シャニアニを見た私なりの結論(ネタバレ有)
結論
結論から言うと、シャニアニはシャニアニという単体の作品ではなく、シャニマスそのもののメインシナリオである。
シャニアニを総括する
ここからはシャニアニを自分なりに総括していきたいと思う。
ただしここからは筆者の私見が多分に含まれるのでご理解いただきたい。
個人的感想
このアニメ単体で見るなら贔屓目に見ても星3~4といったところだろう。(ミリアニは星5)
全体的に物語が単調に進んでゆく印象が強く、アニメというよりドキュメンタリーや密着取材といった印象を受ける視聴者の方が多いだろう。
わかりやすい起承転結もなくカタルシスを感じられるような場面も少ない。
派手さがなく静の中で物語が進んでいくさまは、およそ大衆受けはしないだろうというのが私なりの感想だ。
なぜ賛否が分かれたか
これに関しては私の中で有力な仮説がある。それはシャニアニを批判している人と作っている人のベクトルが根本的に異なっているという事だ。
そもそもシャニアニをわざわざ映画館に見に行っている時点でシャニマスのオタクであることに疑いの余地はない。そんな人がなぜ今回批判的な意見を述べているのかというと、彼らはおそらく「売れるアニメ」を作ってほしかったのだと思う。そう考えることはなんらおかしなことではないし、ファンであるからこそ売れて欲しいと考えるのは至極真っ当なことだと言える。今回のシャニアニがとても大勢に受けて売れる内容だとは思えないという意見には私としても同意するところである。
一方製作陣は何を考えてシャニアニを作ったのか。それは恐らく「シャニマスとしての根幹を成すストーリー」をアニメという媒体を使って描きたかったのではないかと考えている。
パンフによると、今回アニメの構想の段階でこれまで実装されてきたコミュ(以下史実)を無かったことにしないという決定がなされたとある。史実に矛盾せず、全ユニットを均等に出しながら物語を描くというのは容易ならざることは想像に難くない。つまり構想の時点から大衆に受ける「売れるアニメ」など作るつもりはなかったのだろう。
この時点で製作陣が需要に応えられていないという批判は最もだが、それでもシャニマスの世界観と実在性というテーマを大切にしたかったのではないだろうか。
シャニアニの目的
上段でも述べたように製作陣は最初から売れるアニメ、つまりシャニマスの販促アニメなど作るつもりはなかったのだと思う。
ではシャニアニは何を目的として作られたのだろうか、それこそシャニマスの根幹を成すストーリーではないかと私は考えている。
シャニマスで現在実装されているコミュで出来のいいものは枚挙に暇がないが、そのひとつひとつは点にすぎない。ユニットごとのストーリーであれば連続性もあるが、それでも283プロひいてはシャニマス世界との繋がりは薄い。そこでこのシャニアニという連続した世界観によって大きな道を引くことで全てのコミュを繋ぐことこそ、シャニアニの目的であり描きたいものなのではないだろうか。
つまりシャニアニとは283プロの共通コミュでありシャニマスそのもののメインシナリオなのだ
シャニマスのメインシナリオとは
ここからはシャニマスのメインシナリオとはなんなのか、それが果たす役割について述べていきたいと思う。
これまでシャニマスのコミュは多少の越境はありながらも基本的に各ユニットごとに時系列があり別々に進行する形だった。それがシャニアニという大きな幹ができたことによってユニット間の繋がりが生まれ、より実在性がある形へと補強されたのではないだろうか。
つまりシャニアニとは大きな木の幹でありその枝葉を成すのがコミュなのである。
上記の図のようにシャニアニという大きな一本の幹が立った事によって今まで点だったコミュ達に繋がりが生まれ、シャニマスという大きな木がより実像として見えるようになったのではないだろうか。これこそがシャニマスの目指す実在性の体現なのだと私は考えている。
おわりに
確かにシャニアニはアニメとして出来のいいものだとは言い難いかもしれない。だがシャニマスという木の幹だと考えればどうだろうか。私はこのシャニアニが今後の、もしくはこれまでのシャニマスにとってとても大きなものだと感じている。また多くのシャニマスオタクを虜にした実在性の追求という点で一切ぶれていないところに私は安堵すら覚えている。
多くのファンの獲得が見込めるアニメでそんなことをやってる場合かという批判は最もだが、そもそもシャニマス自体そんな大衆受けする作品ではないとも思っているので刺さる人に刺さればそれでいいんじゃないかと思っている。(最もそんなやり方でサービスが継続できるのかという疑問は残るが)
最後になるがシャニアニを批判している人はもう一度シャニマスにハマったあの頃に立ち返って考えてみて欲しい。本当にシャニマスが好きならば今やるべきはネガキャンではなく、このアニメをどう解釈するのか考察することではないだろうか。
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