ディズニーを倒す方法を教えてもらった
キンコン西野さんの生き方がおもしろくて、まず1冊目に出版された魔法のコンパスという本を読んだ。やっぱりこの人おもしろいわと確信して2冊目の革命のファンファーレという本も読んだ。この本もおもしろいし、ものすごく読みやすいのでページをめくる手が止まらずあっという間に読了してしまった。小説ではなくビジネス書をあんなに夢中になって読んだのは初めてかもしれない。
そんなわけですっかりキンコン西野、というより西野亮廣さんのファンになってしまった。かといって信者になったというわけではなく、冷静に見ているつもり。
そんなお方がなぜか我が地元倉敷のイオンモールで「光る絵本展」を開催するということですごく楽しみにしていた。
楽しみにしていると、光る絵本展だけでなく3/24にはご本人まで倉敷に来るとのこと。岡山でこんな機会滅多にないと思ったので「制作物発表会」という名の講演会を聴きに行ってきた。
その中でも特に印象に残ったことを忘れないように書いておく。
ディズニーの倒し方
絵本作家である西野さんは「ディズニーを倒すこと」が目標だと公言している。というわけで具体的にどうやってディズニーを倒すのかというプランをいろいろ話してくれた。
今、西野さん含めたスタッフは映画版「えんとつ町のプペル」の製作を進めている。この映画でディズニーを倒すとして、どうなれば「倒した」ことになるだろうか?興行収入で勝てばいいの?西野さんは「もちろん数字も大事」と前置きをしつつ、ディズニーを倒すためには「ゲームを変えること」だと語る。どういうことだろう?
ディズニーは高級レストラン、プペルはBBQ
高級レストランは最高の食材を使って最高のシェフが最高の料理を作ってくれる。お客様は綺麗な椅子に座って最高の料理を食べるだけである。料理のミスは絶対に許されない。
BBQは参加者全員がシェフである。だから、準備の段階から楽しい。自分たちで作ったごはんは、最高の食材を使っていなくても最高においしい。もしお肉が焦げてしまっても「ははは、それはあいつが焼いたからね」と笑って許せる。
つまり、お客さんを製作の段階から巻き込み、作品の「共犯者」にするということ。これは西野さんの本の中でもよく言われている。10人で作った作品は、最低10冊は必ず売れる。なぜなら作った本人たちが絶対買うから。それなら100万人で映画を作れば、最低100万人のお客さんが絶対入る。
この「制作物発表会」も「共犯者作り」の一環だし、絵本のときのように、映画制作についてもクラウドファンディングをやるとのこと。
さらにもう一つ考えているのは映画本編内に広告を入れること。町の中の看板なんかに自然にスポンサーになってくれた企業の名前をいれていく。エンドロールにもスポンサーの名前を全員分出す。
そうやって、共犯者を増やしていく。
著作権フリーの世界を目指す
もう一つの作戦は、作品についての著作権を全てフリーにする。ガチガチに硬いディズニーの著作権とは真逆の戦略で攻めるということ。そうすれば誰もがシェアして、共有して、拡散してくれる。その方が今の時代に合っている。
現に、この光る絵本展も写真も動画も撮り放題。講演会で話をしている西野さんの様子をスマホで撮っても誰も怒らないし、えんとつ町のプペルの絵本はInstagramにアップされやすいように正方形なのである。
そういう風に「ゲームを変える」ことでディズニーを倒すのだ、と語っていた。
職業のかけ算
西野さんがこの講演で話していた内容は、今後本人のブログや書籍で読むことができるのかもしれないけど、本当に聴きに行ってよかった。
何がよかったってトークが軽快でおもしろい。トークの間中僕はずっと笑顔だったし、会場の他のお客さんも笑顔で聴いていた。わくわくしたままあっという間に1時間が経ってしまった。
このトーク力ってやっぱり西野さんが芸人だからこそだ。この方は芸人×絵本作家×起業家みたいなこともしている。
自分が憧れる有名人ってこんな風に職業のかけ算をしている人が多いことに気づく。芸人×作家の又吉直樹さんは今一番好きな作家さん。音楽家×俳優×文筆家の星野源さんは音楽も演技も文章も好きで今一番尊敬する男性アーティストだ。
これは堀江貴文さんの「多動力」という本に書いていた話。ひとつのことに1万時間取り組めば「100人に1人」の人材になれる。1万時間というのは1日6時間やったと考えて5年。そこからさらに2回別の分野に移ってそれぞれ1万時間取り組めば「100人に1人」×「100人に1人」×「100人に1人」=「100万人に1人」の人材が誕生するという。
一つの分野でがんばっていると違う分野に移るのって普通に考えて怖い。今まで努力した時間が無駄になる気がして。
その恐怖を振り切って、次に行った人は魅力的で、強い。ディズニーを倒せるのは、きっとこういう人たちだ。
スキとかフォローとかしてもらえたら僕は幸せです。