移住のあれこれのお話⑫
*農業委員会なるものに出席する
さて、家庭内のいろいろはちょっと置いておいて、今回は農業委員会での面接について語りましょう。
購入希望の物件が建つ地区では、原則農地は売買できないとのことでした。農地付き物件も同様の扱いを受けるのですが、移住者を拒絶しているわけではなく、むしろウェルカムであり、手続きを踏むことで売買は可能であるとのこと。
その手続きというのは空き家バンクに登録して、月一回の農業委員会で面接を受け、農地購入の許可を得ることだそうです。
全国各地で似たような制度があると思われるのですが、こういう制度は変更されたり地域制もあるでしょうから、ただの一例としてお聞きいただけると嬉しいです。
つまり、空き家バンク登録からの農業委員会出席、委員会の許可が下りるのを待って正式に売買契約成立となるわけです。
この一連の流れをこなすのに3ヶ月かかりました。
農地付き物件が、大変だと言われる理由の一つですかね。
おかげでアルバイトにも行けなくなってしまいましたし、お家の傷みが気になってもお手入れできないという歯がゆい思いもしました。
ただ、農地というのは売買されるとしてもすごぶる安値で取り引きされていて、就農している方々からみれば商売が絡んできて、どんな作物を作ってどんな活動をするのか気になるところでしょう。
また、広い農地を手に入れてあれよあれよという間に農地転用してしまい、巨額の資金を手にする人もいるそうな。
そのような世の中の事情を慮ると、まぁ致し方ないなぁと受け入れざるを得ません。
それに当時の私はアルバイトをクビになるとは思っていませんので呑気なものです。
地域の方々がどんな方達なのか、お会いできるのが楽しみでもありました。
面接は市役所の会議室で行われました。
他にも面接される方がいらして、順番で行われました。
通された会議室には、ロの字にセッティングされた会議デスクに15~6人の男女半々くらいの委員の方々が座ってらっしゃいました。
「こんいちは!よろしくお願いしま~す」と元気よく挨拶して場を掴み、就農の意思はなく、家庭菜園として取り扱うことなどをサクッとお話して終わりました。
いやいやそれなりにドキドキはしましたが、アラ還女が一人移住するのが珍しいというのもあるのでしょう。割と楽しく皆さんと話せました。
それに居並んだ農業のプロの方々から生のアドバイスが聞けたことは収穫でした。
こうして農業委員会の面接も無事クリアして、昨年9月末に無事売買契約が結ばれたわけですが、古民家内覧からのこのお家を照会してくださった不動産屋さんには深く感謝しています。
その方農地付き空き家は取扱いが少なかったらしいのですが、一生懸命手続きしてくださいました。
不動産屋さんのご尽力がなかったらもっと大変だったでしょう。
そして思うのです。
人生初の不動産購入して良かったと。
もし、以前のまま夫と同居していたら、このような出会いはなかったでしょうから。長年顔見知った自治会の方がと挨拶交わすのみの日々より、今の方がワクワクしてます。残りの人生こういうワクワクがあっていいと思います。
感謝感謝 感謝です