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TABIPPO学生支部を引退します
2024年2月26日。私はBackpackFESTA2024東京を機にTABIPPO学生支部の活動に幕を閉じました。一昨年の12月に加入して約1年2ヶ月、長いようであっという間。ここまで「旅」に対して考えた時間はありません。タイトルにもある通りTABIPPO学生支部を続けることはありません。今回はそれについて書き残そう。
TABIPPO学生支部とは
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簡単に私が入ってたTABIPPO学生支部について説明する。
元を辿るとこの団体は2010年に世界一周している仲間たちで作られた「世界一周団体TABIPPO」という名前だった。メンバーも世界一周をしている人ないしはその界隈が所属しており、まさに旅のプロ集団のようであった。
そこから4年後に法人化され、TABIPPO学生支部となった。現在は全国で3支部展開しているが、コロナ前の全盛期は9都市と今の3倍もの支部とメンバーが所属していた。それだけでも普通の団体ではないことはわかるだろう。
年に一度のビックイベント:バックパックフェスタ
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毎年活動の最後に学生支部が行なっているのがバックパックフェスタ。
一言で言うと「旅の祭典」。
参加してくれた友人は皆んな「旅に出たくなった」と心から思いたくなるほど旅の良さをギュッと1つに詰め込んだイベントである。
そしてこのイベントには学生支部だけではなく、旅を応援する協賛企業、ゲストハウス、航空会社、外部学生団体など非常に多くの方々が関わっている。来場者数も500人以上と学生団体の中でも群を抜いて多くの人を巻き込んでいる。
それ故、このイベントにかかる負担は尋常ではない。細かい部分は今回割愛するが、端的に言うと自分が続けない理由の1つはこのイベントにある。
引退するに至った理由
正直言うとギリギリまで迷った。続けているだけでも価値はあるんじゃないか、また新たな機会に挑戦できるのではないのか、色々あったが今は続ける意向はない。いかに理由を3つ挙げる。
学ぶものがこれ以上ないから
自分は昨年度からTABIPPOに入り、「旅」が持つ可能性、「旅」の魅力を言語化すること、「旅」を通じて違う人と繋がること、「旅」を軸としたイベントを自分で主催するなど、入る前まではただの趣味としか捉えていない「旅」をここまで視野を広げて行く以外の選択肢を作ることができたのは財産だと思っている。
それを1年間フルコミットした結果、これ以上TABIPPO学生支部から学ぶことがなくなったのである。これは決して悪いことではない。
今年度は幹部まで経験し、自分だけではなくチームのメンバーの「旅」についても追求した。何を広めたいのか、何を得たのか、ひたすら問うた。昨年度以上に「旅」に対する解像度は上がったし、「旅」の選択肢の幅をより広げられたのは確かだった。
だが、これ以上続けたとしても今年度以上の学びを得ることができない。そう感じたならばここで新たな道へ進むべきだと言う結論に至ったのである。
BackpackFESTAにかかる負担が尋常ではない
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先述の通り、バックパックフェスタは数百人を巻き込むTABIPPO学生支部の目玉イベントである。今年のバックパックフェスタではロビー監督という幹部も務めた。だからこそこのイベントをやり遂げた後の達成感は尋常ではないし、私も運営に携われたことを誇りに思っている。
その反面、イベントの運営にかかる負担は想像を絶するものである。
辛いと感じた要素は色々あるが、ここにトップ3を挙げる
メンバーのモチベーション、都合に左右されながらも3ヶ月以内に高いクオリティを担保したイベント作り上げなければならないこと。
他チーム、代表幹部陣との連絡で1日100件近くの連絡を捌くこと
1000人以上の集客目標を立てること
これをボランティアでやってるんだからすごい。歴代の幹部もやり切ったと感じるのも理解できた。これを乗り越えてさらにもう一年活動するメンバーを本当に尊敬している。先述した学べることも踏まえると、もう1年今の自分のリソースを使って活動するよりも、そこにかかる負担を別の方向へ持っていく方を選んだ。自分にとってネクストアクションは、TABIPPOとしてではなく、自分自身の持てるリソースを増やすことであると思ったからである。
自分が広めたい「旅」と学生支部で広めたい「旅」にズレがあった
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これは昨年度の時から抱いていたモヤモヤであった。昨年加入した段階で41カ国渡航しており、自分も何かしら活かせたら良いな、と思っていた。しかし、昨年のバックパックフェスタに携わっているうちに、根本的に違うなと感じた点が思い浮かんだ。それは、
皆んなが広めたいなと思う旅が優先されるということ(大衆的)
何を言っているんだ、当たり前じゃないかと思う人が大半だろう。しかし、自分が広めたい旅というのは、
自分が広めたいと思う旅を発信していること(高級的)
である。これまで私が発信してきた中東の魅力は、自分の興味関心に従い他の学生メンバーを凌駕した旅経験をベースにしている。
しかし、大衆が聞きたい情報は、国内、東南アジアやヨーロッパなどコアな場所で、かつ聞きたい情報は結構似ていることが多い。
ここが異なる以上、TABIPPO学生支部に所属することで後者の目的を達成できないならば、別の方法を模索するしかない。TABIPPOに頼らず、自立していかなければならない。
最後に
これだけは言っておくがTABIPPO学生支部に入って後悔したとは一度も思っていない。むしろ入って良かったと思っている。幹部経験も自分にとって良い時間だった。
ただ自分が広めたい旅とは何か、これを追求した時にこれ以上負担をかけてまで所属する価値を生み出せるかを考え、ないという結論に至ったので続けない選択肢を選んだ。
私はこれからの一年、研究活動と向き合いつつ、自分の広めたい旅について探究していこうと思う。従来通り発信していくのと同時に、まだ行ったことのないアフリカや南米に足を踏み入れるのは勿論、一度諦めたステータス修行など、自分の伸ばせる旅の軸の強みをさらに伸ばして行きたい。
未知の旅への新たな一歩を踏み出し、より知識も経験も増やして卒業する頃には成長して戻ってきます。