秘密の授業: 大学生活の裏に潜んでいた発見 〜部活編 #1〜
多くの大学生がいるが、おそらく私はその中でも「楽しんだ方」に入るだろう。多くの素晴らしい友達、教授、地域の方々に恵まれ、この5年間でコミュニティが驚くほど広がった。
インスタのフォロワー数は大学入学時と比べ、3倍以上に増え、多くの人とコミュニケーションを取れたおかげで、「視野と選択肢」もかなり広がった。
大学5年間を通して大きく成長し、充実した学生生活だった。そんな私が今回「秘密の授業」と偉そうにタイトルをつけ、それぞれのターニングポイントで感じた「大事だったこと」や「心情の変化」などを振り返る。
初回は部活編。
サークルや愛好会ではなく、大学生になってまで「部活」をやる意味とは?
かなり長くなるため、#1として今回は大学1年時を振り返る。
入部するきっかけ
ドキドキのサークル探し
大学のサークルってなんだか楽しいイメージもあったし、コミュニティを広げるためにも何かには絶対入ろうと思っていた。
大学に入る前から一つ上の先輩からサッカー部の勧誘があり、初めてサッカー部の練習試合に帯同した。しかし、高校生の時にボロ勝ちしていた相手に負け凄く嫌な気持ちになった。その上、負けてヘラヘラしている先輩たちにもなんだか腹が立ち、入らないことにした。
ギターが好きだったため、バンド系のサークルにも行ってみた。
しかし、あまり魅力を感じず、どこのサークルにしようか悩んでいると、二つ年上の高校の先輩からフットサル部に誘われた。
フットサル部。全国大会出場。部活として頑張ってます。
そんな話を前に聞いていて、なんで大学生になってまでするんだろう。。?
大学生は人生の夏休みでしょ。と思い避けていた。
「もう部活はしたくないんで入りません!」とはっきり言ったが、その先輩から「とりあえず練習だけ来いよ」と言われた。
入る気は全くないけど先輩の言うことだし、「練習くらい行ってあげるか」の気持ちで行くことにした。
初めて得た刺激
しかし、その練習で2つのことに驚いた。
フレンドリーな監督がいること
それまでの監督のイメージは「王様」とか、「お堅い人」だった。監督の言う事は絶対で、コーチと比べ選手と距離があるものだと思っていた。
しかし、その監督は積極的に選手に話しかけ、時には笑いを起こし、選手からの信頼も厚かった。
サッカーのGKとは違うテクニックの使い方
フットサルはサッカーと違い人数も違えば、コート・ゴールの大きさも違う。よって、使う技術や戦術も大きく異なり新しい発見が多かった。
そして当時、地元のクラブでコーチをしていたため、その技術の使い方を学ぶことは私の指導力向上に役立つと考えた。
ゴールが小さいことからメンタル的にあまり決められる気もせず、その練習でもバシバシ止めれていたことから「楽しいな」という気持ちもあった。
ボールが来る回数がサッカーより圧倒的に多いため、「自分がチームを勝たせている感」が強かった。
踏み台にさせてもらいたい
入りたいという気持ちはあったが、週3回の練習に土日の試合。地元でコーチをしていたことから現実的ではないなと思った。
「楽しいけど、コーチがあるんで入部は厳しいですね」と誘ってくれた先輩に言うと、「俺と同級のGKもそうだったよ」と言われた。その日一緒に練習をした2個上のGKの先輩が奇跡的に同じような経路でコーチをしていた事を知った。
その人に話を聞くと、最初の半年間だけ仮入部として両方やっていたらしい。
しかし、その人が入った時と監督も違い、どうだろうかとも思ったが、その旨を先輩が監督に伝えてくれ、監督も快くOKしてくれた。
フットサルには、月、水の練習のみ。金曜はコーチに行き、土日はコーチを優先させてもらい、空いていたらフットサルという条件付き仮入部となった。
コーチを優先することがどうしても譲れなかった理由は、「俺がこれから教え続けて、すごいGKに育てるから信じてついてこい」と言っていたから。バイトかもしれないけど本気でメニューを考えて、情報収集もして、色んな方法を試して一緒に成長していた。
その言葉、「言ったことは守らないといけない」という気持ちから、半年以内にサッカーのGKに使えそうな技術や考え方だけ学んで辞めるつもりだった。
「2個上の先輩もフットサルにハマってコーチ辞めたから龍一もそうなるよ」そんな言葉にムカついて、「こっちは本気でコーチやってんだよ、一緒に
すんな」と心で思っていた。そして、天邪鬼だったから「そうなってやるもんか」という気持ちもあった。
初の全国大会出場
真剣に取り組む姿勢
当時のチームのまとまりはすごかった。毎回参加してはいないが、練習・試合時の本気度には私も心を動かされ、それに合わせてやっていた。
遅刻する人はいないし、練習が終わっても数人で残って戦術の話をずっとしていた。飲み会に作戦ボードを持って来た時は少し引いたが、それくらいみんな本気だった。監督主導ではなく、選手が練習を止め、厳しいこともたくさん言っていた。
高校の時は監督主導のサッカーで、やらされてた感が強かったこともあり、すごく居心地が良かった。本気でやってるのが当たり前環境。その雰囲気を自分たちで作っていた当時の上級生は凄いと思う。
初の全国大会出場
5月、6月に九州予選を勝ち抜き、全国大会が決まった。3年ぶりの快挙だったらしく、泣いている先輩もいた。私自身、スタメンではなかったが、能力を認められ、1年生からベンチ入りメンバーだった。経験として勝っている状況で試合に出させてもらい、「初の全国大会」という経験を数ヶ月でさせてもらえた。
全員で喜ぶゴール、スーパーセーブ。声を出していない選手がいないくらい、ベンチ・ベンチ外含めてみんなで声を掛け合い勝利を目指していた。
良いチームだ。「このチームで勝ちたい、本気でまたやりたい」と気持ちが徐々に変化していった。
どちらかを選ぶ時期が来た
そんなはずではなかった
半年が経過し、監督にどうするのかと言われた。みんな週5日の練習・試合をしている中で、半分の練習量のやつは当然チームに入れない。
フットサルをやめてコーチに集中するか、コーチをやめてフットサルに集中するか決断をしないといけない。
「半年でスパッと辞めてコーチに集中つもりだったのに何で悩んでいるんだ。。?」
そんな気持ちだった。
でも悩んでいたという事は、大学のフットサル部にそれだけ魅力を感じていた。
大口叩いておいて子供たちを裏切れない。その上、コーチとしてとても勉強になる経験をさせてもらいながらお金まで貰っている。中学の監督から、
そしてコーチという仕事を通して学ぶことはたくさんあると感じていた。
私を助けてくれた言葉
どうしても決断ができず、ずっと悩んでいたせいで少し気持ちが病んでいた。そんな時、当時のキャプテンがこんな言葉をくれた。
「あんまり自分だけで考えすぎるとマイナスな方向に考えてしまいがち
だから、色んな人の意見聞きなよ」
当時の私にピッタリで最高のアドバイスだった。
それを聞き、数人に話をしてみることにした。するとなんだか少しずつ気持ちが楽になっていった。何度も話すことで自分の中で思考が整理されていったのだろう。
だから特別何か新たな考え方を得たわけでも無く、自分で本当にどっちが良いのか決断できた。
そして「フットサル」を選んだ
「今しか出来ないこと」を優先した。また、この本気のチームを離れる事は絶対に後悔すると感じ、決断した。
子供たちに理由を説明し、謝り、フットサルを本気で頑張ることを心に誓った。
そんな強い気持ちを持ってスタートした大学1年の秋。週5日の練習に加え、朝練まで始めた。
しかし、2年生に上がるタイミングの2020年春。新型コロナウイルスの影響でその状況は大きく変わった。
そんな事を次の#2で書いていく。