【宅飲み】メシ編:くら寿司・ロールケーキ
昨日は「テレビ編」を書いた。
我が家はお店で食べるよりもお持ち帰りして食べるスタイル。なぜならご飯を食べながらテレビを楽しみたいから。あとお酒も飲みたくなるから。お店で飲むとなると運転手の人は飲めなくなってしまう。というか高い。むしろそれが一番の理由。なんだかんだ言って、宅飲みが一番安上がりなのだ。それはコロナ禍でリモート飲み会が活発化されたことで多くの一般市民が知ることとなった。
無論、普通に考えれば、お店で飲み食いするよりも、お家で飲み食いするした方が安くつくことは、誰にだって分かることだ。けれども「頭で分かっていること」ことと「実際に試して分かったこと」は、同じ「分かる」でも雲泥の差があると僕は思っている。
片や「まぁ安くつくやろなぁ~」。片や「えっ、こんな安なるん!?」。お分かりいただけるだろうか。前者は感情がほとんど揺れ動いていない。後者は感情が激しく揺さぶられている。人間の記憶は感情と密接に関わっている。聞いたことがある。『君の名は』は、映画を視聴した際の感情の揺れ動きを調べて、人間の記憶に色濃く残るための仕掛けが至る所に張り巡らされているらしい。それが大ヒットを呼んだ一要因であると。
以上のことから「コストパフォーマンス」と「娯楽物(テレビ)」を重視して、我が家では、店内飲食ではなく、テイクアウトを採用しているのである。
先ほど「コストパフォーマンス」と「娯楽物(テレビ)」について言及したが、まだあった。居心地の良さ。やっぱり、家でご飯を食べるのが一番落ち着く。みんながリビングに集まって同じご飯を食べる。取るに足らない話で盛り上がったりする。これぞ家族団欒。店内飲食だとそうは行かない。他の客さんの声が耳に入って来ることもある。
特に、くら寿司の場合、ファミリー層のお客さんをターゲットに定めている(と勝手に思っている)こともあり、子どもの賑やかな声が響き渡っていたり、あるいは、 テーブルの横の通路を駆け抜けていることすらある。あとたまに、近くのテーブルに座っている子どもと目が合って、見つめられて、「(えっ、どうしたらいいの・・・)」となることもある。それが女の子だとちょっとドキッとすることもある。小学生ぐらいの女児にドキドキしている三十路の自分。滑稽以外の何物でも無い。というか、逮捕されるかもしれない。何の罪に当たるのかはよくわからないけれども、とりあえず、逮捕されるかもしれない。近くに警察官が居たら。
ともかく、僕は、店内が沢山のお客さんで賑わっている場所が苦手なのだ。特に、家族とのご飯ならなおさらだ。ゆっくり食べたい。ゆっくり飲みたい。ゆっくり話したい。マイペースにノンビリ過ごしたい欲求が強い自分にとっては、土曜日の晩御飯どきの時間に、くら寿司で店内飲食は、もう、有り得ない。「ビッくらポン!」に後ろ髪を引かれることすらないレベルで、無い。「(今ってどんな景品なんだろう・・・)」と調べたくなる気持ちすら湧いて来ない。つまるところ、相当、有り得ないのだ。考慮はおろか選択肢にすら入って来ないということだ。
やっぱり、お寿司には日本酒でしょう。間違いない。地味にカロリーを気にしている僕としては、ビールや日本酒の類いは、極力手を出さないように努めているのだけれども、お寿司の魔力には、勝てない。逆に言えば、お寿司だけは、許す。負けちゃう。その代わり、他では負けない。メニューを見て、「(日本酒と合いそう・・・)」と思ったとしても、芋焼酎のお湯割りで凌ぐ。日本酒の熱燗を飲んでいると思い込みながら芋焼酎のお湯割りを飲む。そうすると、次第に慣れてくる。そんなものだ。酒飲みの味覚は、大概、いいかげんなものだ。極論、酔えればいいまである。1杯目の1口目さえ乗り切ってしまえば、あとはもう、どうとでもなる。
そんなわけで、久々の日本酒、おそらく、正月シーズンの年始に飲んで以来の日本酒だったと思うのだけど、やっぱり、美味しかった。グビグビいけちゃう。ミニグラスで飲んでいるにもかかわらず、おちょこ感覚で飲んでしまいそうになる。「グビッ! →(おかわり)→ グビッ! →(おかわり)→ グビッ!」と行きかけたので、さすがに自重した。こういうのを「駆け付け3杯」というのかしら。良く知らない。乾杯のビールを「俺のとこは3つちょうだい!」と言えば「駆け付け3杯」になるのかしら。良く知らない。けれども、「生2つね!」と言う人は知っている。最初の1杯目は、ほとんどイッキ飲みで飲み切ってしまうから、一気に2つ頼んでしまった方が都合が良いのだとか。ならば彼は「駆け付け2杯」になるな。良い子のみんな、くれぐれもマネしないように。マネしたら僕のような大人になっちゃうぞ。
終盤戦ぐらいのタイミングで日本酒がカラになったので、ラストドリンクとしてビールでシメることに。割とそういう人いるよね。店員さんがラストオーダー取りに来た時にビールを頼む人。アルコール度数も低めだし、かといって、チューハイみたいに甘ったるくもないし、ということで、キリッとシメられるのかもしれない。知らんけど。でも、僕もそうすることはある。最後は飲み慣れた味で終わりたいって欲求もある気がする。あと、だいぶ酔ってて、何のメニューがあったかよくわかんなくて、とりあえず「生」と声を出している感も否めない。「生」って、音にすると2文字だし。一番言いやすいドリンクメニューでしょ。知らんけど。まぁ、諸々の理由が合わさって、ラストオーダーとして支持されやすいことは、概ね合っていると思われる。
なぜエビスビールなのかというと、これは、年末の時期に、お歳暮としていただいたからだ。過去にも書いたかもしれないが、我が家は、誰も、エビス派が居ない。全然減らない。僕はキリン派。父はアサヒ派。主にこの二人がビール党として家族内で名を馳せているのだが、いつも飲んでいる銘柄は順調に減って行く一方で、エビスだけ、いつまでも定位置に鎮座している。それこそ守り神のように。七福神の恵比寿様を奉るかの如く。
しかし、悲しいかな、エビスビールをありがたがって飲んでいないのではなく、単純に、エビスに手が伸びないから飲んでいないのだ。お歳暮を贈ってくれた方には大変申し訳ないのだが、事実として、我が家は、喜んでいない。むしろ、美味しく飲んでくれそうな人をピックアップして、お歳暮のおすそ分けを画策する始末である。特に父は顕著だ。エビスビールを試飲してみて、開口一番、「う~~~ん、、マズい。」と言った。関係者の皆様、申し訳ない。一個人の感想に過ぎないので、悪しからず。僕の父は嘘が付けない人間なのだ。そして、僕もまた、そのDNAをしっかりと受け継いでいるフシがある。言いたくなってしまうのだ。ありのままに。「正直」と「馬鹿正直」の丁度良い目印を教えて欲しい。
ティータイム。優しい。それ以外に言葉が出て来ない。なんか、100円皿に出て来そうなクオリティにも見えて来た。回転寿司のレーンに流れていそうじゃん。この皿のまま。「おっ、ロールケーキが来た。ちょっとつまもうかな」なんて言って、手が伸びそうじゃないか。店内飲食はそれが可能だから面白い。全自動バイキングみたいなものだ。向こうの方から来てくれるのだから。ただ、バイキングと違うのは、食べ放題ではないということ。つまり、人間の視覚に訴えかけて、巧妙に食欲を刺激させて、客単価をUPさせるための手段として、回転寿司レーンは存在しているのである。
そう考えると、「(お前たちの策略にまんまと乗せられてたまるか・・・!)」と抗いたくもなる。だがしかし、人間の三大欲求のパワーは、一過性の反抗では太刀打ち出来ないぐらいに、凄まじい。敢え無く、ロールケーキに手を伸ばす。なんなら、カフェメニューも開いて、紅茶も頼んじゃったりする。完敗だ。完全に、くら寿司の手のひらの上で転がされている。
そう考えると、マクドナルドの「ご一緒にポテトもいかがですか?」と問い掛けて来る常套句も良く考えられている。注文前は、「(今日はセットメニューじゃなくて、単品で注文して、安く済ませるぞ・・・)」と思っていたのに、例のアレ(ご一緒に~)を言われると、ついつい、マックのポテトが食べたくなってしまう。それがもし、可愛い女の子だった時には・・・。
・・・ダメだ。やっぱり、勝てない。「あっ、じゃあやっぱ、セットにします。コーヒー、ホット(アイス)で」と、言ってる自分が居る。ほとんど無意識に口から発せられているのだから怖い。可愛い女の子店員が営業スマイルを浮かべていると、なんか、これで良かったんだ、と思えて来る。尚更怖い。スマイル0円。セットメニューはNOT0円。マクドナルドにも手のひらの上で転がされていることが判明してしまった。良く出来たシステムだよ、まったく。ホールに女の子を配置するお店の心理が窺い知れた。同僚とケーススタディなうに使っていいよ(彼女とデートなうに使っていいよ風に)