現役PTA会長がクビになる話
さて、これは現役の小学校のPTA会長が、市町村PTA副会長がクビになるまでの記録になっています。
まず最初にPTAの仕組み
PTAは私たちのような保護者(Parent)と教職員(Teacher)という会員からなる、共通の目的を持った組織(Association)であります。
その構成は一般会員→単位PTA(学校PTA)→市町村PTA→県PTA→エリア(九州など)PTA→日本PTAという形で構成されており、会員から徴収される会費も【分担金】と名前を変えて上記の矢印の通りに上納されていく形となります。
その中で私の自己紹介
沖縄県在住
2019年度より小学校PTA会長
2022年度より市町村PTA 副会長
2023年度より沖縄県PTA 理事
として活動中でした。
このような役職を任せていただき本当に感謝ではあるのですが、その立場になると、環境が変わると今まで見えなかった景色や問題点が見えてくる。
それらは、昭和から平成にかけて強固に作られた事業様式であり、現代にそぐわない形が色濃く残っている世界でもありました。
その中で、変革をもたらそうと様々な場で発言して行動して少なくとも自校での実績や、近隣での活動などでは実績が出てきたかと自負していました。
ですが、大規模自治体が日本PTAから脱退したり、ニュースなどでPTAのブラックさが問題となり、SNSではPTAに対する様々なトピックで賑わっているのですが、これらに対しての取組を他山の火事と思っているのか全く取り組んでいなかったり、スピード感が無いケースが散見されていました。
特にスピード感というか危機感のなさは顕著で、
「行政や政治家との会合で発言した。」
「○○という会議に出席した。」
これを実績のように語るさまは非常に滑稽で、実際に行われている改革についてはお茶を濁すような内容ばかりで、いわゆる県や行政からの指示や意向に右倣えするだけの団体であった。
そしてクビになる日は訪れた
2024年5月10日
小学校のPTAで総会が開催された。
その中で、いくつかの議案があったが、その中で市町村PTAから脱退するか否かというものがあった。
昨年から協議されているテーマであり、市町村PTAがこれらのテーマについて成果が出なかったことが最大の要因となった。
2024年5月21日
採決結果を集計して確定した。
市町村PTAを退会することが決定した。
ここから多くの調整が発生することが予想できる。
私は小学校のPTA会長だけど、現職の市町村PTA副会長であり、県PTAの理事だからだ。
総会前に予想できたので、娘の通う中学校に調整を依頼して、その中学校の保護者として市町村や県の役職を務めさせてもらうことになった。
2024年5月21日
冒頭の結果をもとに、市町村PTAに連絡して退会する旨を伝えた。
また合わせて、中学校の保護者として市町村副会長の役職には邁進したいとも伝えて、改めてよろしくお願いしますと挨拶をして、その日の夕方に退会届をメールで送付した。
2024年5月末日で退会すると記した。
2024年5月22日
市町村PTAから電話がかかってきた。
受話器の向こうには市町村PTA会長。
内容は、
「副会長4名を含めた全会一致で辞任を勧告する。」
という内容だった。
信じられないという衝撃が脳内を支配したが、努めて冷静に回答せねばと
私『勧告であれば拒否します。』
「会則にもあるが、副会長として不適切な言動があれば解任できる。」
私『解任?解任であれば文書で通知してください。また、その後については選出地区と協議してください。』
「わかりました。」
私『解任であれば今週末に開催する市町村PTAの総会ではどのように振舞えばいいのか?小学校PTAとしての参加になるのか?』
「出席しないでほしい。」
私『なぜですか?うちの学校は5月末まで会員なのですが参加もできないのですか?』
「そこは理解してください。」
私『なにを理解するんですか?退会するとなったら排除するんですか?』
「感情的に話をされると困るので参加は控えてください。」
私『検討しますとしか言えません。これ以上は話せません。』
ここで電話を終わらせ、同地区内のブロック長、次期ブロック長に連絡して以降の対応について依頼していった。
その中で、ある方(Aさん)が市町村PTA会長と連絡を取った際に
「彼がいろいろ言っているのは聞いている。」
「あなたが次期副会長をやってほしい。」
との話があったそうだ。
本人は固辞して、あまり良い感情を持たない感じで私に連絡してきた。
2024年5月23日
少し吹っ切れた。
役職に固執していないし、もともと負担は大きいと感じていたので自由すら感じていた。
その中で、少しでも皆の役に立ちたいと考え会長に電話した。
内容としては
・上記Aさんに副会長を打診したそうだが、私から働きかけることはあるか?
・お互いに色々言っているみたいな傷つけ合う発言はやめませんか?
すると、上記2件いずれも「勘違いだ。」と一蹴された。
実は、この「勘違い」というワードが良く使用されるのだ。
もちろん勘違いはあるだろう、でも勘違いさせたことには責任を取らないといけない。
その責任が感じられないし、むしろ責任から逃げているとすら感じることが多いのだ。
私からは勘違いしないような発言に努めてほしい旨を依頼した。
また、解任通知文書についても改めて依頼したが
「理事会を通さないといけない。来月になる。」
私『理事会は文書での決済もできるはずである。地区内への説明もあるので』
「辞任を受け入れてほしい。あなたに不利になる。」
私『不利なるとは?具体的になんですか?』
「理解してください。」
私『理解できません』
ここで電話は終了。
他の副会長にお別れのLINEを送ったところ、電話や返信で「なんでいきなり解任なの?」「話し合いはしたのか?」などの声とともに労いや激励や謝罪の言葉を沢山いただいた。
ありがたい。
2024年5月25日 ※総会当日
予定もなくなったことで、子ども食堂の手伝いに出ていた。
夜は祝賀会へも出禁となっているため、ホームパーティにお呼ばれすることになっている。
そしたらLINEが鳴る、鳴る、鳴る!
あっという間に数十件が届き、内容は
「辞めたのか?」
「解任?辞任?」
「ご理解くださいと言ってるけど、何があったのか?」
「なぜ欠席?挨拶くらいできないの?」
などなど、どうやら会長は「退会し、辞任した。」と説明したそうで、同じ地区の出席者から
「解任と聞いているけど、どっち?」
という説明があったそうだ。
辞任の理由も
副会長に承認された際の所属は○○小学校会長だが、退会と同時に○○中学校保護者となるので再審議が必要。
詭弁である。
私は現在でも小学校の会長であり、パーソナリティに変わりはない。
いくらでも対応はできたはずだ。
そして、私を出席させない理由がなんとなくわかった。
退会した者を排除するのだが、その理由や経緯についてはブラックボックスに封をして葬りたいのだ。
この時代にそんなことできないのに。
その後も連絡は途絶えないが、正直回答に困る。
なので、会長に電話するがもちろん取らない。
最後の手段でLINEするも5月31日時点で既読すらつかない。
事務局長にも電話した。
こちらは既読着いたが折り返しなし。
所詮この程度の人間かと。
全く未練はない。
怒る気もない。
ただ、ひたすらに呆れた。
そして、悲しかった。
この記事を書いていて思うことは、少なくとも沖縄県のPTA関連団体って本当にダメだなと。
他の地区でも退会したり、訴訟みたいになっているケースがある。
それらに蓋して隠す、保護者や子どもを見ない事業、教職員や学校役員への負担を顧みない、予算や会費についての杜撰な思考。
これらが無責任に運営され、それを良しとしてきた団体が上部団体として存在する。
願わくば、1日でもはやく脱却してほしい。
会員である保護者や教職員、その先の子ども達に寄与する団体になってほしい。
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