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人物クロッキー 時間別描き方の考察

モデルを見ながら描く長時間のデッサンとは違い、クロッキーは限られた時間の中で絵を描かなければなりません。隅から隅まででディテールを追っている暇はなく、決まった時間内に何をどう描くかが変わってきます。

なんでいろんな時間制限があるの?短い時間で描くコツは?などの疑問にお答えします。

20分以上のポーズの場合

モデルもこの時間耐えられるポーズとなるので、極端なひねりや動きは少ない。
そこそこ時間的余裕はあるので、じっくり形を追える。むしろ時間があるのために細かいところばかり描いてしまう危険もある。(目的があってそうする分には構わないですが)
陰影や、色彩入れることが出来るけれども、それにこだわり過ぎると意外に時間の余裕がなくなる。
あまり正確なデッサンを目指さずに、絵として雰囲気、佇まいにこだわってみるのも良い。
ちなみに5分で区切って4回描いても良いのです笑

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10分ポーズの場合

比較的穏やかなポーズ。それなりに時間の余裕はあり。ざっくりしたの色や陰影を入れることもできる。ただし多くの色や細かい陰影にこだわってしまうとすぐ時間切れに。色や陰影を入れる場合、全体を5分ポーズのつもりで形を捉えてからにする方がベターかも。


5分ポーズの場合


モデルのポーズもだんだんと激しくなってくる。時間的に全部を細かく書いたり、直したりする余裕はほとんど無い。ディテイールや陰影による量感を表現することは諦め、動的なポーズであれば全体の動き(ムーブマン※1)や静的なポーズであれば(コントラポスト※2)を中心に捉える。
描くところと抜くところを作る(しかない)。顔を細かく描こうとしてはいけない。
ざっくりとした陰影であれば、量感よりも全体のニュアンス(ムーブマン、コントラポスト)を強調するために入れてみる。

※1ムーブマン
ひと言で言えば「動き」を感じる表現。ポーズのもつ前後の動作を強調する。(どこかでムーブマンにフォーカスしたNOTEを書きます)

※2コントラポスト
体重のかけ方、重心を捉える表現。これがしっかりしていないと不自然なポーズにみえる。(こちらもどこかでコントラポストにフォーカスしたNOTEを書きます)

3分ポーズの場合

動きのあるポーズが多い。ダンサーのモデルだと、かなりエキセントリックなポーズになることもしばしば。細かいところなど、描かないところはスッパリ切って大胆な線を引く。ムーブマンやコントラポストにこだわる。もし色や陰影を入れるとしても、雰囲気程度。


ムービング

動きそのもの。描き手のストップがかかって、30〜1分程度止まることもある。ポーズのニュアンス、印象のみ抽出して、正確な形や陰影を追っている余裕は無い。
大きな一気に線をひき、ムーブマンを表現する(とならざるを得ない)。
鉛筆や筆などのスピードや角度をコントロールして、線の強弱をつけて表現すると良い。

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いかがでしょうか?
時間に関係なく、好きな描き方をするんだ!という方もいらっしゃるかもしれません。せっかく色々なポーズ時間のパターンがあるので、それに合わせたチャレンジをしてみるのも良いと思います。

まとめ
-時間によって、モデルのとる(とれる)ポーズが違う短い時間ほど動的。
-ムーブマンとコントラポストがキー。
-短い時間ほど、ムーブマンが重要になる。
-鉛筆や筆のコントロールし強弱で表現する

それでは。



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