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占い師の自分語り④

毎日占い生活をエンジョイしていた私に不倫の依頼が舞い込むようになりました。
何でもこい、タブー以外ならなんでも占ったる!と占い界隈をろくすっぽ知らない私は当然快諾して占って行きました。

そして不倫を占っていく日々の中で徐々に違和感を覚えて行きました。
既婚の彼の気持ちを知りたい、自分は幸せになれるか知りたい、そう言って受けにくる方に出る答えはどれも「やめておけ、良いことないぞ」だったのです。
極々稀に「上手くいきそうかもしれないけどどうなるか分からん」みたいな結果も出ていたりはしたのですが、「大丈夫!!!はなまる!!!いけいけ!!!」みたいなのはほとんど出たことがなかったように思います。
当時は未熟も未熟、まだ芽吹いてもいない種のような状態だった私が、何も考えずにありのままを伝えると、「そうですよね…わかりました」としょんぼりしたような返信がきたし、それならばと「一見ダメそうだけど考えようによってはプラスになるよ」というような(今考えればアゲ鑑定だったのかもしれない、ごめんなさい)言い方をして伝えてみると、「ああ、やっぱり!わたしもそう思っていたんです!」とにこやかなお返事を頂いていました。

なるほど、この不倫という相談内容は人間臭さというか、人の弱さが浮き彫りになるな、と思いました。
そして占い師さんによっては不倫占いをお断りしている方もいらっしゃいます。
その方達の気持ちがほんのりなんとなくわかったような気がしました。
個人的な体感ですが、相談者の都合の良いように伝えてしまうと占い師がモヤモヤするし、占い師が思った事をきっぱり言うと相談者がモヤモヤして、なんだかお互いスッキリしない事が多いんですよね。
こういった相談も続いていくと、占い師の評判や評価にも関わってくるのもあるのではないでしょうか。
まあ、こればっかりは本当に、占いではまとめられない多くの問題が色んなところに隠されているの思うので、そうなってしまうのも仕方ないのかなとも思います。
不倫恋愛から発展して幸せを掴んだ占い師でないと相談者にとってとっても良い占いを提供するのは難しいのかもしれません。
おそらく不倫や復縁といった相談内容は占いにおいて一番求められがちな内容なのですが、その反面占い師の傾聴やカウンセリングなども含めたスキルを強く求められてるなぁと思いました。当時のワイの手には到底追えない案件だったんだろうなぁ…

そしてこうも思いました。
何故世間では不倫はあんなにも叩かれているのだろう?
結婚をしたこともなければ相手を既婚者と知った上で好きになったことなどない自分はスポンジのようなスカスカの脳みそで必死に毎日考えました。

病める時も健やかなる時も、どんな時でも誰もが遵守しなければいけないルールを侵しているから?
人に生まれれば誰もが大なり小なり持ち合わせる理性を捨てて、獣のようにお互いを求め合うのがみっともないから?
子育てに疲れた母親が、癒しと現実逃避のためにその関係に身を預けてしまうことが母親として失格だから?
遊び足りないまま家庭を持ってしまった父親が、守るべき家庭をおざなりにして遊び続けるのは不誠実だから?
芸能人が不倫をし、暇つぶしに過剰に叩く一般人の築き上げた世論がそうだったから?

どれもしっくりくるようで、しっくりこなかったです。
そしてそれは今でもそうで、情けないことに未だに不倫に関しては自分の中で明白になっていない事も少なくはないです。
けれど今では、不倫に関わらず、答えの出ない悩みに苦しんでいる相談者が占いに何を求めているのか、ある方からアドバイスを頂いたおかげで、そういった悩みに対する向き合い方は自分の中で少しずつ形取られてきている感覚があります(それは別記事にてお話ししようかと思っております)。

 しかし不倫から始まって再婚し、幸せな家庭を築かれている方もいらっしゃるのは事実。
そう考えれば不倫なんて、出会いのきっかけの一つかのかもしれませんが、しかし多くの人たちが不倫に悩んだり、悩まされたりして、幸せまでの道のりが見出せず、占い師に頼る方が多いのもまた事実です。

そんな中、まだまだ青二才のぴよぴよした自分がおこがましくもようやくたどり着いた結論というのが、数%の確率を信じて背中を押すか、あきらめるよう諭すか、の2択でした。
当時のわたしにはそうするしかなかったんですよね。白か黒の2択のみ。
占いという基本的にいろんな部分でグレーを扱う分野では中々好まれない占い方だったと思います。
個人的にはやっぱりそれだけではダメだったよなぁと今では痛感しています。

カードを展開し、大体出てくる司祭の逆位置を眺めながら「相手に気持ちはないよ、もっと自分を大切にしようよ」と伝え、一時は納得した相談者がその日の明け方に「リューザキさんにきっぱり言われてしまったけれど、彼に会ってきてしまいました。突き放されたような態度を取られてしまったんです、彼の気持ちを見てください!!」とDMしてくる事が度々重なり、当時はイライラとへろへろで日々がちょっとしんどかったです(でもこれはわたしが軽率に行動して招いた結果なので今となってはすごく反省しています)
それでも、占いをやるなら不倫占いも頑張らないと…と毎日カードを展開して行きました。
ただし、あまりにも短いスパンでDMを頂いたり、明らかに前回から状況が動き出していないと判断した場合はあえて次の占いまで期間を置かせていただいたりなどの対応を取らせていただきました。
何回展開しても似たような結果しか出ないし、わたしの伝え方や向き合い方が悪かったのが一番だったのでしょうが、その度にガッカリされるのは相談者なので…

今、占い活動をしていって、同じ内容は3ヶ月空けてからなら占えます、というルールを決めているのはそういった経験からだったりします。
そんな占いでお代をいただきたくないのです。 

不倫占いは相談者を簡単に依存させ、占い師は命を削り疲弊していく。
不倫を何故受け付けない占い師がいるのか、一番ではないかもしれないけれど、理由の一つにそういった問題があるからなのだろうな、と今では思っています。

そしてこれは不倫という行為自体にも言える事なのかもしれません。
基本的に不倫に溺れてしまう人は何に対してかは人それぞれですが、何かしらへの依存傾向があるように感じます。
依存という関係に待つのは破滅しかありません。
それは不倫に限らず、親子、夫婦、恋人、占い師と不倫恋愛者、など誰にも言える事。
向くべき方向を向けず、自力で抜け出すのは困難で、そして生産性がない。

「無料占いはやめなさい」、というプロの占い師さんがよく口にしているのを見かけるのには依存防止のためもあるのでしょう。
敷居が低い分、いつでも駆け込み寺的に気軽に占いを頼めてしまうので、相談者を簡単に依存させてしまうんですよね。
依存は誰のためにもならない。
占い師は自身の命とも言える貴重な時間を、お金にもならず、相手のためにもならない、生産性のない占いに割いてはいけないのではないでしょうか。 
なので、あくまでも無料占いという方法は、見習い占い師の成長のためにやる、くらいの認識の方が、占いを始めようとしている人はいいと思います。
わたし自身が無料の占いで手探りで出発したのでよくリスナーさんには無料占いをやってどんどん経験を積むことをおすすめしたりするのですが、
お得な無料占い!という、相談者へ向けたベクトルではなく、無料で占います修行中です協力してください!というあくまでも占い師に向けたベクトルで臨む、という意識を持つ必要もあるかもしれません。それは今後しっかり伝えていこうと思います。

長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました(*´◒`*)



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