クラウド時代のセキュリティ対策!必読のポイントと注意点
クラウド時代のセキュリティ対策を徹底解説。脅威の一覧から対策方法、プロバイダが提供するセキュリティ対策まで、安全なクラウド利用のポイントが満載です。
クラウド時代におけるセキュリティへの対策「クラウドセキュリティ」が気になる方へ。本記事では、クラウドセキュリティの重要性から具体的な対策方法まで詳しく解説します。従来のセキュリティとの違いを比較し、クラウド環境におけるリスクや主な危険要素などを紹介。さらには、最適なクラウドセキュリティ対策の選び方や注意点など、ビジネスにおけるクラウド環境利用を安全にするポイントをご紹介します。
安全なクラウド利用を図るために、ぜひ本記事を参考にしてください。
クラウドセキュリティとは?脅威の一覧から対策方法まで一挙解説!
クラウドセキュリティは、クラウド環境でデータやシステムを保護する技術と手法のことです。近年、企業がクラウドサービスの利用を増やしており、そのリスクも高まっています。脅威には、不正アクセス、データ漏洩、侵入攻撃などがあります。
これらの脅威に対処するためには、まず認証とアクセス管理を強化することが必要です。また、データの暗号化やバックアップも重要な対策の一つです。ネットワークセキュリティも向上させ、外部からの攻撃に備えることが求められます。
さらに、セキュリティポリシー(対策の方針や行動指針を定めたルール)の策定と適切な設定が必要です。内部での不正行為を防ぐための制御や監視も行いましょう。最後に、定期的なセキュリティ評価やリアルタイムの検出と対応が大切です。これらの対策を総合的に実施することで、クラウド環境においてセキュリティを確保することができます。
情報セキュリティの重要性
情報セキュリティは、データの安全性と事業の継続性に直結しています。一度でも顧客情報を流出すると大変なことになります。クラウド環境を利用する企業は、お客様や取引先の情報を守るためにセキュリティ対策が求められます。
具体的には、適切なアクセス管理、データ暗号化、ネットワークセキュリティなどの対策が必要です。さらに、内部統制やリスク管理の強化、定期的なセキュリティ評価や検証といった監査が求められます。これらの基本概念を押さえておくことで、適切なセキュリティ対策が実現できます。
クラウド環境においては、クラウドサービス企業と利用企業の責任の所在を理解した上で、セキュリティ対策をすることが重要です。
近年は、取引先に情報セキュリティ対策についての情報を求められることが非常に多いです。対策していること自体が重要になっています。
クラウドサービスのメリットとデメリット概要
そもそもなぜクラウドサービスを使うか、メリットとデメリットを大まかに見てみます。
クラウドサービスを利用する最大のメリットは、自社での運用コストや運用人員、運用リスクを減らすことです。なかなか中小企業が自社でソフトウェアやサーバーを管理することは難しいです。それを外部に委託できるのは非常に大きなメリットとなります。また、世界中の最新のソフトウェアを比較的簡単に扱えることもメリットとして挙げられます。
一方で、デメリットとしては、自社のデータを外部に委ねることで情報漏洩のリスクがあることや、データが複数の場所に分散されるため管理が難しくなること、自社の業務を外部に依存することが挙げられます。また、クラウドサービスが他社と共有されることで、サービス会社間でのセキュリティ問題が発生する可能性があります。
デメリットを考えてもあまりあるメリットがあるためにクラウドサービスを活用することをオススメしますが、デメリットの中でも特にセキュリティに関しては対策を考える必要があります。
従来の情報セキュリティとの違いとクラウドの特徴
従来の情報セキュリティとクラウドセキュリティの違いは、対象となるシステムの領域や管理責任の範囲が異なることです。従来は自社内のシステムやネットワークに対するセキュリティ対策が中心でしたが、クラウドでは外部のサービスプロバイダと共同で対策を行うことが一般的です。
クラウドの特徴としては、柔軟なリソース管理やスケーラブルな環境が挙げられます。そのため、非常に多くのユーザーが利用し、サービスが多様化しています。このような状況下では、従来とは異なるアプローチや対策が求められることが多々あります。
また、クラウド環境ではサービス種別やプロバイダごとにセキュリティポリシーが異なり、それに応じた対策が必要になります。これらの違いを理解し、適切なセキュリティ対策を実施することが重要です。
オンプレミスとクラウドにおけるセキュリティの主な違い
オンプレミス環境(企業や組織が自社内に設置したサーバーやネットワーク機器を使い、ITシステムを自社で運用・管理する形態)では、組織が自社内にデータセンターを保有し、物理的な制御が可能であるため、セキュリティ対策が自由に設定できます。一方クラウドセキュリティでは、データをクラウドプロバイダが管理するため、セキュリティ責任の範囲が異なります。具体的には、オンプレミスではユーザーがすべてのセキュリティ対策を責任持って実施するが、クラウド環境では、基本的なセキュリティ対策はプロバイダが担当し、ユーザーはアクセス管理やデータ暗号化などのセキュリティ強化に専念できます。
また、クラウドセキュリティは柔軟性が高く、必要に応じて迅速に対策を追加・変更できます。ただし、クラウド環境ではインターネット経由でリソースにアクセスするため、権限管理やアクセス制御が重要となります。
クラウド環境におけるセキュリティ課題
クラウド環境では、データが複数ユーザーや企業間で共有されるため、データの漏洩や不正アクセスのリスクが高まります。また、クラウドサービス企業のセキュリティ対策に依存することが多いため、自社での対策が限定される場合があります。例えばクラウドサービスの課題として、アクセス管理の不備や甘い認証設定、アプリケーションやサービスのセキュリティ脆弱性が考えられます。
さらに、クラウド環境で悪意のある内部者による情報漏洩やサイバー攻撃の影響を受けやすくなります。これらの課題に対処するため、セキュリティポリシーの策定や適切なリスク管理、継続的な監視・検出が重要となります。
クラウド環境に潜むリスクと主な危険要素
クラウド環境には、様々なリスクや危険要素が潜んでいます。主なリスクには以下があります。
サイバー攻撃の種類とクラウド環境への影響
サイバー攻撃は、クラウド環境にも様々な形で影響を及ぼします。主要なサイバー攻撃の種類には、フィッシング攻撃(ユーザーを騙して機密情報を入力させ、その情報を悪用する攻撃)、ランサムウェア(感染したデバイスのデータを暗号化し、解除するための身代金を要求するマルウェアの一種)、DDoS攻撃(大量のデータアクセスなどでサーバーを過負荷状態にし、サービスを停止させる攻撃)などがあります。これらは、クラウド環境でも発生し、データの利用やアクセスに悪影響を与えます。例えば、フィッシング攻撃は、不正な手段でクラウド環境上のデータにアクセスしようとする攻撃であり、ユーザーの認証情報を盗むことが目的であります。対策として、定期的なセキュリティトレーニングやアクセス制御の強化などが求められます。
例から学ぶトラブルケース
クラウドセキュリティのトラブルケースは多々ありますが、以下の3つの事例を紹介しましょう。
これらの事例から学ぶべきことは、アクセス管理やアプリケーションのセキュリティ対策、リスク検出などクラウドセキュリティを重視することが不可欠であるということです。
クラウドサービス企業が実施するセキュリティ対策
クラウドサービス企業は、様々なセキュリティ対策を実施しています。これらには、次のようなものがあります。
これらの対策は、クラウドプロバイダが提供する基本的なサービスであり、利用企業はこれらを確認することが重要です。具体的には、「(上記4つのような)セキュリティ対策でどのようなことを実施しているか」を導入時などに聞いてみることをオススメします。
クラウドプロバイダと利用企業のセキュリティ責任分担
クラウドプロバイダは基本的なセキュリティ対策を提供しますが、利用企業も自社で責任を持つべきセキュリティ対策があります。
適切なセキュリティ責任分担を理解し、クラウドプロバイダと協力してセキュリティ対策を強化することが重要です。
クラウドセキュリティ強化のための対策5選
クラウドサービスは今や多くの企業や個人が利用する便利なツールですが、同時にここまでにご説明したセキュリティリスクも伴います。特にIT初心者の方は、クラウド環境でのセキュリティ対策に不安を感じることがあるかもしれません。そこで、ここからクラウドセキュリティを強化するための基本的な対策を5つご紹介します。
1.適切なセキュリティ対策を行っているクラウドサービスを利用し、クラウドサービス企業と連携する
クラウドサービスを選ぶ際には、提供する企業のセキュリティ対策がしっかりしているか確認することが重要です。多くの信頼性の高いクラウドサービスプロバイダーは、データの暗号化、アクセス制御、定期的なセキュリティ監査などの強力なセキュリティ対策を講じています。
さらに、クラウドサービスプロバイダーとの連携も重要です。クラウドサービスは提供側と利用側の双方が協力してセキュリティを維持する「共有責任モデル」を採用していることが一般的です。提供側がインフラのセキュリティを守り、利用側はアプリケーションやデータの管理に責任を持ちます。こうした役割を理解し、適切な連携を図ることで、セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。
2.内部統制・監査を自社で実施する
クラウド環境を安全に保つためには、自社内での内部統制も欠かせません。内部統制とは、企業内で行われる業務が適切に管理されていることを確認する仕組みです。これには、セキュリティポリシーの策定や、従業員の行動がルールに従っているかの監視が含まれます。
また、定期的に監査を実施することも重要です。クラウドサービスプロバイダーが適切なセキュリティ対策を行っているか、自社のクラウド利用が安全に行われているかを確認するために、内部監査や第三者機関による監査を受けることを検討しましょう。
3.ユーザーの権限とアクセス制御で対策する
クラウドセキュリティを強化するために、ユーザーの権限やアクセスを適切に管理することも非常に重要です。例えば、全てのユーザーに同じアクセス権を与えると、不要なリスクが生まれます。
そこで、「最小権限の原則」(ユーザーやシステムに対して業務やタスクに必要な最小限の権限だけを付与し、不要なアクセスを防ぐことで、セキュリティリスクを最小限に抑えるためのセキュリティ原則)に基づき、各ユーザーに必要最低限の権限を付与するようにしましょう。これにより、不正アクセスや内部からの情報漏えいを防ぐことができます。また、二段階認証や多要素認証を導入することで、さらに強固なセキュリティ対策が可能です。
4.ネットワークセキュリティ対策を行う
クラウド環境にアクセスするためのネットワークも、しっかりと保護する必要があります。特に、インターネットを介してクラウドにアクセスする際には、強固なネットワークセキュリティ対策が不可欠です。
ファイアウォール(外部からの不正なアクセスを防ぐためにネットワークのトラフィックを監視・制御するセキュリティ装置)やVPN(仮想プライベートネットワーク)を利用して、外部からの不正なアクセスを防ぐことができます。また、データの通信中に盗聴されないように、通信内容を暗号化することも有効です。こうした対策により、ネットワーク経由のセキュリティリスクを大幅に低減できます。
5.セキュリティ規格を学び、導入する
最後に、クラウドセキュリティに関する国際的なセキュリティ規格を学び、それに基づいた対策を実施することも有効です。代表的な規格には、ISO 27001やSOC 2などがあります。中小企業向けにはIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が推進しており、一部の補助金の優遇条件にもなっている「セキュリティアクション」という取組もあります。
これらの規格や標準は、情報セキュリティのベストプラクティスを定めており、企業がセキュリティリスクを最小限に抑えるためのフレームワークを提供しています。クラウドサービスプロバイダーがこれらの規格に準拠しているかどうかを確認し、自社でも導入することで、より安全なクラウド環境を実現できるでしょう。
まとめ: 安全なクラウド利用のポイント
クラウドセキュリティの対策は多岐にわたりますが、まずは基本的な対策をしっかりと実施することが大切です。ここで紹介した5つのポイントを参考に、安全なクラウド利用を心がけてください。
この情報を参考に、ぜひクラウドセキュリティ対策の検討や導入を検討してください。次のアクションは、自社のシステムやビジネスに適切なセキュリティ対策を確認し、実施することです。幅広い知識と対策を踏まえたうえで、安全かつ効果的なクラウド利用を実現しましょう。
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