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9年前のシリーズAリード投資先の今日

2013年、この創業者への投資を1号投資として発表したのが「決済による、決済の、決済のための」ファンド、GMO Global Payment Fund。
LPもGPも投資先も、すべて決済関連会社のファンド、総額20億円。
当時だと今の時代のファンド規模だと50-100億円くらいの感覚だっただろうか。

あまりにもテーマ特化しすぎではないか?と自問自答したが、それでも設立に踏み切ったのは「アジア全域でこれから決済関連事業が成長するのは間違いなく」、「勝てるPaymentechを見抜く法則をある程度会得出来てきた気がする」からでもあった。

それからFintechという言葉が発明され、全世界にスマホが普及し、経済のオンライン化が世界中で大加速し、今日を迎えた。

一号投資先の今回のファイナンスでは超大手グローバル投資家、Insight Partners、GICといった面々を迎えることになった。
690百万ドルのセカンダリー。本日現在1ドル126円で870億円。
セカンダリーを実施しつつIPOも目指すという、資本政策。

当社ファンドは一部現金回収する事で、ファンド総額の約6倍となる約125億円のリターンを頂いた。
Coda Payments raises $690M for cross-border payments and alternative app stores
当社の1,2,3号ファンドはどれも数倍で分配してきたが、一件の投資でファンド全体の6倍リターンというのは初めてのこと。創業者や関係者の努力と飛躍にひたすら感謝、恐縮している。

CODA Payments。
シンガポール本社、デジタルコンテンツ特化の決済代行会社。世界50カ国以上で展開。https://www.codapayments.com/

同社ホームページより
同社ホームページより
同社ホームページより

シード投資から始め、シリーズAでは当ファンドからリード投資(同ラウンドで楽天さん、サイバーさんも参加)、取締役にも就任した数少ない投資先。

当時のTech In Asiaの記事より

そのAラウンドは、実は最初で最後の調達ラウンドだった。
多難な10年だった。ゲーム特化という点、Apple/Googleとの関係性リスク等も連想されてか、シリーズBがなかなかつかなかった。
創業者達はVCから投資を断られつづけたが、コストを切り詰め事業を粘り強くつづけた。
唯一、創業期からの既存株主だったトイボ(スカイプ共同創業者の著名投資家)氏と当社で、「今は厳しいが将来性は間違いないな」とお互い励まし合いながら、追加投資をつづけた。

暗い森を行くようだったがやがて苦境を脱し突然視界がサーっと明るく開けた。ゲーム課金市場がアジア全域で急拡大し、黒字化し、追加調達が不要になった。
なぜ決済代行でもStripeのように多額の資金調達なく黒字になるのか。1,デジタル分野×新興国のキャリア決済が中心ゆえにTakeRateが非常に高い点、2,加盟店がデジタル分野ゆえに原価ゼロで国境を越えてエンドユーザーを増やしやすい点、3,世界を制しつつある超大手加盟店を多数獲得した点、等が重要な成功要因となった。
結果、たいていのユニコーンと違って大規模調達していない。一桁億円の外部調達で、数十億円の利益を毎年出せるようになった稀有な事例だと思う。

日経産業コラム(「Exitしなくても」)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC05BX30V01C21A0000000/

これから世界中でデジタル・ゲームコンテンツの課金はさらに成長していくだろう。当社含めてどの株主も継続保有もしており、さらに応援を続けていく。

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GMO VenturePartnersではこういった可能性に満ちたアジアのFintech関連スタートアップに、他にも多数投資しています。
現在もファンド募集しており、アジアのFintechの爆発的な成長可能性へアクセスされたい方を大募集中です。
https://gmo-vp.com/

創業者達
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