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ライバー×アシスタント物語①

ライブ配信アプリ『ポコチャ』を始めて半年が経とうとする。
最初は完全なるリスナー。
ただ推しを面白いなーと見ているだけの時間。
コメントをしても流れが速いから読んではもらえないし、たまに拾ってもらえると嬉しい。
アイテムを投げても安いものは無反応なので、大きなアイテムをボンボンと投げる人ばかり認知されてゆく。
コメントも拾われやすい。
かと言って、私は課金ができるほど生活に余裕はないので一生懸命BOX枠を周る毎日。

そう、最初のポコチャの入りがそんな推しだったからライブ配信は甘い世界だと思っていた。

見るだけの日々が続き、BOX枠を巡っていると、推しの他にも応援したい子が現れた。
その子はモデルを目指している女の子。
夜通し配信を見に行ってた。

その子の締め時間は昼の13時。
配信時間はだいたい夜中の2時~5時くらいまで。
推しは締め時間になるとボンボン勝手にアイテムが飛び交うので、メーターの仕組みなどは気にしたことがなかった。
とくに苦労することもなく、一気にS帯まで上がっていた。

モデルの子も、ゆるい感じの雑談枠。
とくにリアクションがあるわけでもない。
トップリスナーさんが闇投げして遊んだり、突然爆投げしだしたり。
無課金の私は、大きなアイテムが投げれない分、追いハとタグ付けを誰よりも頑張った。
アイテムを投げないことで攻めてくる人は誰もいなかった。
昼の締め時間だと、見に行けないのでその子の締め時間の様子は一度も見たことがない。

メーターの仕組みは把握したけれど、毎日の維持の大変さがこの時まだ知らない。
ライブ配信とは、喋るだけでお金がもらえてなんて楽な商売だと思っていた頃だ。
軽率にそう思っていたからこそ「自分もできるのでは?」と、ライバー側に興味がわいてきた。

しかし、私は母親と二人暮らし。
狭いマンションなので自分のスペースはあっても扉はない。
一人になれるようなプライベート空間がないのだ。
加えて母の喋りは起きてから寝るまで止まることはない。
一人でずっと喋っている。
だから、私にはしたくてもライブ配信ができる環境がなかった。

そこでふと、一人の友達が頭に浮かんだ。
その子は女優をしている。
インスタライブもたまにやっている。
久しぶりに連絡を取った時に「ライブ配信って興味ない?」と、声をかけたのだ。

すると彼女の方からも「え、ちょうど調べようと思ってたところ!」と、意外な答えが返ってきた。
今までの経緯を話し、ポコチャなら手伝えると押してみた。
すると、次連絡とった時に彼女は「ライバー事務所入ったよ!」と、言ってきたのだ。
なんていう行動力だろうと、いつも彼女には感心させられる。

いつ配信を始めるか、どう始めるか
何度か打ち合わせを重ね、我々はついにライバー×アシスタントとしてポコチャデビューを果たすことになるのだ。

期待に胸を膨らませつつも、緊張していたのを今でも覚えている。

そこから私にとって本当のポコチャライフが始まったのである。





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