ミュージックビデオの作り方(児玉裕一編)
昨日の記事「ミュージックビデオの作り方(関和亮編)」をnote編集部の「#デザイン 記事まとめ」に取りあげていただきました。たくさんスキやフォローしてくださりありがとうございます!
今日は昨日の記事の続き。昨日は関和亮監督がサカナクションのアルクアラウンドのミュージックビデオを制作した過程を書いた。今回は児玉裕一監督編。
以下は児玉監督の代表作。
・安室奈美恵「NEW LOOK」
・サカナクション「ネイティブダンサー」
・DREAMS COME TRUE「OLA!VITORIA」
・Perfume「ねぇ」
・Mr.Children「エソラ」
・RADWIMPS「オーダーメイド」
児玉裕一監督のMV制作過程
1.レコード会社からオファー
2.歌詞と曲だけ送られてくる(お任せ)
3.企画書や画コンテでプレゼン
4.ロケハンやシミュレーション
5.撮影(基本1日)
6.編集(1週間〜1カ月)
基本的には関和亮監督と一緒。違うのは2.の部分。関監督は「アーティスト本人と打ち合わせ」→児玉監督は「歌詞と曲だけ送られてくる(お任せ)」になっている。アーティストと信頼関係ができてくるとだんだんとこうなりそう(知る人ぞ知る児玉監督は椎名林檎さんの旦那さん)。
二時間だけのバカンスMVのアイデア
二時間だけのバカンスとは宇多田ヒカルさんのアルバムの中の一曲。椎名林檎さんとのコラボが話題になった。MVは2人が宇宙でのバカンスを楽しむものとなっている。
二時間だけのバカンスがなぜ宇宙につながったかという問いに対する答え。
2人がくっつく映像
↓
宇宙空間で
宇宙である理由
↓
誰も2人に手が届かない場所
このMVを撮るとなったときに、まず宇多田ヒカルと椎名林檎の2人がくっつく映像を撮りたいと思ったそう。この二大アーティストが2人きりになれる場所→この世界に宇宙しかないという発想で宇宙の設定ができあがった。
児玉監督がMVを発想するポイントは「予想を裏切りつつ何となく曲に合っているもの」だそう。たしかに児玉監督のいままでのMVを思い返してみるとこの曲からこの設定??ってなるものが多いことに気づいた。「予想を裏切る」というポイントが頭にあるということを聞いて納得。
2時間だけのバカンスの設定は「遠い銀河系旅行が流行っている時代の近場の太陽系旅行のイメージ」だそう。一般人の僕たちが急にこの設定聞かされても「ほへー」という感じだが、ここまで細かい設定を考えることが細かい演出につながって、結果いいものができるのだ。
二時間だけのバカンスの撮影方法
出演者の2人にはまず絵コンテで設定を説明したそう。この絵コンテがそのままっていうぐらいMVのシーンとして忠実に再現されている。
その他の撮影のポイントとしては以下が紹介されていた。
・宇宙空間はグリーンバックで撮影しCG合成・宇宙船の窓枠は木で作り 影は本物
CGだけでは難しいところは一部本物を取り入れることで嘘っぽくならない映像になる。学生のときにちょっとだけ3DCGをかじったんだけどあの宇宙の映像を全部CGで作りあげられる人たちのスキルに憧れる。
目抜き通り(GINZA SIXスペシャルムービー)について
最後に椎名林檎さんとトータス松本さんが歌うGINZA SIXスペシャルムービーについても紹介された。
このムービーも出演者はグリーンバックで撮影し、背景だけ銀座で撮影したものをCG合成したものだそう。びっくり。てっきり銀座で撮影したものだとばかり思っていた。CG合成の不自然さが全くなくてほんとすごい。
森三中の黒沢さんがこのMVを見てテンションが上がって夜の銀座に行ったら夜の銀座スカスカで「MVと全然違う!」ってなったって話していて笑った&すごく共感。ほんとMVとかドラマに映っている映像って実物と全然違うよね。自分もこんな夢を見させてくれる映像や写真を撮れる(作れる)ようになりたいなぁ。
まとめ
ミュージックビデオの作り方って知りたくてもあまり情報が出てこないので、今回自分の大好きな児玉監督と関監督のMVの作り方が聞けてすごくおもしろかった。
ロゴデザインやWebページデザインのアイデアを考えるのって全然出てこなかったり本当にこれで良いのか悩んだりすごく苦しい時間だなぁと思っていたんだけど、みんな1つのネタや言葉などからうんうん悩みながら発想しているんだということがわかってなんだか安心した。
この番組みたいにものづくりのネタになりそうなことはどんどんnoteに書き残していきたい。
スキとかフォローとかしてもらえたら僕は幸せです。