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「存在価値はなくとも存在してた…」由宇の妖精・白濱裕太が在籍19年、出場90試合のカープ人生で得たものとは?
広島捕手で19年の在籍は2020年までプレーした石原と並び、球団最長だ。ただ、通算1620試合に出場するなど球団史に残る名捕手の前者とは対照的に、白濱は通算でも90試合にしか出場していない。先発はわずか55試合。2015年以降の8年間ではわずか3試合にとどまる。二軍でも、2020年以降の3年で計61試合出場と限られた。
「在籍年数が長いのに試合出場数が少ない」というのは負の記録じゃないと僕は思う。
キャッチャーというポジションの特異性ゆえに、他のポジションと比べて戦力外が言い渡されるタイミングが遅めというのを加味したとしても。
19年間、カープのユニフォームを着てプレーしたということは、それだけ、チームが必要としていた何よりもの証拠なのだから。
目に見える試合出場数以外の部分、いわば「無形の力」を持ったプレイヤーだと評価していた。でなければ、もっと早くクビを切られていたはず。
そういう意味で、メディアはもっと好意的な声を載せてあげても良いと思うし、何より白濱本人は、誇りに思っても良いと思う。
「プロ野球選手として一軍でやってナンボという考えは変わらないと思います。だけど、僕みたいな存在がいるということをファンの人や記事を見た人に知ってもらえたら、存在して良かったなと、辞めてからは思っています。存在価値はないかもしれないですけど、存在していたというね」
▶ 存在価値はないかもしれないですけど、存在していたというね
記事のタイトルでも取り上げられているが、何度も反芻して咀嚼たくなる独特な表現だなと、僕も読んでて感じた。
先ほど「在籍年数の割に少ない試合出場数をもっと誇って良い」と書いたのだけど、白濱自身は、そこに「あぐらをかく」マネをしなかった、ということなのかな。
そんな人柄を持ち合わせているからこそ、色んな人に請われ、慕われ、長年、チームの一員としてプレー出来たのもあるんだろうね。
だけど、それも踏まえて書かせてもらうけれど、存在価値があったからこそ、在籍することが出来た。これは事実だと僕は思うの。
それを自ら言わないところに趣きがあるというのかね。僕のような第三者の人から称賛されるからこそ価値があるのかな、とも思うし。
捕手としての矜持を胸に過ごしてきた。捕球にブロック、送球と、捕手としてチームでもトップクラスの技術は誰もが認めていた。
カープファンとしては「捕手にアクシデントが発生したとしても、いざという時には、白濱が控えてくれているから大丈夫だ」という思いが強くあった。
そういう意味では、白濱が居なくなった今、一抹の不安が生じるのは、やっぱりある。
「カープは有望なキャッチャーが沢山居るから気にすることはない」なんて声が出るかもしれないけれど、それとはまた別の感情なんだ。白濱の喪失感というのは。
確かに、他球団のファンからしたら羨むレベルで、キャッチャーの人材は豊富なのかもしれない。
実際,僕自身、スタメンの枠が1枠しかないと考えた時に、どうしても定員オーバーになると頭を悩まされたことだってある。
だけどね。1枠をつかめなかった選手が、必ずしも、「隙あらば行くぞ!」と思いながら、いつ呼ばれても良いような準備をしているかと言えば、どうなんだろう、とも思うわけで。
実際にどうなのかは、チームの内情を知らない僕には分かるはずもない。
だけどそれでも。白濱だったら「有事に備えて準備してくれていることだろう」っていう、何物にも代え難い安心感。これはチーム1だったと思う。少なくともファン目線は。
ゆえに、白濱が退団して以降、1軍のキャッチャー陣に「もしも」のことがあった時にどうなるのか。ソコの不安は付き纏うんじゃないかって、僕なんかは思っちゃう。
無論、そんな心配は杞憂でした〜って言わせてもらえるのが一番良い。
なので、僕としては、スタメンマスクが誰になるのかも注視していきたいが、二番手以降、二軍戦のスタメンマスクに関しても、同様に熱視線を送っていきたいところだ。