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灌漑 Irrigation Rate (灌漑率)その⑨
今回も早速やっていきます。
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以前にも取り上げたように、散水される水の水量率【以下PR( Precip Rate)】は、土の浸透能力【以下IC(Precip Rate)】を超えるべきではない。PR>ICのとき、当然水が溜まったり、表面上を流れて行く。そして表面上を水が流れる事によって、地表が低い所の方が水の量が増え、高い所や傾斜ができている箇所では少なくなる。芝草管理者は、余剰の水のながれも考慮し、丘の上にあるスプリンクラーはより長く散水し、低地にて大く水が流れつくところは減らすなど、場所によって散水量を加減している。このやり方は役に立つが、PR=ICの場所が一番理想的である。
土壌の浸透能力は土壌の質感、構造、またはサッチの状況に関係する。細かな質感で、圧がかけられている土壌では、ICが毎時0.1インチ(25.4mm)もしくはそれ以下の可能性があり、一般的な潅水システムがなされている所では、PRが毎時0.3-0.6(76.2-152.4mm)インチである。このような状況では、何か対策をしない限り水は流出される。そこで耕し、固まった表面をほぐすことでICを改善する事ができる。
PRは自動散水システムを、マルチプルサイクリングとよばれる、に切り替える事で効果的に減らすことができる。マルチプルサイクリングとは、一度に長時間散水するのではなく、何回かにわけて短期間散水を行う事である。例として、散水量が毎時0.5インチ(1.27センチ)のPRの場合、40分散水すると0.33インチ(0.762センチ)の量を撒く事になる。マルチプルサイクリングをもって、10分間のサイクルを50分間をあけて4回行えば、同じ量の水を撒いた事となる。{0.33インチ(0.762センチ)の散水に、4×10分 + 3×50分=190分又は3.17時間費やす事となる} 強風がたまに発生する場所では、マルチプルサイクリングにより均等に散水できるという利点もある。強風が吹くと、散水方向や、水の均一性がうしなわれるために、マルチプルサイクリングでない場合、かなりの量の水やりの妨げる事になる。
乾いたサッチも地表下の水やりを妨げる可能性があり、土のIC(土の浸透能力)を下げる。あるケースではサッチが問題というより、サッチの下にある踏み固められた土壌が問題である可能性もある。イリノイ州での研究では、もともとサッチが発生しないケンタッキーブルーグラスに、殺虫剤を使用した事によりサッチが発生したが、水の浸透が妨げられたのは、サッチ自体というより土壌の状態がかわってしまったためだ。サッチにより、地下茎や根の成長をさまたげ、ミミズが活発に動けなかったりすることが、サッチの下の水の浸透を妨げる。
傾斜地に発生する多孔質のサッチ、サッチ内で水が傾斜に沿って流れて行く可能性がある。これは、栄養が表面上を流れてしまうのと同様、栄養、殺虫剤、その他の薬剤も傾斜に沿って流れて行く傾向がある。そのような事が起こると水だけでなく、非効率的な施肥や薬剤散布となってしまう。
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当校は5年ほど前に3/4程、再度土を表面削ってもらい、砂に入替えてもらったが、もうすでにかなりの深さまで土になっており、浸透能力が下がっていると思うが、水たまりになる事はない。