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【2591字】2024.07.18(木)|<論考>なぜ僕は関西人っぽくないのか(一)

僕は関西生まれ関西育ちの生粋の関西人だ。にもかかわらず、両手で数えられるか否かぐらいには「関西人っぽくないよね(笑)」と言われる。

この言葉を言われるたびに二つのことを考える。一つ目。なぜ僕は関西人っぽくないのか。二つ目。「関西人っぽい」とは、いったい、どのような人を指すのか。

一つ目の答えは明白である。

僕は、生粋の関西人でありながら、関西弁が強いタイプではない。いや、関西弁を全く話さない、というわけではないのだが、他の関西人と比べると、圧倒的に、関西弁を発する頻度は少ない、と言える。細かなイントネーション等は、おそらく、無意識的に、関西弁チックな感じに発音しているのであろうが、僕自身、「なんでなんやろう?」と思うぐらい、標準語チックというのか、会話の語尾に、「~なんじゃない?」という表現を多用する傾向がある。それは疑いようのない事実なのだ。

では、なぜ、僕は「~なんちゃう?」よりも「~なんじゃない?」を用いるのか。この答えも、日頃から考えて来た事柄なので、明白だ。端的に言えば「関西弁は怖いと感じるから」である。

この点は、関東人の方に、特に知っていただきたいトピックスなのだが、関西生まれ関西育ちの関西人だからといって、全員が、関西弁を、流暢に扱えるわけでもなければ、全員が、関西弁に、恐怖の念を感じないわけではない。割合としては少数派であろうが、僕のように、生粋の関西人であったとしても、どこかしら、標準語チックの方は、一定数存在する。

なので、どうか、「関西弁=怖そう」から「関西人=怖そう」と、拡大解釈して、関西人そのものを、恐怖の対象として扱うことだけは、やめていただけないだろうか。

生まれた場所とか瞳の色や言葉だけで
僕の何が解るっていうの?

UVERworld『=』|一部引用

どうやらこの楽曲は「2006年8月3日」に発表されたらしいのだが、僕は、発表された当初から、この曲を、好んで聴いて来た。UVERworldの中ではマイナー曲に分類されるかと思われるが、当時から、もっと多くの人に評価されて良い曲だ、と思ってきた。

「2006年当時」といえば、僕が12歳の頃なので、そう考えれば、なかなかのキャリアを誇っている。我ながらちょっと驚く。それもやはり、僕自身、「生まれた場所」や「言葉(≒方言)」で、レッテルを貼られることに対して、違和感を覚えていたからに他ならないだろう。


思い返せば、物心が付く前から、「関西人やったら阪神タイガースを応援せなあかんでえ!」と、英才教育を受けて来たような人生だった。

この辺りの話は、いかんせん、原体験として、自分の記憶には残っておらず、両親や親戚連中から、色んな昔話を聞かされて、知り得た内容になるので、人に伝わる形で説明するのが難しいのだけれども、とにかく僕は、この地に生を宿した瞬間、既成事実の如く、タイガースファンがまた一人誕生した、と見なされていたのは、どうやら確からしい。

その未来をぶち壊すキッカケになったのは、奇しくも、英才教育の一環として行われたのであろう、阪神甲子園球場への現地観戦であった。これは原体験として記憶に残っているので、僕の言葉で、綴らせてもらうとしよう。

おそらく、初めて、プロ野球を生で見たのが、この日だったかと思われる。年齢のほどは分からないが、子ども用のユニフォームというのか、ハッピというのか、なんか、そういう服を着て、観戦しに行ったということは記憶している。小学生未満か、入りたてか・・・。多分、それぐらいの頃だろう。

現地観戦は初めてだったが、それまで、テレビ中継で、沢山、阪神タイガースの試合は観て来ていたはずだ。なぜなら父親が毎日試合を観ているに決まっているのだから。ここまでは英才教育が順調に行なわれていたとお見受けする。

だが、僕は、現地に足を運ぶことで、様々なリアルを目の当たりにすることになる・・・。

まず、もう、音がデカい。ウソやんっていうぐらいデカい。もしかしたら、僕の聴覚が、異常に発達し過ぎて、他の人よりも聞こえすぎるのかもしれない、と思うレベルで、デカい。何から何までデカい。言葉を選ばずに言えばうるさい。やかましい。「〇〇がうるさい」とかじゃない。とにかくすべてがうるさい。よくこんなところで野球観戦を楽しめるなと感心するレベルでうるさい。居心地が悪い。やだ。早く帰りたい。そもそも僕はインドア派なのだ。(この頃はそういう自覚は無かったであろうが…。)

「人間には環境適応能力が備わっている」とはよくいったもので、当時、まだ幼かった僕にも、うるさくてうるさくて仕方のなかった環境に、徐々に慣れて来た・・・のだが、次に気になったのは、「音そのもの」ではなく、いわゆる「ヤジ」である。

ちょっと僕の父とは比べ物にならないレベルの怒号を吐いていた。これは聞いちゃいけない言葉だと本能的に感じた。記憶は定かではないので、誇張表現になる恐れがあるのだが、目と耳を塞いでいた可能性すらある。当時の記憶を取り出そうとするとそんな絵が思い浮かぶ。僕は周りの様々な刺激に敏感なタチで、よく、部屋の隅っこで、じっと、うずくまっていることがあった。この時も、可能な限り身体を丸めて、「何も見えない・・・何も聞こえない・・・」と、身体全身で表現していたのではないかしら。

つづく


【P.S.】

今日一日を振り返って、「特に書きたいテーマが思いつかないなぁ…。」という時は、無理矢理捻り出して、変な文章を書き綴るよりも、“書きたい気持ちはあるけどちょっとボリューミーなんだよね”っていう、言わば、続き物になるのが目に見えているテーマを、少しずつ書き綴ってみようかなぁ、と思い立った。どうでしょう?

これってマガジン分けた方が良いのかなー。でもソレをやっちゃうと個数の限界(21個までしか作れないらしい)に達しそうだしなー。と思っています。ひとまず様子見で、「ぶつくさ日記」に入れとこうかなと。「今日あったこと」ではないけど「今日思ったこと」ではあるしね。


【追記】

テーマごとにマガジンを作成するのではなく「論考ノート」のマガジンを作成して、各種テーマを入れていくことにしました。「ぶつくさ日記」との二枚看板で行きます。左右のダブルエースみたいな。・・・いや、そんなに出番は巡って来ないか。「谷間の先発」の方が近そう。

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