【ソフトバンク】又吉克樹が胸に秘める竜の鉄腕・岩瀬氏の教え「野球人生において大きな言葉」
深い言葉。
又吉自身は、もっと上手くなりたい、今の成績で満足していられないという気持ちから、新しいことにも果敢にチャレンジする貪欲さを持ったプレイヤーなのだろう。
だけどその一方で、歴代最多の登板数(1002登板)を誇る岩瀬さんの目から見たら「心がブレている」と感じるところがあった。
新しいことを取り入れるのは良いことと断った上での金言。僕の解釈としては「自分の好不調を問わず原点に立ち返られる場所はしっかり持っていなさい」というメッセージなんじゃないかと感じた。
「変える部分」と「変えない部分」の線引き。口で言うのは簡単だけど、どこに線を引くのか。野球界に限らず、人生における永遠のテーマだと僕は思う。
特に現代野球はデータ化・数値化の波が大きく、現役選手も「情報の取捨選択が難しい」と本音を吐露している選手も見受けられる。
それもあってか、OB選手の目から見ると「数字に踊らされているのではないか」「野球選手としての至上命題を忘れているのではないか」と感じる場面も多いと聞く。
バッターはピッチャーの球を打つ。
ピッチャーはバッターを抑える。
野球選手に求められることを究極に単純化すればそれだけのはずなのに、打球角度がどうだとか、ボールの回転数がどうだとか、そういう話が強まり過ぎている・・・。
正直、1野球ファンである僕自身、見慣れない指標やデータがわんさか出てきて、付いていけていない。そんな思いは、各々、少なからず持っているかもしれない。
▶10年以上同じことをやる
超一流の結果を出した方々の共通点を一つ挙げるとするならば「同じことを長期間続けられる継続力」だと僕は思う。
情報化社会と呼ばれる現代において、同じことを何年間も続けるのって、凄く難しい。
数年も経てば、もっと言うと1年も経てば、聞いたことのない方法論やノウハウが出て来る。新しく登場するとどうしても目移りしてしまう。
でも、岩瀬さんがおっしゃったように、それ自体は悪いことではない。原理原則として、時代は常に進化し続けている。新しいものは古いものよりも優れているから生み出され、流通している。それは疑いようのない事実。
だけど、色んなものに目を奪われた結果、どれもこれも中途半端になってしまっては本末転倒。
時代の変化に応じて、絶えず新しいものを受容しながらも、「コレだ!」と決めたものは、自分のモノに出来るまで愚直に続けていく・・・。
“柔軟性 ✕ 頑固さ”
言うは易く行うは難し。相反するものを両面持ち合わせている人って、なかなか居ない。けれど。それが出来る人物だと見込んだからこそ、岩瀬さんは又吉にアドバイスを送ったのだと思う。
良いキッカケだと思い、自分自身に置き換えて考えてみた。今の僕も、色んなものを貪欲に取り入れようという思いが先行して、一つのことを淡々と続けるのが不十分なんじゃないかとも思えてきた。
「迷い・葛藤」が生まれるのは、決して楽しいものじゃない。だけど。その先に一筋の光が見えるのだと信じて。「達観」に繋がる一つの過程なんだと信じて。好意的に受け入れたい。