ)とERO(エロ)の合成語である。


…仕切り直し。


ビッチマンは戦隊ヒーロー(という設定)です。
では…

彼らは誰かを助けているのか?

誰かの役に立っているのか?

誰かに笑顔をもたらしているのか?

誰かの羨望を浴びているのか?

誰かの欲を満たしているのか?

誰かの心の支えになっているのか?



彼らは何のために生きているのか?

彼らの正義とは何なのか?


私は「ビッチマン」と邂逅して、本当に彼らは正義の名の下にミッションを遂行するのか?と疑問を抱きました。

綺麗事だけがヒーローの全てではありません。

極端な言い方になりますが、人間でもスーツアクターでも怪人でもモンスターでも、自らが悪と認めさえすればその存在をド派手に抹殺することを是とするのでしょうか?正義をもって悪を糾弾する者こそが、時にもっとも残酷な存在に見えることもあります。

そもそも一口に”ヒーロー”と言っても、世の中には「正義の味方」「ダークヒーロー」「アンチヒーロー」など、実に様々な思想を持ったヒーローがいます。「”正義”の反対は”悪”ではなく”別の正義”」という言葉にも表れています。言い換えれば、きっとみんな違った信条を胸に秘めて今日も世界を飛び回っているはずです。

善と悪を選り分けてしまえば、そこに対立が生まれるのは歴史を見れば明らかです。

誰が悪であるか?誰が善であるか?
この世に無かったその”構図”をひとたび誰かが声高く叫んでしまえば、待ち受けているのは永い永い闘争

国と国。

宗教と宗教。

企業と団体。

チョコレート菓子とチョコレート菓子。

即席めんと即席めん。

どちらが全滅するのが先か、
どちらが降伏するのが先かの消耗戦。
それだけなのです。


なんか気分変わったのでモード切り替えます。


さて、1番にはこんな一節があります。

ヒーローたるものよ 全部の愛に応え
夢と悦楽(よろこび) 届けてくれ

タイプも違うし、性癖も違うビッチマンたちの追求する「愛」の形は、1つに収まるものではありません。さらに踏み込んで言えば、マジョリティ/マイノリティという二択に言いくるめるべきでは最早ありません。三者三様ならぬ五者五様の信条は、ぶつかり合い絡み合う事なくしてたった一つの結末に辿り着くことはできないでしょう。

だとしても彼らにそれができるのは、きっと「一人でも多くの人が、そして自分たち一人一人が、それぞれの信じる愛を真っ当に信じられるような世界を願う」…そういう最大公約数的折り合いが付いているからだと考えています。その折り合いに名前があったとすれば、やはりそれを彼らの「愛」と呼ぶのでしょう。


「ビッチマン」はどこでも放送されていません

ところで「実在しないアニメ」を軸に音楽を作る試みは、実はとっくに世に放たれています。

藤井隆主宰のレーベル「SLENDERIE RECORD」(吉本の傘下)からリリースされた椿鬼奴のミニアルバム「IVKI」。大部分の作編曲を担当した堂島孝平が、アニメ主題歌風の「運命のリビルド」を作ったのを嚆矢として誕生した”架空のアニメ”「超空のギンガイアン」があります。元々椿鬼奴自身マンガやアニメに明るく、最近ではメガヒット作「鬼滅の刃」の連載当初からのファンとしてメディア各所に取り上げられ「鬼滅」愛を語るほどです。

椿鬼奴が歌った曲はそれぞれ、”ギンガイアン”の1期オープニング・エンディング・2期オープニング・挿入歌・劇場版主題歌という”設定”が与えられています。ところが、このプロジェクトは単なる国産アニメ”あるある”では終わりません。声優の林原めぐみやアニメーターのすしおなど「ホームグラウンドの方々」が参加しており、アルバムPRサイトにはアルバムの宣伝なのに完全オリジナルのキャラクター・キービジュアル、そして向清太朗(天津)によるストーリーまでもがバッチリ掲載されています(!)。

これもある種のメディアミックス展開といえるのでしょうが、そこには大御所の林原めぐみをして「ギンガイアンのアニメが見たい」と言わしめるほどの本気度と熱量とインスピレーションが溢れていました。


規模感は天と地ほどに違いますが、「阿婆擦戦隊ビッチマン」がやれたのは、「やりたいからやるんだ」という情熱に感化されたというのは確かに理由の一つです。そして実在しないと分かっていても、作っている最中にいろいろ想像が膨らんでしまうんです…。下世話なネタを取り扱うアニメ作品は「クレヨンしんちゃん」から「よんでますよ、アザゼルさん。」「おそ松さん」「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」(全部履修済み)他色々と世に出ているし、海外に行けば大本命「サウスパーク」「Peepoodo & the Super Fuck Friends」(一部履修🔰)なんてのもある世の中です。

ハイ。ここを逃せばきっと世には出ないので、生まれ出てしまったトピックや設定を思わせぶり・これ見よがしに書き残していこうと思います。もちろんここに書けないような文言は除去・自主検閲済です。





補遺(察査) -美痴漫備忘碌-

<アニメ情報公開>
・ネットが荒れる。
・「ビッチマン」Twitterトレンド入り。

<アニメ第1話>
・ビッチマン誕生/OPはなく、EDにこの曲が流れる。
・やっぱりネットが荒れる。

<アニメ第2話>
・ビッチマンの基地判明/=東京・池袋の×ープランド地下3F
・5人の名前の由来が明らかに/●●ビッチで揃えようと会議@基地で決まって、先に思いついた者勝ちで自ら命名する。知的なショスタコービッチが一番最初。
※なお、今後ほぼ毎話が会議のシーンでスタートすることになる。シリアス回でもない限りはまあまあユルい会議。議論の内容の一部が後のシーンに効いてくる方式。

<アニメ第4話>
・リトルビッチの愛犬登場/名前はスパンカー
※2話の地点で既にオープニング映像に登場済(ラスト、5人に一人ずつ金的するのがスパンカー)

*スパンカー メモ*

性別:♂
年齢:2歳
体高:69cm
ご主人様:リトルビッチ
体色:オレンジ色
犬種:雑種(ニューファン?)
好きな食べ物:ソーセージ・ウインナー・チョリソー・フランクフルト
嫌いな食べ物:マグロ
特技:前足でのスパンキング、発達した後ろ足での金的
好きな人:ワサビッチ・アシテビッチ(後述)
嫌いな人:ストイコビッチ
やめられないクセ:リトルビッチの××××を邪魔すること/
          アシテビッチ(後述)に腰を振ること(愛情表現)

・愛されキャラ冥利/スパンカーは、特段他人に角を立てないワサビッチに一番最初になついた。ワサビッチがそのたくましい抱き心地に感動を覚える。
・因縁の萌芽/一方、出会って間もなく”獣臭い”などの言葉で罵ったストイコビッチにスパンカーブチギレ。以降ストイコビッチは不俱戴天の敵とみなされ、度々痛い目に遭わされる。
・ネットが荒れる。

<アニメ第11話>
・ビッチマンたちの性癖暴露合戦勃発/→泥沼化。
・ネットが荒れる。
・”オンリーイベント”が都内で立ち上がる。

*言及された内容*

ストイコビッチ:奥手のヴァージン。メガネ着用なら尚良し。
ショスタコービッチ:スポーティーな年下の子(かつ包×であることが理想)。
リトルビッチ:ヒトも好きだけど動物も好き。
ワサビッチ:ガチムチ~ガチデブ。
下谷ビッチョリーヌ:異性装に夢中な人。

<アニメ第18話>
・遠征/第17話で出発し、遠征先からエピソードが始まるため、放送以来初めて基地以外で会議を行う。
・夏祭り/遠征の最後、メンバーが地元の夏祭りに繰り出す。下谷ビッチョリーヌが地元の人に女性と間違えられるエピソードが挿し込まれる。

<アニメ第23話>
・新メンバー加入/紫色した巨漢の敵キャラ「ピッグヘッドC」が改心し、ビッチマンに入りたいと申し出る。他メンバーは難色を示したものの、ワサビッチが見せた温情に全員が折れた。「ピッグヘッド」=頭部がまんま豚。

<アニメ第24話>
・「ピッグヘッド」改め…/会議の場にイスが一つ増え、正式に迎え入れられながら、ぎこちない笑顔の「ピッグヘッドC」。慣習に基づいて自ら「アシテビッチ」と命名した。
※これに伴い「ピッグヘッド」の役名クレジットが「アシテビッチ」に変更。
・「アシテビッチ」誕生/ヒーローに生まれ変わる葛藤を超えたアシテビッチが、かつて味方だった敵幹部「イヴリン・オブ・スローターハウス」を豪快に葬る。メンバーに(過剰な)スキンシップをもって祝福されたとき、やっと心の底から笑顔がこぼれた。
※スローターハウス(Slaughterhouse)=屠畜場
・アシテビッチの秘密/葛藤の原因は、アシテビッチが「イヴリンさん」に好意を抱いていたことだった。決戦前夜、ラミネート(防水)加工済のブロマイドを大事そうに持っていたのがショスタコービッチにバレたが、それに文句を言うことはしなかった。代わりに「肉弾戦に持ち込んで、これからはそのブロマイドと肢体の感触とで致せばいい」と諭したらしい…?
・新曲/挿入歌「ビッチマン・愛のテーマ」が初めて流れる。

<アニメ第25話>
・OPテーマの映像・音源変更/歌が2番になり、ラストでスパンカーに金的されるのがアシテビッチ含め6人に増える。
・嫁認定/スパンカーがアシテビッチに懐く(ピッグヘッド=頭部がまんま豚だから)。

<アニメ第28話>
・謎の発言/ストイコビッチのセリフ「オォ、フ×ック!?コレフ×ックジャナイYO!?」がネットでバズる。のちにストイコビッチ役の声優・長崎兼仁自らアドリブだったことをSNSで明かした。

<アニメ第31話>
・既に不穏/会議のシーンなし
・不穏の理由/メンバー6人のヒューマンエラーが偶然重なって基地破壊。総出で立て直すだけのギャグ回。池袋のソー×ランドの人が助けてくれる。

<アニメ第41話>
・重要なシーンが有名アニメのパロディ(多数)。数日後一部規制が入ったために差し替えされたのだが、規制されたネタが「ブラックリスト入り」、規制されなかったネタが「ホワイトリスト入り」と呼ばれるようになる。
・ネットが荒れる。

<アニメ第45話>
・謎の発言2/ストイコビッチとアシテビッチのやりとり「しゃべるならしゃぶるな、しゃぶるならしゃべるな××豚野郎」「乗るなら飲むなみたいに言うんじゃねーわメガネザル」がネットでバズる。「○○みたいに言うんじゃねーわメガネザル」の形で大喜利が自然発生した。またも長崎のアドリブを疑った人が多かったが、監督の思い付きだったことが雑誌のインタビューで明らかになった。

<アニメ第46話>
・最終回/サブタイトルは「阿婆擦戦隊ビッチマン」。
・ネットが荒れる。



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