まじめに広告を見たら震えた話
デザインに興味を持ってからというもの、街中の看板のロゴデザインからフリーペーパーやパンフレット、フライヤー、テレビCM、Webページなどなど一日の中で目にするいろいろなもののデザインやそれに込められた意味が気になるようになってきた。
ホンダジェットのCM
最近感動したのがホンダジェットのCM。
見たことある方も多いかと思うけどこのCMのストーリーを文章でまとめるとこんな感じ。
・街中に発生する交通渋滞
・踊りながら交通整理するガードマン
・ホンダジェットが登場
・ジェットに注目する人々
・ガードマン(やれやれこいつぁ整理できねえや)
・窓から見える街の風景が斜め上に傾き上昇していく
・大空に飛び立つホンダジェット
自分がこのCMを適当に見ていたときとまじめに見たときの見え方の違いに自分で驚いた。
適当に見ていたときの見え方
・ワンオクの新曲
(かっこいいな〜)
・おしゃれな街並み
(おしゃれやな〜)
ほんとこれだけだった。上にまとめたストーリーなんて一切頭に入ってきてなかった。情報量少なっ
真面目に見たときの見え方
・渋滞の上に紙飛行機
(CM冒頭に紙飛行機を入れたのは視聴者を引き込むためのアクセントかな?)
・斜め上に上昇していく街並み
(これって街中の車の窓からも空港の飛行機の窓からも見ることのできない景色。このシーンにホンダジェットの魅力がぎゅっと詰め込まれている!!!←ここに震えた)
・渋滞の街からひとっ飛びで抜け出すホンダジェット
(爽快感!)
こんな風に作り手の考えを想像しながら見るようになった。すると普段は無視していたCMが急におもしろくて勉強になるコンテンツになってきた。
CMって誰も真剣に見てない
この前実家で4才の娘が、録画した番組を見ていたときのこと。僕の父が「CMなんじゃから飛ばさんといけんで(岡山弁)」って教えてあげていた。特におかしくないセリフなんだけど、上のような見方をする目の状態でこれを聞くとものすごく違和感を感じてしまった。「それを とばすなんてとんでもない!」という感じだ。
テレビ視聴者のほとんどみんな、CMなんて真剣に見てない。僕だってまじめに見るまでホンダジェットのCMのストーリー全く入ってきてなかった。
だけど、大手企業のテレビCMって動画としては一流のクリエイターが作ったS級作品だ。なのに誰もまじめに見てくれない。これがもし映画だったらストーリーをしっかりつかもうとするのに。CMだとそうはならない。
上に書いた父のセリフのような言葉を当たり前に聞いて育ってきた僕らはCM=ノイズと認識して脳がその情報をシャットアウトするようにできている。そんな大半の人たちを振り向かせて商品やブランドの魅力を伝えなければならない広告の仕事って本当に大変な仕事だと思う。
見方を変えると世界が変わる
CMに限らず、ロゴ、広告、日用品などなど、普段何気なく見ているもの、つまらないと思っているもの、意味のなさそうなもの。そんなものでも、なぜそれはそこにあるのか?なぜそれが作られたのか?それを作った人は何を考えたのか?を真剣に考えながら見れるようになると、退屈だった世界が動き出す。
見方を変えると世界が変わる。
スキとかフォローとかしてもらえたら僕は幸せです。