『カメラを止めるな!』における秋山ゆずきの魅力
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映画の歴史を変えたといっても過言ではない『カメラを止めるな!』に出演している女優、秋山ゆずき。彼女の演技力、パワー、色気。女優としての素質、才能は稀有なものだと思う。
彼女がこの映画の中で演じる女優、松本逢花は、二つの全く違った顔を見せる。
一つはアイドル、女優である普段の松本逢花。「あいたんビーム」をポーズとともに決めゼリフとし、あまりやりたくない監督の要求には「私はやりたいんですけど事務所が……」と言い訳し、納得が得られれば「よろしくでーす」と言って、何事もなかったかのようにわがままを通してしまう。
もう一つは、ゾンビ映像の中で、襲われる女優を演じる松本逢花。映画ではこちらを先に目にすることになるのだが、ここでは監督に怒鳴られながらも一生懸命その要求に応えようとする健気な姿が演じられる。この時の彼女の魅力に、私は完全にやられてしまった。
監督の強烈な罵声に脅えながらも、質問に答えようとする声、言い方、表情。監督が去ってからの涙。ゾンビ役の男優とともに階段を上がる際のやり取り。最後の「しー」のポーズ。かわいさと色気が絶妙にマッチした名演だと思う。
もちろん、これも映画上では松本逢花が演じている設定で、その普段のキャラとの違いが大変面白いのだが、これを見事に演じ分けた女優、秋山ゆずきには心から拍手を送りたい。
この映画の公開で一躍注目を浴びた彼女は、舞台、ドラマ、バラエティへの出演などさまざまなオファーが入っているが、もともといろいろな経験をしてきているので、どれも非常に器用にこなしている。
また、あまりにも急激に注目を浴びたものだから本人の自覚がついてきていないようで、ファンの反応に戸惑っている様子。上田慎一郎監督との運命的な出会いによって見いだされ、シンデレラストーリーを歩み始めたゆずきちゃん。今後も、謙虚さを忘れず、さまざまな役に挑戦していってほしい。
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