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第8回日経「星新一賞」優秀賞受賞(2年連続)とその因縁

 第8回日経「星新一賞」で、優秀賞(スリーボンド賞)を頂きました。

 前回の第7回でも同じく優秀賞を頂き、2年連続での受賞となります。
 グランプリに手が届かなかったのは残念ですが、それでも、多くの人に作品が届く機会が得られて、とても嬉しいです。

*  *  *

 とまあ、挨拶はそのくらいにして、実はここには因縁めいたものがありまして。

 二年前、第6回「星新一賞」の時のこと。
 この時は作品を応募していなかったのだけれど、表彰式にはお邪魔することになった。
 というのも、当時、僕が担任していた中一の生徒が、同賞ジュニア部門のグランプリに輝いたのだ。賞への応募自体も、僕の担当する国語の夏休みの課題だったということもあり、保護者の方から、ぜひ表彰式に列席していただきたいとの申し出を受けた。
 特に断る理由もなし、有難く参列させていただいたのだが、その場には、何人か知己の方がいらっしゃった。
「あれ、鵜川さん? 受賞したの? ペンネーム?」
「いや、僕は出してなくて、実はうちの生徒が……」
 その時の屈辱といったら(言い過ぎ)。そして、思わず、こんな風に口にしていた。
「来年、自分の作品で戻ってきます」

 それから一年(実際の執筆期間は約半年)、応募作を練り上げる傍ら、臥薪嘗胆、雌伏の日々(言い過ぎ)を語る傑作スピーチを作りこみ、見事に第7回「星新一賞」優秀賞を受賞した僕は、リターン・オブ・オレを成し遂げた。あとは、スピーチで笑いと感動の渦を巻き起こすだけだ。
 そして……
 表彰式はなくなった。
 コロナ禍によって、表彰式はなくなった。
 リターンするべき表彰式は、なくなってしまった。
 せっかく作った名刺も、誰の手に渡ることもなく机の引き出しに仕舞いこまれることとなった。

 などと言いながら、作品は非常に好評で(タイトル以外)、それなりに満足感と充実感を得ることができた僕は、当初、第8回に出すつもりはなかった。審査員が発表されるまでは。

 ・上田早夕里先生……大好き
 ・中江有里さん……好き
 ・落合陽一さん……好き

 おいおいおい、作品読んでほしいよ、講評がほしいよ、表彰式で直接お話ししたいよ!
 ということで、延長戦のつもりで作品を書き上げ、この度、晴れて優秀賞を獲得したというわけだ。
 グランプリが獲れなかったのは悔しいが、二年連続での受賞は、次のステップに向けて、背中を押してもらえたような気がして、本当に嬉しい。あとは、当初の目的を叶えるだけ。
 と思ったら、表彰式はリモートで開催とのこと。
 いや、とことんついてない。仕方がないことだとは分かっているが、やっぱり残念。
 え? 来年も? そういう振り?

 作品のことは、また改めて。
 2月下旬以降に公開されるそうなので、いましばらくお待ちください。

Image on 第8回 日経「星新一賞」公式ウェブサイト

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