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大都市郊外に杜をつくる

岐阜県各務原市の特定医療法人・福祉法人フェニックスが手がけるゴザーレプロジェクトの植樹イベントが行われました。各務原は歴史ある土地ですが名古屋市郊外の住宅地として発展してきた経緯があり、ゴザーレ・プロジェクトは団塊世代が後期高齢者となる2025年をにらみ、地域共生社会を実現するための「ひととひとがつながり、支え合うまちをつくる」というプロジェクトとして、2年ほど前にスタートしました。当初はイベント広場のようなものがイメージされていたのですが、話し合いを続けていくうちに「杜」をつくるプロジェクトになりました。

昨年から土中環境の整備が進められ、シンボルツリーの植樹などプレイベントなど重ねられてきましたが、この日は火全体の植栽を一気に行うメインイベントが行われました。通常は建築が竣工する頃に呼ばれる庭師がここでは最初に呼ばれ、参加者にレクチャーと実演をしながらコミュニティづくりをリードしています。

この日も子どもからお年寄りまで多く集まり、皆が夢中になって作業し、終わる頃には一体になっていました。まちづくりワークショップに子育て世代は参加しにくいとされますが、土いじりのエンタメ性が子どものハートを掴み、子どもを連れて来られるので子育て世代のハートも掴み、さらに庭師の土中環境のレクチャーが団塊世代の関心を掴み、全世代をカバーしていました。広義の社会空間の設計方法論という意味ではかつてクリストファー・アレグザンダーが盈進学園東野高校(1985)で試みた1/1での参加型・体験型ワークショップの現代版として位置付けられるかもしれません。

このようなコモンズの創出を各務原市の公共事業ではなく、民間の医療・福祉法人が民間事業の一環で実現しようとしているのがユニークです。2020年代以後の地方都市や大都市郊外のまちづくりの実験は、1970年代以後の学校法人によるものに替わるようなかたちで医療・福祉法人の参入と活躍が進んでいくのかもしれないと感じました。

RFAはプロジェクト全体のグランドデザインと杜全体の植栽マウンドの配置、交流施設の設計などを担当させて頂いており、施設は夏着工に向け実施設計を急ピッチで進めています。1年後には全体像が見えてくる予定です。

プロジェクト名:(仮称)Gozareの杜 交流施設
プログラム:交流機能・放課後等デイサービス・その他 約400m2
竣工予定:2023年春
担当:RFA 藤村 武智 福田 鵜飼

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