2024年4月17日(水)|“宿敵”と“天敵”と“かねて”
(天敵・・・?)
引っ掛かったので、辞書を引いてみることに。
寄生者や捕食者・・・。
いや、まあ確かに、阪神-巨人戦を「天王山」と形容することに違和感を覚える野球ファンも居るのは分かる。事実、生まれも育ちも関西、生粋の阪神ファンの父親ですらも、自虐をこめながら「巨人からライバル扱いされるほど阪神は強くない」と言っていたりもする。ちなみに、「弱くて『なにやってんねん!』とヤジを飛ばすのが生き甲斐の一つなんや」とも付け加えているが。そのくせ、昨年日本一になった時は、それはそれは、恵比寿顔だったものだが。良い気なものである。そんな父親が僕は好きだ。僕も僕で良い気なものだ。「蛙の子は蛙」といったところか。
それはともかく、この文脈で「天敵」の語彙をあてるのは、ちょっと違うような気がする。これではまるで、阪神が巨人を大の苦手にしているような意味合いになってしまう。まあ確かに、通算成績を出すと、阪神よりも巨人の方が大きく勝ち越している気がしないでもないが、メディアは、そういう取り上げ方をしていない。だったら「天王山」なんて言い方はしないはずだ。
(宿敵の間違いじゃね・・・?)
再度、辞書を引いてみた。
おー。シンプルイズベスト。シンプル過ぎて逆にピンと来ないパターン。うーん、ライバルとニアリーイコールと思って良いのかしら。まぁでも、天敵よりかは、宿敵の方が、上記に挙げた記事の文脈としては、適している気がする。
(それはともかく・・・)
(かねてから・・・?)
あーっと、また引っかかってしまった。
僕は「かねてから」「かねてより」という表現は重複にあたるため「かねて」と書くべきだ、という指導を受けた覚えがある。それ以降、(そもそも使う機会自体少ないが)「かねて」と書くようにしている。心の中で「から|より」と唱えながら。人間、一度、間違えて覚えてしまうと、どうしても、その癖が抜け切らないものだ。
(それなのにいったい・・・?)
これも調べざるを得ないか・・・。
うん。理屈は大体分かった。僕は日本語の専門家ではないから、とりあえず、どっちの使い方が適しているのか、さえ分かれば良い。僕のように、すぐに引っかかってしまう面倒臭いマンのセンサーに引っかからなければ、それで良いのだから。
なら、辞書に書かれている言葉が誤っているということで、これまで通り「かねて」を使っていけば良い・・・、と思ったら、おやおや?
おやおや・・・。
なるほど。「かねて」を採用しているのが新聞で、「かねてから|かねてより」を採用しているのが辞書と来たか。そういうパターンね・・・。
「かねて」を使用する理由としては、日本語の品詞の観点から考えると重複表現になる。う〜ん。これぞシンプルイズベスト。わかりやすい。腑に落ちる。
「かねてから|かねてより」を使用する理由としては、過去を辿れば平安時代の頃から、そういった表現が用いられているため、ロジック的には誤りなのかもしれないが、長年使われてきたことを考慮すれば、慣用表現的な観点で使用しても問題ない、といった感じか。ふむ、なるほど・・・。確かに一理ある。
じゃあ、どうすればいいんだってばよ・・・。
NARUTOエンド。
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